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プロローグ

僕は小さいころ神童扱いをされていた。

それもそのはず、勉強せずとも毎回テストでは100点をとれたし

運動せずとも学年の誰よりもスポーツができた。

それに甘えて家でも学校でも遊び惚けてばかりいたのだが、

それでも大人たちは僕が陰で努力してるはずだと考えて僕を称賛し、

「○○くんはすごく頑張っている」

「○○をお手本にしなさい」と言っていた。

正直、後ろめたさはあったが悪い気はしなかったし、できるやつポジションってのは楽しかった。

どれだけ頑張ってる奴も自分よりできないのだ。

そりゃあ努力をしたこともない、重みも知らないぼくからしたらからかいたくもなる。


だが、神童であれたのもそこまでだった。

大人になるにつれ、周りの人間は自分よりもできるようになっていった。

それでも僕は言い訳ができてしまった。自分は頑張っていないから頑張っている奴に抜かされるのは

当然だと。そんな他人を上げているように聞こえて、ただ自分を守るためだけの言葉を吐いていた。

そんな自己愛に溢れた僕を見限って周囲の人は僕から離れていった。

もともと親友と呼べるような関係性の人はいなかったが、そこそこ友人と呼べるような人はいた。

だがそこには僕のような怠惰な人はいなかった。

今思えばそういう人たちと友人のような関係を築けていたのは幸運なことだったのだが、

僕はそこではじめて過程の重要さというものを知った。

結果ではなく過程こそが人格を成長させると。

それから僕は変わるはずだった。

だが、僕はすでに天に見放されていたのだろう。

初めて外に走りに行った日、僕は交通事故にあったようだ。

今、体は動かず思考だけが働いている。

きっときっともうすぐ体が動くようになって、今までしてこなかった分の努力を取り返して

たくさん友達を作って、恋人も作って、多くの人たちに囲まれてちゃんと死ぬんだ。

まだ

まだ

ま…….........だ


















死にたくない…




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