アジトの二日目Ⅰ
"シルバーウルフ"のカードをデッキ画面へスライド、セットする。
いつものように目前に魔方陣が現れる。
魔方陣の大きさが"ヒルジャイアント"の時のように拡がる。
魔方陣から光の粒子が吹き出し、モンスターが浮かび上がってくる。
「……でかっ!」
おもわず声に出してしまった。
体長は5mを越えてるだろう、"グレイウルフ"の倍以上はある。
肩までの高さも2m近い。
小さめのトラック位はあるんじゃないだろうか。
イラストでは大きさの比較するものが描かれて無かったので、これ程とは思っていなかった。
でもそれよりも、その毛並みだ!
"シルバーウルフ"の名前の通り、美しい銀毛なのだ。
『シルバー』と称して、中身は白色に近い程度、というレベルではない。
まるで本物の銀で毛並み作ったような美しさだ。
…コレで毛皮作ったら、スッゲー高く売れんじゃね?
―マスター、目ガ怖イヨ?
スマンスマン、冗談だって!
でもそれくらい美しかったのだ。
暫く見とれていたが、我に返る。
あとは"キラーマンティス"のレベルアップだけだ。
"キラーマンティス"をベースに【強化カード(N)】を相手に【合成】キーを押す。
キラーマンティス HN Lv 8
(甲虫族/風属性/cost 25)
AT:3.930/3.930
DT:3.150/3.150
スキル:【スラッシュⅠ】Lv 1/10(65%)
うーむ、やはりステータスの上がり方も、ふつうのHN の数値じゃねーな!
もはやRクラスに近いものがある。
このゲットボスモンスター(略してGBM)は特別なもののようだ。
―さてこれで現時点での、エースが揃った。
あとはホントいうと、なにもすることがない。
救援が来るまで、捕虜達を見張って食糧を食い潰していればいいのだ。
―だが!俺はちょっとやってみたい事がある。
俺は少し気合いを入れると、フリードのいる檻にむかう。
フリードは寝不足の血走った視線を俺にむけている。
俺はまず猿轡と縛ったままで、アジトの中央、一番広い所まで彼を担いでいく。
そこで彼を地面に降ろして、次にモンスターを呼び出す。
"アルラウネ""ビーファイター""レッサーデーモン""ゴブリンシャーマン""キラーマンティス"そして今回から加わる"ヒルジャイアント""シルバーウルフ"の面々だ。
そして"ゴブリンシャーマン"にヤツの縄をほどいてもらう。
うー、キンチョーしてきた!
フリードはこっちを睨みながら、ゆっくりと立ち上がった。
「…なんのつもりだ?」