表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/53

1 遺体を持ち帰ってくる者

本作にはグロテスクな表現が含まれています。

苦手な方はご注意ください。

「おお……勇者よ。

 死んでしまうとは情けない」


 勇者の亡骸を前に、王は重々しく呟く。


「すぐに蘇生の儀を執り行え。

 休ませておく時間などない」

「「はっ!」」


 王の命令に兵士たちが答える。


 勇者は死んでも特別な儀式によって蘇る。

 何度でも、何度でも。


「はぁ……いいよなぁ、勇者様は。

 俺たちなんて死んだらそのままだぞ」


 王が去ったあと、兵士の一人が勇者の死に顔を覗き込みながら言う。


「そうぼやくなって。

 何度も無理な戦いを強いられるんだぞ。

 勇者になるくらいだったら死んだ方がマシだ」

「それもそうだなぁ……。

 そういや一つ疑問なんだけどさ。

 この死体……誰が持って帰ってくるんだ?」


 兵士は首をかしげる。


 勇者が死ぬと、誰かが死体を運んでくる。

 しかし、誰がその仕事を請け負っているのか兵士たちは知らない。


「噂によると、専門の業者がいるみたいだぞ」

「はっ、マジかよ?」

「俺も噂でしか聞いたことがない。

 だけど実在してることは確かだ。

 こうして死体が帰ってくるんだから」


 物言わぬ勇者の亡骸を眺める兵士たち。

 抜け殻となったその身体はなにも語らない。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

本作はおよそ10万字の文字数で、すでに完結まで書ききっております。

最後までお付きあいいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  冒頭の王様の言葉から、これからどんな物語が始まるのか? わくわくします。硬派な文章も好みです。
[良い点] なんという斬新な発想!! スーファミ「ドラ〇エ」世代としては、この疑問はずーっとあった!! 1人の呪文で何とか連れ帰るのは、そりゃ魔法だって分かる! でも、全滅して戻ってこれるのは、やっ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ