ミールのカード
キャラクターカードに描かれていたのは、確かにミールさんだった。
だがその姿はかなり変わっていた。
パッと見た感じ、かなり大人っぽい姿で描かれていたのだ。
彼女はどちらかというと、かわいい感じの美少女だ。
しかしカードに描かれている彼女は、非常に大人っぽい。
まるで数年後の姿のように思える。
今もかなりナイスバディな彼女だが、それがもう、数段アップしている。
特に…その、胸はスゴイ事になっている。
大人の色気が、イラストなのにムンムン伝わってくる。
装備も、魔法がガンガンかかっていそうな軽鎧(しかもかなり肌面積が広い)に、細やかな装飾がされた大弓を手にしている。
いかにもレア装備という感じだ。
背景は何処かの神殿だろうか、荘厳で真っ白な石造りの巨大な建物をバックに立っていた。
―ゲームでは、キャラクターカードはその時のキャラクターそのままで描かれていた。
今回のように、現状と異なるイラストなんかはなかったのだが…。
……イカンイカン、おもわず魅入ってしまった。
とにかく、次の仕事にとりかからなければ。
この件はどーせ今考えても、何にも答えは出ないだろうから、アタマの片隅にでも覚えておこう。
モンスター達の新しい召喚やレベルアップ等も出来るが、それも後回だ。
まず一番速く移動出来る"ビーファイター"に、ミールさん達を追いかけてもらう。
たぶん間に合わないと思うが、追いつければ、彼女達が無理して逃げなくてもいいのを伝えられる。
"ビーファイター"には、呼び出せる限界距離まで追跡を指示した。
さて俺の方は、まず死んだ者達の埋葬だ。
俺との戦いで倒れた、盗賊・戦士をせめて埋めてやらねば。
このままでは獣やモンスターに、食い散らかされてしまう。
確かに非道なことをやっていたヤツラだが、かといってこのまま野ざらしにしておける程、俺は神経が太くない。
幸い、昨日作っていた落とし穴がある。
これに全員埋めておくことにする。
因みに昨日倒したヤツラは、この落とし穴を掘った土を被せて、土饅頭のようにしてある。
なにせかなりデカイ落とし穴を掘ったので、掘り出した土もかなりの量だった。
あれだけの土を被せてあれば、掘り返される事はないだろう。
今回の方はまだ簡単だ。
落とし穴の底に彼らを置き、周りの土を崩して被せれば完了だ。
俺のパワーとモンスター達との共同作業で、小一時間程度で終わった。
埋めた所でナムアミダブツと手を合わせて、次の場所に移る。
フリードを"ゴブリンシャーマン"に担いでもらい、昨日の戦いの場所近くに向かう。