アジトで戦力拡充Ⅰ
昨日の戦いの場所から、1km 程離れた所に到着する。
ここに昨日、降参した戦士達を縛って、木の上に括りつけている。
これを降ろして、モンスターと俺で担いでヤツラのアジトへ向かう。
ここで"ビーファイター"から報告があった。
やはりミールさん達には出会えなかった。
あっちこっち飛んでもらったが、ミールさん達は以外と素早く移動出来たようだ。
まあこれは仕方が無い。
万が一、俺が突破され、彼女達に追いつかれれば、犠牲者が出る可能性はかなり高かったのだ。
『もし』の事を考えるより、とにかくガムシャラに逃げてもらう方がいいと考えたのだ。
さて暫くフリード達を担いで、ヤツラのアジトに到着した。
俺のこれからの仕事は、コイツらを逃げないよう監視しつつ、ミールさん達からの救援を待つことだ。
おそらく長くても、一週間位で来てくれるだろう。
それまではゆっくりさせてもらおう。
なんせ俺のモンスター達は、不眠不休でも大丈夫なようだ。
俺が居眠りをしていても、しっかり見張ってもらえるはずだ。
それよりも食糧だ!
大量にゲットした【ハチミツ】の残りは、全てミールさん達に渡してある。
彼女達大所帯にはこれでも足りないと思うが、アジトの中を食糧を探す時間も惜しかったのだ。
まあ数日のことなので、何とかなると思う。
アジトはバルストさん達が倒した、数名の盗賊の死体があるだけて、静かなものだった。
例の裏切り三人組は、上手く逃げたようだ。
死体のなかに、彼らはいなかった。
ひとまず捕らえた戦士達は、縛ったまま彼らが作った檻に放りこむ。
フリードももうひとつの檻に入れる。
もちろん縛って、猿轡もそのままだ。(フリードはまだ気を失っている)
念のため、モンスターに周囲の警戒と捕虜の監視を任せて、俺はまずフリードのいたテントに入った。
中は思っていたより狭く、6畳部屋よりちょっと広い程度だ。
木でできたベットがひとつに、木箱がふたつ。ひとつは燭台置き兼テーブルのようで、空だった。
もうひとつは頑丈そうな箱で、しっかりとカギがかかっていた。
フリードのヤツ、カギなんか持っていたっけ?
まあこれは後回しだ。
フリードのテントはこれ以外何も無かった。
次は盗賊達の共同テントで、これが一番大きなテントだ。
中に入っていく。
…入った瞬間、毒ガス攻撃を受けたかと思った。
むさ苦しい男数十人が何日にも渡って、寝泊まりしている(恐らく風呂なんかも入っていない)場所が、こんなに臭いとはっ!
おもわず気を失いそうになりましたよっ!