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夢を叶えた俺と大親友だったお前

作者: 空閑 碧斗

俺は今ある人のお墓の前にいる。


そこはほとんどの人が知らない山の中にひっそりとある。


そこで眠ってるやつは俺の大親友で俺が歩めるはずがなかった明るい未来を歩かせてくれた今までの親友の中で一番最高で一番優しかったそんな大親友だ。


〜数十年前〜

「へへーん追いついてみろよー」


「待ってよー運動は苦手なんだってー」

そういやあいつはいつも運動音痴だったな,,。


「なぁ」


「何?」


「お前って夢ある?」


「一応ね、でも叶えられないと思うけど」


「じゃあ俺がいうからお前も言えよな!俺は将来医者になりたいんだ!」


「そうなんだ、僕は小説家になれたら良いな」


「へー小説家ねぇ,,」


「何だよ,,」


「いいや行けるんじゃないか?お前ならいつもお前の小説は面白えし、運動音痴なお前に似合ってるぞー」


「何だとー!」


「やるかー?」


少しして,,

「んじゃこうしよう、俺とお前は絶対に夢を叶える、そしてお互い笑い合って過ごそうぜ!」


「何だそれ、でも悪くはないね」


「おう!なら決まりだ!絶対に途中で諦めるんじゃねえぞ!」


「お前もな!」


そうして俺とあいつとは別れてお互いの道を進んだんだったな。


本当に大変だった,,勉強は難しいし親も先生にも諦めろって言われてたよな,,。


でも俺は数年後に遂に夢を叶えて大きな病院で働くことになった、そこから数年してあいつとまた会った。


あれが俺とあいつの最後の,,,面と向かっての会話だった。


そして第一声は夢を叶えられただの、どうやっただの、うるさかったが嬉しかった、あいつもしっかりと夢を叶えたらしい。


そしてあいつは検査をしに俺の病院に来たらしく血液検査などいろいろな検査をした,,。


そこで分かってしまったんだ、あいつはもう短い命だと,,せっかく互いに夢を叶えたのに,,ってそれは俺もか。


俺もあの時は自分の命が短いと思っていた、なぜなら俺は腎臓が悪くてしかも二つとも揃っていなきゃいけなかった、だからあいつと一緒だったんだ。


「なぁ、検査結果はどうだった?」

いつも通りの明るい声で聞かれる。


ここで真実を告げるのは酷か,,嘘で誤魔化そう。


「ああ、良好だよ何も問題はないぜ」

できる限りの作り笑いで返す。


「それは本当のことかい,,?」

突然声から明るさが消えた。


「何言ってんだ!本当のことだぞ!」

慌てて否定するけど,,何だか今のあいつには全て見通されている気がする。


「ずっと一緒にいたんだ、少しはわかる、嘘をついてるよな,,?」


「,,,ああ」


「何で言ってくれないんだ,,」


「別に気まぐれだよ,,」

もう作り笑いが出来そうにないから窓の方を向いた。


「俺は!」

突然大きな声を出された。


「俺は,,他の人じゃなくてお前に言って欲しいんだよ,,悪いのは分かってる、けど他人に言われるよりも親友のお前の方がいいんだよ!」


「,,,お前はもうあまり生きられない,,」

なるべく声が震えないようにしたつもりだけど、少し震えてしまった。


「そっか,,,そうだよね」

あいつは悲しそうに呟いた。


「なぁ,,」


「何だ?」


「弱音吐いてもいいか,,,」


「ああ良いぞ」


「死にたくねぇよ,,」

あいつは今にも泣きそうな顔で言った。


何でだよ!俺は!こんなことを言うために医者になったんじゃねぇ!あいつはいつも病弱で良く病院に行ってた!


どうせ大人になってもそうなんだろうから、少しでも親友の俺が診て、安心させたかったからなったんだ!


なのに,,こんな仕打ちは,,ないだろう,,。


そう思っているともう,,涙が止まらなかった,,。


あいつも涙をを流していてかなりの時間お互いに泣いていた。


やっとあいつが声を出した時にはお互い目の縁が赤くなるほど泣いた。


「なぁお前腎臓悪いんだろ?」


「どこで知ったんだよ,,」


「悪い看護婦が話してるの聞いちまった,,。」


「あの看護婦達後で叱らねぇとな」


「,,,,俺の腎臓やるよ」


「は,,?」

まさかの発言に思考が一時停止する。


「だから俺の腎臓やるよ、俺ならお前と血液型も合うし、それに俺はドナーとして適正だ」


「だが遺族とかが,,」


「安心しろ、あいにく俺には奥さんも子供も兄弟もいねぇ誰もお前を怒らねえよ」


「,,俺は受け取らないぞ,,。」


「何言ってんだよ、お前俺にあまり生きられないとか言って弱音吐かせただろ、こうやってお前をすぐに死ねないようにするっていう嫌がらせだよ、後すぐ死んだら呪うぞ」


そう言ってあいつは不恰好な作り笑いで言ってきた。


でもどうしてもそれが嬉しかった。


「うるせー俺はもらわないからな」  


「あっそー遺書に書いとくから無理だぜ」


「好きにしろ」


「そうさせてもらうよ」

それから無駄話をしていると日が暮れてきた。


あいつは自宅で生涯を終えたいと言うので本当は駄目だがこっそりそれを了承した。


そして去り際に


「今までありがとう、後ずっと言えなかったことがあるんだ」


「何だ?」


「お前は今までで最高の時間をくれて最高の親友だよ、そして俺の命を持って俺が持つことの出来なかった家庭ってものを見せてくれよ」

そう涙声で言う。


「ああ、俺もだ!絶対に見せてやるから安心しろ!」

やっぱり涙が出てしまう。


そうしてあいつは診察室から出て行った。


それから数日後あいつはベットの中でとても幸せそうな顔をして息を引き取ったらしい。


それからというもの腎臓の移植などで色々と忙しくて中々あいつの墓に行ってやれなかった。


とても体に馴染んでいるらしくまるで最初からあったもののようだと言われた。


そりゃそうだあいつは俺の大親友だったんだからな。


そこで俺は目の前の景色があいつの墓の前に変わった。


回想だったのか,,あれは。


そう思うが少し違った回想にしては良く出来すぎている、まさかとは思うが,,。


「お前が見せたのか?」


そういうが返答はない。


家族の待つ家に帰るか,,そう思い歩き出そうとすると。


「ああ、そうだよ、後良いものを見せてくれてありがとよ」


そんな声が聞こえた気がした。


安心しろ、お前から貰ったこの命を持ってギネスを超えるくらい生きてやるよ!


そう思いながら走り出した。


読んで頂きありがとうございました!!!!!!!!今回は初めての短編小説だったので変だったかもしれませんがそれでも面白いと思って頂けたら星とブックマークお願いします!

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