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到着Ⅲ

スネフさんはリファーレンの外交使節の一人として、パーミルでの交渉に携わっていた。

鎖国中?といっても、王国の西の玄関口であるパーミルとはそれなりにヒト・モノの交流があるらしい。

王国の都市の中でも、パーミルが一番エルフが住んでいるのが多いらしい。

これはバルストさん談。


で、交渉中に『アルカナ使い』の言葉を耳のいいエルフのこと、聞き付け、バルストさん達が報告中に顔を突っ込んだらしい。


またこの人拐い、なんと最近リファーレンのエルフも数名、行方不明者がでており、本格的な捜査が始まる矢先だった。

これらのことからスネフさんが、協力を申し出てきたのだ。


スネフさんは、魔法使いのひとつである『ウィザード』だ。

レベルは59で、俺のゲーム知識では、NPC としては上級者の部類に入る。

戦力としては申し分ない。


だが彼の助力で助かったのは、その"魔法"だ。

彼のステータスのスキル欄にあった、【フォレストリープ】である。

俺も初めて知った魔法だが、高レベルのエルフが使える転移魔法なのだそうだ。


森の中にある大木へ最初に指定しておくと、一瞬でその大木へワープ出来る魔法で、スネフさんは帰りの事もあってこのミレトの森の大木へ数ヵ所指定をしていたのだ。


領主さんもなかなか判断力に富んだ人らしく、すぐさま救援隊を集め(だからここにいるあの人達は、冒険者ではなく領主さんの私兵みたいなものらしい)、バルストさんとミールさん(これまた自分も行くと聞かなかったらしい)を含めた総勢16名が、スネフさんの【フォレストリープ】であっという間に森の入口近く大木まで転移してきた。


そこから一日弱程度の強行軍でここまでやって来た、という事だった。


「いや本当の所、キミがここまでやってしまうとは、思ってもいなかった。

逃げ切れる時間を稼いでくれれば、それで充分だったしな。

ヤツらをそれで捕り逃がしても、やむ無しと思ってたんだが…」

そう言ってから、バルストさんはウチの新人ドデカツートップ("ヒルジャイアント"と"シルバーウルフ"のことね)を眺めた。


ミールさんがバルストさんの言葉に繋げるように呟く。

「この前はいなかった、おっきいコがいるニャー。」


「ウチの新入りです。」

はい、それで済ましました。

―だって、【一日一回無料召喚】とか【進化】とか、そんなゲーム的なシステムどない説明せーちゅーネン!(エセ関西弁風に)

ましてや、なぜそうなるの?とか訊かれても困ります。


「で、今日出発するんですか?」

話を無理矢理別の方へ持っていく。

バルストさんもそれに乗ってくれた。

「いや、まずキミが説明してくれた、洞窟の入口等の確認をするから、出発は明日になるな。」


―それからフリード達を、領主の兵隊さん達に任せて、俺・バルストさん・ミールさん・あと領主さんの方から二人(ジェファーソンさんとジョシュアさんというヒューマン)連れて、現場検証?を行った。

スネフさんは留守番役になってもらった。

彼がいれば、フリード達もまずどうする事も出来ないだろう。


一応埋葬した盗賊達も、一部掘り起こして確認した。

崩落させて埋めた洞窟では、俺が一人でやったと言うと全員が口をアングリとしてしまった。

「おいおい、ホントかよ?」

とジェファーソンさんが疑るので、崩落した部分のハジッコを、俺のハンマーパンチでさらに大陥没させると、皆さらに口をあけたままになった。(ジェファーソンさんは、それから何故か俺に対して敬語で喋るようになった)


あとはフリードが持っていた手紙等を渡した。

どうやら話に出ていた、『宗主』とやらへの報告書だったらしい。

それには南方の小国の名前も出てきており、一部の国家と通じている可能性まで出てきた。


「こりゃ、帰ったらエライ事になるなぁ。」

とは、ジョシュアさん。

彼は領主さんの代わりに、こういった事を王国に報告しに行く仕事もしているらしい。


そんなこんなの一日が終り、何とか確認や捜索(俺の素人調べより他に、テントから色々と出てきたらしい)は全て完了した。

明日は朝から、パーミルへ出発する事となった。


…そうなると、俺には今晩中にやっておかないといけない事がある。

飯を食ったら、さっそく始めるとしよう。


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