対フリード戦決着
フリードが俺の数m手前まで来たとき、ヤツの後にさっき手に入れたばかりの"スケルトン"五体を呼び出す。
俺がまた苦し紛れに、モンスターを再び呼び出す事は予想済みだったのだろう、俺を横目で捉えながら、現れたモンスターを確認する。
が、そこで現れたのが、自分が召喚していた"スケルトン"なのに驚いている。
「何故スケルトンがっ?」
―いまだっ!
俺は再び小声でモンスターの名前を呼びつつ、フリードに飛びかかろうとする!
「っ!なめるなぁ!」
だがフリードは俺の動きは見ていたのだろう、俺の腹にまたパンチを入れてきた。
「ぐあぅ!」
しかし俺は倒れない!ここが正念場だっ!
そのままヤツの腕を掴むっ!
「なっ、ちい!てめぇ、離せっ!」
もう一方の左手で、俺の顔を殴ってくる。
痛ってぇ!だが俺は離さねぇぇ!
「やれっ!アルラウネ!」
フリードが"スケルトン"に注意が逸れた瞬間、俺は自分の背後に、"アルラウネ"をこっそり呼び出しておいたのだっ。
彼女はヤツの死角、つまり俺の股下をくぐって、フリードに襲いかかる!
「るっー!」
―ズドムッ!
「キハァッ?」
フリードはヘンな叫び声をあげて倒れた。
…
…
あー、またやったよ、このコ。
フリードは下半身を両手で押さえながら、ぴくぴくしている。
目は完全に白目をむき、口からは泡をふいている。
この表情、俺は同じメにあったヤツを知っている。
前の戦いで急所攻撃をされたレベル10の戦士とそっくりだ…。
そう"アルラウネ"はこともあろうに、俺の股下をくぐり、ヤツの真下から急転直上型急所攻撃(いま命名)をまたやらかしたのだ。
「るーるー!」
え?オスを殺さず戦闘不能にするには、これが一番だって?
あー、はいはい。
だけど、こんだけ緊張した戦いのオチがこれって…
「るうーっ!」
―カッコつけても死んでたら、意味がないって?
ゴモットモでございます…。
フリードのステータスを確認する。
"見習い"フリード Lv 11
AT: 1.650/1.650
DT: 30/2.260
うむ、気絶した事により、【狂乱の妙薬】の効果も切れたようだ。
…防御値の数直を見て、俺も股下が何だかゾクッとした。
とにかく戦いはこれで終わった。この締まりのないのも俺っぽいかなー(笑)
《EVENT CLEAR ! 》
最後にコンソール画面に表示が出た。