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合成の悩みⅡ

イビルシャドウ N Lv 1

(死霊族/闇属性/cost 7)

AT: 220/220

DT: 230/230


おお、なかなか珍しいのがでてきた。

こいつは見た目が影、というか影そのものに邪悪な意志が宿ったというモンスターだ。

影自体になりすまし、油断した所を後ろからバッサリ、といった暗殺攻撃を得意とする。


ノーマルの中ではステータスも高く、MAXレベルまで上げれば暫くは第一線で戦えるだろう。


…うーん、どうしよう。

【強化カード(N)】の一枚は、"キラーマンティス"に使うつもりでいた。

もう一枚は"グレイウルフ"の【進化】の為に関連して、使う事にしている。


―やはり予定通りにしよう。

先の戦いでも"キラーマンティス"は図体がデカイため、狙われ易かった。

今後の事を考えても、コイツの強化は重要だ。

"イビルシャドウ"には暫く待ってもらおう。

コイツのランクアップした、"アサシンシャドウ"もなかなか使えるモンスターだ。

なるべく早いうちにレベルアップさせたい。


さて、本題の"グレイウルフ"の【進化】をしよう。


…ホントいうと、コイツは【進化】させたくなかった。

"グレイウルフ"達は、俺がこの世界に転生して初めて仲間にしたモンスターだ。

数日とはいえ、一番俺の為に頑張ってきてくれたと思っている。


それ故、今までズルズルと先延ばしにしてしまっていた。

彼らとの別れはヤッパリ辛いものがある。

だがこうして先延ばしににした結果で、俺はゲーム時代に苦い思い出がある。


ライオットタイガー R

(幻獣族/光属性/cost 19)


"サーベルタイガー"の上位種で、ゲームのごく初期にノーマル召喚で運良く手に入ったモンスターだ。

なにしろレアリティがRなのでステータスは高く、スキルも使える全体攻撃を持っていた。

何よりイラストがめっちゃ格好良かった!


ゲームを始めて数ヶ月は、コイツのお陰で快進撃を続けられた。

それ故【天輝竜】と並んで思い入れのあったモンスターだった。


だが【天輝竜】と違い、コイツのレアリティはR(レア)だ。

中盤戦以降、最前線に出すのが辛くなってきた。

他のより高いレアリティのモンスター達に次第に立場を譲っていった。


もちろん俺はコイツに自分のレベルを犠牲にして、レベル上限破壊【アルカナバースト】を使った。

しかしやはりレアリティの差は埋められなかった。


後で公式ファンサイトで皆から教えてもらったのだが、【アルカナバースト】を使ってもUR のモンスターには、R クラスではどうしても勝つのが難しいのが判った。


一対一ならまだしも、このゲームは基本七対七のチーム戦なのだ。

"ライオットタイガー"ばかりに力を注ぎ込めば、他のモンスター達のレベルを犠牲にしてしまい、結果的にはチーム全体の戦力を削ぐことになっていた。


【アルカナバースト】で育てていくにしても、HR クラスからでないと、かなりキツいのを知ったのは、この時だ。


それでも俺はムキになって、何とか使おうとしていた。

―その結果、あるイベントで他の『銘入り』のモンスターを"ロスト"させてしまった。

しかも焦って挑戦した『ロスト回避イベント』で、さらにもう一体の『銘入り』モンスターを"ロスト"させてしまったのだ。


それ以降、俺は"ライオットタイガー"を出すことは無くなった。

【カード一覧】の奥底にしまい込み、まるでいないような扱いをした。


別に殊更ドライになるつもりはないが、もう二度とあの思いはしたくない。

ましてや今のモンスター達は本当に存在しているのだ。

彼らがそんな扱いをされれば、どんなふうに思うだろうか?


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