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俺がカード使いに転生するまでⅠ

なにぶん初めて投稿する者で、何もわからずとにかく書きたい事を徒然と書いています。

どうぞよろしくお願いいたします!

気がつくと区役所の受付窓口みたいな所に立っていた。


あー、こりゃ俺死んだんだわー


これが俺のあの世での最初の感想である。

まあでっかいトラックに轢かれ、死ぬほど(文字通り)痛くて、その後血まみれの自分を見おろしながらふよふよ天に昇っていけば、大概ここが所謂「死後の世界」というのは納得出来るモンである。


轢かれた理由は最近世間でも問題になっている、歩きスマホが原因である。

ええホントに情けない死に方です。

今晩のニュースで流されるかもしれない。

「また若者の歩きスマホが原因です」

歩きスマホ ダメ、ゼッタイ!


で、スマホで何をしていたかと言うと、これが『アルカナバースト!』というアプリゲームである。

ファンタジーな「アレス」という世界を舞台に、カードを集めて、レベルを上げ、対戦するという、どちらかと言えばよくあるカードバトルゲームである。


今年で配信から1年目という、わりと新しいゲームであるが、配信からわずか1週間で80万人突破という記録を成し遂げた人気ゲームである。

その後も次々と登録者数記録を塗り替え、早くも海外版が決定している。


カードのイラストが最弱のN(ノーマル)カードから気合いの入った、超カッコいいものばかりというのもあるが、それだけではこんなに人気はでない。最大の人気は他にある。

これは追々話していこう。


それよりこの現状だ。

区役所の受付窓口みたいなと表現したが、まんまお役所の窓口である。

前にカウンターが2~300mほどの長さであり、それぞれのブースに1名づつ、係りの人が座って応対している。

その上には見馴れた地名、【北区】であったり、【中央区】と書かれた区割りプレートが掛けられている。

死んだ瞬間を経験していなければ、絶対何かの間違いでお役所に迷いこんだと思うだろう。


そしてそれぞれのブースに、受付を待っている俺のような死んだ者が、老若男女数名並んでいる。

だが見渡した範囲では、それほどの人数ではない。

受付の人たちも何だか、ノンビリとしているようにみえる。

そんなふうに辺りを見回している内に、俺の番が回ってきたようだ。


俺のブースのいる担当は、細目の色白で何だかキツネを想像してしまった。

年は何となく30才前後にみえる。


彼は自分の前のデスクトップパソコン(本当にそうとしか見えない)のキーボードに何か入力してから、その画面を見て、

「あ~、お若くしてお亡くなりになったんですね~」

「はあ」

「おや、トラックに轢かれて事故死ですか。あれは痛かったでしょう~」

「ええ、まあ。ってゆうか、ここってやっぱり、あの世とかそんなとこなんですよね」

「まあそんなとこです。も少し詳しく言いますと、次の転生先の斡旋所みたいな所ですよ」

「へえ、転生っていろいろ選べるんですか?」

「ええ、といってもアナタの場合、人生であまりたいしたことをせず亡くなっていますから、まあできたとしてミジンコ級の生命体からお選び頂くことになりますね~」


…あまりにひどい転生先である。

「何とかヒトクラスにできるようにならないんですか?」

「それは無理ですよ~!だってアナタの人生ポイントではどうしようもな…」

そう言うと、ふと彼はパソコンの画面の1箇所に目を止めた。

「アナタ、『アルカナバースト!』ずいぶんとやりこんでますね~!それに死ぬ直前までやっていましたね!」


…え、ナニ言ってるのこのヒト?


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