第七話【ハルメニア王国】
いつも通り始まるとでも思ったか? 残念! ただの出落ちでしたwww
ということで最悪の始まり方をしましたね。
気分を悪くされた方は申し訳ありません。
そして、もう一つ書くとか言っておきながらこっちを先に書くというなんとも勝手な行動をさせていただいてます。ちなみにそっちは五話くらい溜まったら修正しながら一話ずつ投稿していくつもりです。
この作品も書き溜めしていたんですが、いよいよこれを投稿したことで0です。
そこでいきなりですが、この回からシリーズ『王国動乱編』、スタート!
――――ハルメニア王国、リェチタウン
PPMU本部から歩いて数十分、村のような場所に着いた。
「ついたぞ。ここがハルメニア王国のリェチタウンだ」
「り、りち?」
「リェチタウン」
「レチタウン?」
「ちがう、リェチタウン」
「り、リエチ……もういいよそれは!」
ハルメニア王国。PPMUでは『Aブロック』の一部に分類されている。気候は温暖で、王国の北東には広葉樹の樹海が広がっている。いたる所に花が咲いており、名前の通り春のような場所だ。
『Aブロック』は別名『四季の王国』とも呼ばれ、ハルメニア、ドーナツ、アキチリ、マフユキの四ヵ国で四季が分かれている特殊な環境の地域だ。
現在爽覇たちが着いたところはハルメニア王国のリェチタウンという小さな村。目的地はここからさらに数分歩いた先にあるのだが、爽覇にとっては初めて訪れるところであり、ついキョロキョロしてしまう。
「ほら、早く行かないと」
ルリカに促され、あちこちに視線を向けながらも足を進める。
今回の任務はチームθ全員で向かうようにと言われただけで、内容は知らされていない。正直、前回のことがあるからいまいちモチベーションが上がらない。
そして、俺のやる気をそぎ落とすものがもう一つ。
「それにしても、おまえかっこいいな」
皮肉気味にエンマが言う。その顔は殴りたいほどニヤニヤしていた。
「ぐっ、だって時間が無いっていうから」
「いやはや、オレにはとてもきれねえよ」
こいつ、マジでうぜえ。
そう、あのカオスな猛者たちの中から必死に悩んで選び出したこの服。
黒というより紺に近い色をした学ランのようなもの。
これだけならギリギリ問題ないのだが、背中に大きく『正議』と書かれていて恥ずかしい。正義って書いてあるのが恥ずかしいし、さらに字が間違ってる&筆記体みたいになってるというオマケつき。
「ねえ、おかあさん。あのひと、へんなかっこうしてるー!!」
「コウちゃん! 見ちゃいけません!」
……死にてえ。
俺が半泣きになっていると、大和さんが励まそうと近寄ってきた。
「まあまあ、こんなのは最初だけだよ」
「……逆に反応が無くなると色々怖いんですけど」
「ほ、ほら、人の噂も七十五日っていうじゃん」
大和さんが必死にフォローしてくれた。その横でルリカがボソッと一言。
「……人の噂は三千里」
「うぐっ!」
じぇ、絶対泣かないからな! 挫けないぞ! ちくしょう……。
――――ハルメニア王国、バザースクエア
リェチタウンを抜けてそのまま進むと、賑やかな市場に入った。祭りとかでよくある出店のような、簡単な作りのテントの下で、テーブルには果物、パン、服など様々な商品が並んでいる。
「おい! なんだよいきなり!」
エンマが急に叫んだので振り返ってみると、ルリカがエンマの服を引っ張っていた。それに対してエンマは手を外そうともがいている。その様子はまさに、言うことを聞かない犬の散歩をする少女。
「だってエンマ、それ以上は食べ過ぎよ!」
「べつにいいじゃねぇか!」
「もうやめて!」
「HA☆NA☆SE!」
「とっくに財布の残金はゼロよ!」
……お疲れ様です、ルリカさん。
仕方ないのでフランクフルトを一本買ってやるとなんか尊敬された。手のひらどころか体ごとひっくり返したように態度が変わる。ある意味一番扱いづらいタイプだと思う。
「なあ、ソウハ大先生、もっとよこしやが、りませんか?」
「ムリ」
即答。エンマが舌打ちする。たださっきと違い、腹に入れた分おとなしくはなった。
そうこうしてるうちに約束の時間が迫ってきているので、急ぎ足で目的地に向かった。
はい、というわけです。話が全く進みません。
シリーズものは大体の流れが浮かんでいる程度で、細かいところは一切考えておりません。つまりは行き当たりばったりということです。まあ人生なんてそんなもんですよね。
それで、この『王国動乱編』では、四つの国が登場します。それぞれ春、夏、秋、冬と、四季を表す名前にしました。
今回のタイトルは『ハルメニア』、つまりは春です。ちなみに気候はずっと春みたいな感じです。他の三つの国は後々出てきます。
それではまた次回、お会いいたしましょう。




