表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/88

モブ

 退屈な日常が、刺激的な毎日に変わって欲しい。

 そう誰もが一度は願ったことがあるのではないだろうか。

 勇者として異世界転生して無双したりだとか、オカルト研究部なるものを立ち上げたりだとか、そういうフィクション極まりない刺激。

 肘をつきながら、廊下にいる用務員さんを見つめている俺も、その刺激を欲している者の一人である。

 俺の席は一番前の廊下側にあり、一番後ろで窓側の主人公席とは真反対だった。ふざけんな、モブ中のモブ、Top of the MOB席じゃねぇか。

 モブキングの称号を手に入れた俺には、あらゆる事件が起きようと、主人公を呼ぶか、見せしめに殺される役しか回ってこないのだ。

 寝よう、寝て嫌なことから逃げよう。嫌なことを一時でも忘れられることで、人間は上手くやっていけるものだ。

 俺は先生にバレないよう、机にうつ伏せながら、自然と重たくなる瞼に抗うことなく目を閉じる。

(起きたら勇者として、異世界転生でもしてないかな)

 そう心の中で思った後、俺は眠りにつくのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ