アジトで戦力拡充Ⅲ
何とか耐えられるレベルまでバイオハザードが落ち着いたテントに入る。
広さは教室二つ分位で、盗賊達の半数以上が休める広さがあった。
なかは一面に毛皮?か毛布?のようなものが敷かれており、彼らはここに各々雑魚寝して眠っていたのだろう。
あまり私物のようなものは無く、サイコロやトランプみたいなカードが散らばる程度だ。
ただテントの片隅に革鎧が数着と、ロングソードが3本立て掛けてあった。
革鎧の方は比較的新しそうで、俺の体型にちょうど合いそうなものがひとつあった。
後で装備してみようと思う。
テントから出て、最後に隅の方に深めの穴を掘り始める。
木箱のあったテントに大きめのショベルがあったので、落とし穴を掘っていた時より遥かに速く掘れた。
そこに盗賊達の亡骸を納め、土を再び被せる。
被せ終り、ナンマンダブーと手を合わせて終了だ。
これだけの事をしているうちに、随分時間が経った。
もう夕方近い時間だ。
とりあえずアジトの真ん中辺りにある焚き火跡に、新たに薪を積み夜に備える。
これでやるべき事はだいたいやったので、次にイベント報酬の【ノーマル召喚チケット】を使ってみよう。
「るー!」
ん?どうした"アルラウネ"?
「るるー!」
おおっ!『一日一回無料召喚』の今日の分をスッカリ忘れてた!
教えてくれてありがとうな"アルラウネ"!
"アルラウネ"の頭をなでぐりしながら、少し考えて"アルラウネ"に『無料召喚連絡担当』をお願いする。
同時に"グレイウルフ"に、『にくきゅー目覚まし担当』を改めて頼んだ。
ではお楽しみの召喚といきますか!
カーソル画面から【召喚】を選び、【一日一回無料召喚】を選択する。
いつものように、前面に魔方陣が現れ、モンスターが浮かび上がってくる。
スライム N Lv 1
(―族/無属性/cost 1)
AT: 10/10
DT: 10/10
…おお、とうとう出てきましたか。
"スライム"はゲーム『アルカナバースト!』で最弱のモンスターだ。
見た目は半透明の薄い水色をした、ゲル状をしている。
パッと見、ただ水溜まりににも見える。
最弱の名前の通り、ステータスはご覧の通りだ。
もちろん戦力としては、全く使えない。
レベルがMAXになってもクラスアップもしないし、どこぞのゲームのように最後に最強魔法を修得する事も無い。
だが、コイツにもひとつ秀でた所がある。