第3話
--------「高澤騎士」---------
「騎・・・士!?」
「間に合ってよかった、結構飛ばしたからな、戦闘機」
「戦闘機!?」
「あぁー・・・・なんでもない、うん。」
「私、気になります!」
「どこの豪農の娘だ!」
「いつまで漫才やってるつもり!?いい加減にしないとただじゃおかないわよ!」
陽良と話していると敵の少女が怒った。
なんだこいつ、ちょっとかわいいなちくしょう。
「どうせ本気で来るんだろ?来いよ」
「バカにすんなぁぁぁぁ!」
うまく挑発に乗ったもんだなぁ・・・・もしかしてこいつバk・・・・・いや、なんでもない。
少女はさっきと同じ炎の攻撃を連続で繰り返してくるが、俺はそれに対して左手をかざすだけでダメージ0ってわけだ。このブレスレッドのおかげで。
どうにもこのブレスレッド、かつての英雄さんが使った立派な魔具?だそうでその御利益で魔術的フィールドを展開して攻撃を防ぐんだそうだ。
そしてもう一つ。
「ハァッ!」
右腕に持っているのはランスの形をした武器、これも同じ魔具だそうだ。その力は絶大で、すべての魔術を無効化し、切れ味も最高の超一級品。
俺はそいつを少女の首の辺りで留めて、攻撃を止めた。
「クッ・・・・なんなのよそれ・・・!聞いてない!」
「言ってないもの」
「バカにすんな!!」
「動くなよ?死ぬぜ」
そう、もう生かすも殺すも俺次第、動かないほうが良い。
「今日のところは退いて上げるわ、次覚えてなさい!」
「負け犬の典型じゃねぇか」
「うるっさい!バカ!」
そういうと少女は自分で破壊した窓から出て行った。
なんかツンデレっぽいな、あいつ。
「大丈夫か?陽良、怪我は?」
「ないけど・・・それなに?」
「俺も知らん、いきなり持たされた」
「誰に?」
「それもわからん」
「意味わかんないな」
「だな」
俺と陽良はそこで微笑んだ。それからして、教室に現存していたクラスメイトの口が開いた。
「その人・・・大野さんの彼氏?」
「へ?」
最近の若者の悪い癖だ、すぐに好きだ好きじゃないだとか彼氏彼女の話に持っていく。
まぁ、俺は全然悪い気はしなかったのだが。陽良は・・・・
「いや、違うから、全然」
おい、ちょっとはそぶり見せてもいいんじゃない?なにその全力の顔横振り、死ぬよ?俺。
「じゃあな・・・」
俺はその場から立ち去った。断じて落ち込んでとかではないのだ、断じて。
教室から出て行ったときに誰かが「かわいそうに・・・」と言ったのが聞こえて泣きたくなったとかないんだからねっ!
・・・・・・覚えとけよっ!