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第一話【配属】

 いよいよプロローグを終えて本編に! と行きたいのですが、第一話と第二話はどちらかというとプロローグに近い形になっています。

 それではどうぞ。

――――継承の間

 ついていくと、思わず後ずさりしてしまうような、神聖な雰囲気の部屋に着いた。

 中に入ると、まず目に入る大きなステンドグラス。そしてそれを後ろにするように司令官が立った。


「さあ、あちらへ。緊張しなくても大丈夫ですよ」


 アメフト選手みたいなゴツイ男にそう言われて、司令官の元へ歩き出す。この場じゃなくて、あんたの威圧感が半端無くて緊張してるんだけどね。


「では、継承式を始めます」


 その言葉が放たれた瞬間、部屋の中に緊張が走った。手から汗がにじみ出てくる。

 継承式、といっても簡単なもので、ようは『契約してクレマスカ? じゃあサインをオネガイシマス』みたいな感じ。まあ、血判はビビったけど。


「では、武器の進呈を」


 どこからか護衛の一人が剣らしきものを持ってくる。司令官はそれを受け取り、俺に差し出してきた。


「これはガンソード。文字通り銃と剣の二通りの能力を持っています。武器には『レヴィアタン』が宿っています」


(ん? 宿っているのはってなんだ?)


 疑問には思ったが、空気の重さにその場では口を開けなかった。

 後で聞いてみると、この組織ではいくつかの班があり、俺は魔力の宿った武器、『魔武器』を相手に戦う班に配属されるらしい。そのため、目には目をということで、魔武器を渡された。

 重苦しい継承式が終わり、俺はまた別な場所へと移動させられた。


――――魔武器対策本部

「今日から配属されるソウハ君です。皆さん、よろしくお願いします」


 パチパチと拍手が鳴り響く。こういう場は慣れてないから、ちょっと照れる。


「ああ、どうもです」


 自己紹介した後、部隊長に色々説明してもらった。

 というか、「まあ、やってるうちに何とかなるさ」の一点張りで、何一つわからないまま部隊に配属されたんだけど。


 隊長の名前はタング=ゴードン。魔武器は『トール』の六圏で、雷を操ることが出来る能力を持つ鎚だという。六圏というのは魔剣のランクで、神様の力を宿す武器には全ての力が宿るものは確認されておらず、少量しかないものから、本物に近い能力を持つものまであるようで、十段階に分けた単位を一圏、二圏、というふうに表すらしい(ちなみに数字が多い方が強い)。

 ちなみにここまで説明してくれたのは部隊の中にいるメガネのインテリ君だ。どこからって部隊長の名前から全部。この人が隊長でいいのか?


「そういえば俺まだ武器の扱い方すら知らないんですが」


「そりゃそうだな。まあ何とかなるって」


 ……もう駄目だこの人。なんとかしないと。


「どうしても駄目なら、チームの奴にでも聞いてくれ。俺はこんなんだしな」


 あっ、自覚はあるんですね。じゃあ直そうよ……

 こんなやり取りをしていてもしょうがないので、さっさとチームを紹介してもらうことに。

 配属は『チームθ(シータ)』。メンバーは俺を入れて5人。


「よし、じゃあ後は頼んだ」


「は~い」

「了解しました」

「了解」

「てかアンタがやればいいじゃねえか」


「うるせー、俺は面倒事が嫌いなんだ」


 面倒って言われたよ今。俺、ここでやっていけるんでしょうか。誰か答えてよ。


――――チームθ

「今日配属された五十嵐 爽覇です。よろしくお願いします」


「そんな固くならなくていいよ」

「そうだぜ? そんなことしても舐められるだけだ」

「そういう考えを下等というんだ」

「まあまあ、いいじゃないの」


 結構いろんな人が、というかクラスメイトを四人に圧縮したらこんな感じだろうな。

 自己紹介はさっき全体で済ませたから、四人にそれぞれやってもらうことに。


「じゃあ僕から……」


「はいはいはい! オレが最初にやる!」


「お前は我慢ができないのか。まるで野獣だな」


「ンだとゴラァ!」


「やめなよ、ケンカは良くないって」


「いいよ、僕はエンマに譲る」


「サンキュー。じゃあオレが一番だな」


「カケル、甘やかしては駄目だ」


「ウラナが気にしすぎなのよ。あとエンマに突っかかりすぎ」


「うるさい、黙れ」


「黙れって、ハァ……」


 ヤベェ、置いてかれてるよ……どうしよう、マジでやっていけるかな……


 はい、人が色々出てきました。

 『チームθ』のメンバーは次回本文で説明されるので、とりあえず隊長を。

 彼は言動から分かるように非常に面倒くさがり屋です。ほんでもって完全に部下に舐められてます。ですが、しっかりやることはやるひとで、実力も確か。イメージでいうと、日曜日にゴロゴロしてるけど、仕事をする姿はカッコいい父親みたいな感じです。

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