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#10 護符の完成

 国を見渡すことができる光溢れる部屋があった。


 空にはいくつかの飛空艇が飛んでいる。飛空挺の船底には巨大な空色の球が付いていて、星の重力を阻害する魔法陣が描き込まれていた。宇宙の中心である地球を空色の球に見立て、太陽を表す八芒星が底に三重に描きこまれる。その周りには地球を除いた七つの惑星――水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星――が描かれていた。


 地面には海へ向かう幅の広い川が蛇のように身を横たえる。


 歪みを極限まで減らされている上等な窓ガラスの向こうは何の変哲もないいつも通りの光景だ。


 窓はわずかに結露していて、魔法陣が織り込まれた絨毯は部屋の中が冷えすぎないように仄かな温もりを放っていた。

 ふと、窓辺に一羽の鳩が止まる。


「やぁ、来たんだね。お利口さん」


 そう言った青年の白に近い灰色の髪の間から覗き見える青い瞳は透き通る空を映すようだった。

 窓を開けると、部屋の中に冷たい風が吹き込んだ。

「大丈夫。お話ししてご覧」

 鳩は数度くぅくぅと喉を鳴らし部屋を見渡すと、青年を見上げた。


『イズアルド・ヘイバン失踪の報、確かに受け取った。位置転移の理論を知る残りのニ名も始末するように』


 その声は、まるで鳥の鳴き声を無理矢理言葉の形にしたかのような物だった。


「はいはい。簡単に言ってくれちゃって」


 青年が返事をすると、鳩は一度無垢に首を傾げ――ドッと燃え上がった。暴れ、のたうち回る悍ましい光景はすぐに火に飲まれて、後には灰一粒残さずに消えた。

 窓の外から冬の風が吹き込む。先程までここに鳩がいたなど夢のようだった。


 ほぅ、と息を吐いたその時、扉が開かれた。

 見られてはいまいなと、青年は振り返る。

 疲れた顔をして入ってきた女性は特に何の疑問も感じたようではなかった。


「――エライヤ・ヤージャ様。おはようございます」

 エライヤ・ヤージャ。それはこの研究室を預かり持つ者だ。

 ベージュとグレーの間――グレージュのうねった髪はセンターパートにされていて、肩に触れないくらいの長さで切り揃えられている。胸元の開いた白いレースで飾られたブラウスには、顔に浮かぶ疲労に比例するように皺がいくらか刻まれている。

 こう言っては怒られるが、決して若くはない。


 ヒップのラインが見えるようなぴちりと体に密着する黒いスカートは、左側面の膝から下にスリットが入っている。

 黒いレースの手首までの手袋を両手につけていて、左手の薬指には洗礼の指輪が輝く。魔法だけが恋人だと豪語する彼女らしい。


「おはよう、マキナ。イシュワは今日もダメかも知れないねぇ。本当にやんなっちゃうわぁ」


 気怠げな様子だった。手に持っていたコートを壁に掛けると、円形に迫り出している窓辺に置かれたソファにどかりと腰を下ろした。


 ウエストバッグから杖と共に入れられているキセルと、刻み煙草の箱を取り出す。

 葉をキセルの火皿に軽く詰め、杖でちょちょいと火の魔法陣を空中に書き込む。小さな火が上がるとキセルを吸いながら点火し、魔法陣は焼失した。

「イシュワはペネオラと仲も良かっただけに落ち込みも大きいでしょうね。僕も心配です」


「はぁー……。本当にその通りだなぁ。二人がいなくなってもう三日になるし……一体どこに行っちゃったって言うんだ。やっぱりヘイバンの理論が間違ってたのかなぁ。出口になるはずの庭に書いておいた魔法陣はまだあるけど、このままほっといて力塊誤作動起こしたら歪みがでかそうだし……危ないから消さないといけないよなぁ……」


 ヤージャがうーん、と悩むように声を上げると、マキナは出会った誰もが好青年だと認めるようなさわやかな笑顔を見せた。


「――ヤージャ様、消してしまう前にもう一度やってみましょう。理論には間違いはなかったはずです。ある一点と、ある一点を四次元的に折り曲げて繋げ、四次元の触れ合いに踏み込むことができれば、三次元から見ればどれだけ遠くの場所に見えたとしても、瞬時に辿り着くことができるはず」


「じゃあどうしてヘイバンとペネオラは出口から出て来ないんだ?そもそも、発動を見越したタイミングじゃないうちに発動しただろう。また誤発を起こしたらあまりにも危険すぎる。二人の家族も必死に二人を探しているし、魔術省のお偉いさん方も頭を抱えてるんだ。安全管理委員も、これでまたどっか訳のわからない場所に誰かが飛ばされたらと思えば二度目の書き込みを許すはずがないだろう」


「……ですが、もし誤発したら――同じ場所に行くかも知れませんよ。そうすれば、救助も容易になるかも」


「あのヘイバンが戻って来られない場所にお前や私が行ってどうなる。連絡一つよこさないなんてどう考えてもおかしいだろ?私がヘイバンなら、自分の居場所を知らせるために閃光弾を打ち上げるのか、渡鳥か鳩を捕まえて地軸誤認識の魔法をかける。ペネオラが一緒にいれば紙も持っているだろうし、手紙をよこすことは容易なはずだ」


 地軸誤認識の魔法は割と高度だが、ヘイバンならやるだろう。この魔法を掛ければ、鳥の向かいたい方向を自分で操作することができる。

「もしペネオラが一緒じゃなければ……?それなら、手紙が来ないことも頷けます」

 ヤージャの座る向かいにマキナが腰掛ける。ヤージャは首を振った。


「――マキナ。ヘイバンはお前と同い年の若造だが一流だ。もし紙を持っていなければ、どこかの木の皮を引っぺがして、パルプを紙に変える魔法をかける。二人が一緒にいてもいなくても、どちらにしたって手紙が来ないなんてことはおかしいんだよ」


「とても遠くだから、鳥がまだ辿り着かないと言う可能性もありますね」


「それはあるが……遠くなんて言葉じゃ言い表せないかもしれない。城と庭の二点を繋げ損ねてどこかに飛ばされているのだから……下手をすると、出た先は人が身を置くことができない四次元の亜空間か、天上界だ」


「そ、そんな……」言いながら、マキナは思わず笑いが溢れそうになった。

 ヤージャは歳を重ねているだけはあるし、二人も後輩を抱えることができるだけの力と知識を持つ。


(そうだよ、エライヤ・ヤージャ。二人は僕の書き足した重力遮断を基礎とした天上界への道に踏み込んだんだ。もうとっくに死んでいるはずさ。お前も同じところへ招待してあげよう)


 マキナが笑みを隠すために顔を抑えて俯くと、ヤージャはその背をさすった。

「不安にさせるようなことばかり言ってすまないな。だが、覚悟はしておいた方がいい……」

「ヤージャ様、例えヤージャ様が再びあの魔法陣を書かれないと仰っても、僕はやります。怪我をしているかも知れないヘイバン様とペネオラを放ってはおけません」

「……マキナ……お前は優しすぎるよ」


 息苦しい空気が部屋に満ちると、無遠慮に扉が開かれた。


「マキナ!あたしにも参加させて!!」

「――イシュワ、イシュワ・サワダリ。来られたのかい」

 低い位置で二つのお団子状に結い上げられた茶金の髪は、きちんと気を配って結い上げたと言うより、何でもいいから邪魔な髪をまとめてやると言うようなざっくばらんな物だ。

 丸い眼鏡越しの鋭い視線は強い意思の現れか、力を感じさせた。


「やる!!やらなきゃ、やらなきゃリリーはどうなるの!!」

「ヘイバン様も一緒なんだからそんなに心配しないで……。イシュワは危ないし良いよ。僕一人でやるから」


 そんな事させられない、君はそう言うんだ。

 マキナが立ち上がると、イシュワは腰につけている道具鞄から杖を引き抜いた。


「やるわ。あなた一人にそんな事させられない」


 ふっと息を吐くように小さな笑いが漏れる。

 マキナはイシュワの手を握った。


「ありがとう。実は一人じゃ不安だったんだよ。二人でなら、またあの大型魔法陣を作り出せるはずだからね。ヘイバン様とヤージャ様が一緒じゃなくても――ね」


 それを聞くと、ヤージャは頭をワシワシとかいた。

「……あぁー!もう!お前たち二人がやるなら私も付き合うに決まっているだろうが!!私の大切な後輩に危険な真似はさせられん!!だが、知らないからな!!また誤発しても、私は知らんぞ!!」

 イシュワが感動したようにヤージャの手を取り、礼を言う。


「ヤージャ様!ありがとうございます!あたし、絶対リリーを連れ戻します!!」

「まったく……。やるからには、誰一人欠けることは許さんぞ。まずは出口の魔法陣が力塊誤作動を起こしてないか確認だ」


 マキナはこの二人を消す一歩を踏み出せたことに心から明るい笑顔を見せた。

 ただ、問題はこれからだ。前回の誤発――と皆思い込んでいる――を受けて、決して二人は不用意に魔法陣の上に乗る真似はしないはずだ。


(――最悪突き飛ばして入れるくらいの事はしなきゃだめかもねぇ)


 それが出来るか分からない。だが、次に正しく転移の魔法陣を書かれれば、まず間違いなく庭への転移を許すことになる。それは、あの二人が姿を消した所から言っても確かだ。

 そうなれば――アルケリマン公国の中に転移の魔法陣を鳥などで放り込まれ、一気に街の中にバラミス共和国の兵と魔術師が雪崩込んで街を破壊するかもしれない。

 拮抗しているはずの戦力のバランスが崩れればまた人が多く死ぬ。


 うまく誘導して、天上界への穴へ放り込まなくては。


(――お給料はずんで貰わなきゃね)


 二人があの日の転移実験の魔法陣について議論を始めるのを、マキナは心地よく聞き流した。


  ◇


 三本ものハンガーラックが出された仏間で男が三人唸っていた。

「俺は着ないから父さんと叔父さんで分けてよ」

 服屋のように大量に掛けられている服はどれも樟脳(しょうのう)の臭いがした。ずっと仕舞い込まれていた臭いだ。


「お前だってこれとか、これとか。着られるだろ?祖父ちゃんは痩せてたから父さんじゃズボン入らないんだよ」


 茶色の地にチェック模様の入った三揃のスーツだとか、昔っぽい()()()()した袖のカーディガンだとか、ダブルのジャケットだとか、そう言うものはあまり湊の趣味ではなかった。


「ほら。いいから着てみろ。祖父ちゃんも背高かったんだから大丈夫だろ」

「……俺にはきっと似合わないからな。絶対に似合わないんだからな!」

 湊は謎の宣言をするとだぶだぶしたトレーニングパンツを脱ぎ捨て、チェックのパンツを履いた。想像より悪くなかった。


「これも着てみろ」


 吊られていた三角襟がついていないバンドカラーの昔っぽいシャツを渡され、ダサいティーシャツも脱ぎ捨てる。

 シャツは首回りも袖の長さもぴったりだった。


「あ、シャツもいけるわ。シャツはもらいたいかも」

「いくらでも持ってって良いぞ」

「さんきゅー」


 ボタンを全て止めると、それの上にチェックのジレ――いや、祖父の時代ならチョッキ――を着て、ジャケットを羽織った。

 着付け教室の時に出される姿見を覗き込む。

「湊君、ジャケットも似合ってるよ。会社に着て行けば良いじゃないか」

 桜の父が嬉しそうに笑うが、三揃いのスーツなんて湊の職場では一人も見たことがない。

「いやぁ、うちの職場ジャケパンなんでこんなにかっちりなのは……」


 しかも、祖父もスーツを着る仕事ではなかったので、どれもお洒落用と言う雰囲気だ。ジーパンを履かない人だったのでいつもスラックスに小綺麗なシャツを着ていた。ここにあるスーツはそう言うものたちだ。


「決まってるけどなぁ。桜とペネオラちゃんに見せるか。――おーい!桜、ペネオラちゃん、湊君のこと見てやってくれ!」


 叔父が襖の向こうに声を掛けると、一瞬で襖が開いた。はっきり言ってあんなに大きな声を出さなくても声はダダ漏れだ。

「どれどれー!見たーい!」

 湊は無駄に格好いい服で振り返った。

「湊様!とってもお似合いです!いつも着てらっしゃるのより宜しいのではないでしょうか!」

 リリーの瞳に輝く色は憧れに近い。桜もふんふん頷いている。

 相変わらず通じ合っているように見える。


「いーじゃん。湊それの何が気に入らないの?」

「いやぁ…着ていくところないっつーかさぁ」

「デートで着れば良いじゃん」

「ジレまで着てこんなキメて来たら嫌だろ?お前来週の買い物俺がこれ着てったらどうよ」

「良いよ!それで行こうよ!それでどっかお洒落で高いお店でご飯食べよ!!」

「……金なくなる」

「お金は使うためにあんでしょ!」


 二人がやいのやいのと言い争っていると、叔父が湊に一歩近付いた。

「湊君、桜とデートするの?」

 面倒臭いことになった。湊は確信すると目を逸らした。

「いやぁ……ね……」

「慎次郎さん、うちは桜ちゃんがお嫁さんでも良いよ」

「ちょっとちょっとお義兄さん困るなぁ〜。何言ってるんですか〜」

「お父さんも伯父さんも何言ってんの。私は湊とちょっと遊びにいくだけよ」


 桜が父達の呆れる話し合いの仲裁に入ると、何を言っているのか分からないなりに雰囲気は面白いらしく、リリーは小さく笑いを漏らした。


「ふふ。本当に皆さん仲良しです」

「仲だけはね。ペネオラさんの家も家族は仲良い?」

「とっても!魔術省に勤めることが決まった時は皆で一晩中パーティーをしました!私、年の離れた妹がいるんですけど、一人暮らしをするために家を出る日の前の晩には妹と二人で同じベッドで眠ったくらいです!」


 リリーは楽しげに話してくれ、湊はその頭をワシワシと撫でた。


「そっか。帰ったら大冒険したって話してあげるのが楽しみですね」

「はい!湊様が下さったお写真を見せるのが一番楽しみです!あれは、この五日間が夢ではなかったことの証になります。私の宝物」

 感慨深げにウエストバッグを撫でるリリーはどことなく寂しげだった。


「――それにしても、湊様。本当によくお似合いです!」

「はは、ありがとうございます。でも、俺にはちょっと派手かも」

「いいえ、素敵ですよ。ヘイバン様も湊様が着て下さったらきっと嬉しいと思います!」

「うーん……そう言われると弱い。貰っていくだけ貰っていこうかな」

「そうなさってください!」


 ジャケットを脱ごうと動くと、リリーは後ろに回り、襟を持ってジャケットを脱がせてくれた。

 ジャケットはするりと落ちて、服屋のような手付きだった。


「慣れてますね〜」

「ヘイバン様はしょっちゅう研究室で寝ていらしたんですよ。だから、お休みになるならローブくらい脱いで下さいといつもお手伝いさせて頂いていました」

「想像できます。祖父ちゃん、しょっちゅう書斎のソファで寝てたから」

「ふふ。仕事場がお好きな方なんですね」

「そうですね。何かしてなきゃ落ち着かないタイプだったんだろうな」


 湊は笑いながらジレを脱ぎ、バンドカラーの上まで留めていたボタンを二つ外した。

 リリーがすぐにジレも受け取ってくれて、開いているハンガーにジャケットと合わせてまとめて掛けてくれた。

 パンツだけなら夏の間の出勤に使えるかもしれない。

 長袖のシャツの袖を折り返して顔を上げる。


 ――すると、叔父と桜にじっとりとした目で見られていた。父は嬉しそうだ。

「な、何……?」

「あんた亭主関白なの?リリーちゃんに礼くらい言わんかい!」

「た、確かに。ペネオラさん、ありがとうございます」

「何がですか?」

「いや、ハンガーに掛けてくれて」

「いえ!他にもたくさん着られるのがあると良いですね。――では、私は魔法陣と護符の接続を考えますので一度失礼いたします」

「はーい。洋間でも書斎でも好きなところでやって下さいね」

「ありがとうございます!」


 リリーはペコペコとあちこちに頭を下げると離れへ消えて行った。


「湊くぅん、どっちかにしてくれなきゃ困るなぁ!」

「いや、どっちも妹だし……」

 そう言うと、叔父は実に嬉しそうに笑った。

「そうか!じゃあ良いな!たまにはデートでも行ってきてちょうだいな!」

「誰が妹よ。お兄さんぶらないで」

 面倒臭い父娘だった。


 その後あれこれと着せられ、着るか怪しいもので含めて服を大量にもらった。ジャケットは形が古くて着られないと言うことで父親達が分け合い、湊は大量のパンツとジレを手に入れた。

 紙袋二つ分の土産だ。こんなに持って帰るのかと面倒な気持ちを押し殺す。


 皆が男物の着物や褞袍(どてら)、浴衣を見始めると、湊は試着室と化す部屋を後にした。手にはお札サイズの紙。


 祖父の書斎の扉を叩き、「俺です」と声をかけながら部屋に入った。

 リリーは祖父の椅子に座って作業をしていた。


「湊様、あちらはもう良いんですか?」

「はい、もう俺は関係ない所に入ったんで。――で、どうですか?」

「はひぃ……やっぱり意味がよくわからなくて難航してます」


 ギッと背もたれに背を預けて困り笑いを浮かべたリリーは、湊が子供の頃に半分も使わなかったノートを机に開いている。背表紙側から使っていて、その中には大量のメモや計算式――だと思われるもの――と、湊が大きく書いた祖父の護符の拡大版が書かれている。護符には何本もの線が伸びていて、湊が説明した漢字や梵字の意味のメモのようなものが記されていた。


「……すごい勉強してますね。偉いな」

「私が帰るためですから、当然ですよ。偉いのは関係ないのに手伝って下さる湊様です」

 湊はその言葉を聞くと、リリーの前に開かれているノートをそっと手に取った。


「ペネオラさん、俺だって関係なくないよ。祖父ちゃんが帰れるのか、俺のひい祖父さん達が祖父ちゃんの人生を知れるのかの瀬戸際なんだから」


「――そうですね。湊様、頑張りましょうね」


「うん。頑張りましょう。それでさ、ペネオラさん。俺が祖父ちゃんの護符をそのまま書いても、今の俺じゃ発動させられないんじゃないかなって思うんです。俺は祖父ちゃんの知っていた事全てを知る事はできてないし、知っていくには時間がかかりすぎる。祖父ちゃんが祖父ちゃんになるだけの時間を、俺も必要としちゃうかもしれない。字は分かるけど、どうしてその字がいるのかもわからない物が結構あるから」


 リリーは帰り道を見失った子供のように不安げな顔をした。


「……その時は……湊様……。洗礼の指輪を私に預けては頂けないでしょうか……。日本語を覚えたら、必ずお返しいたします。それで、仕事を見つけて一人で生きられるようになると誓います。だから、だから――」


 震えてしまいそうなその様子は、湊には迷子の子猫のようみえた。慰めるため、無意識のうちにその長い髪を撫でた。ふわふわと柔らかいと言うのに滑りの良い髪からは人を酔わせるような甘く良い香りがした。


「ペネオラさん。大丈夫だよ。そうならないで済むように、俺は俺なりに宇宙と時空、世界に穴を開ける方法を考えてみようと思う。もちろん、祖父ちゃんの護符を参考にするし、今のところ理解できてる字は使い回せてもらう。特に、()()()は使わないともったいない。俺はこう見えて割と頭が良い方だから、きっと明日にでも君は俺の家から帰れるよ」


 生体一式の禁忌の魔法陣は強力だとリリーは言っていたのだ。それを使わない手はない。


(……大丈夫。こっちの法則では魔法陣は焼けたりしない。護符は残るんだ。次も、きっと俺は焼けたりしない)


 湊は自分を奮い立たせるように心の中で呟いた。気掛かりなのは湊がまだ効果を宿しているのかと言うところだが。


「湊様……」

「大丈夫。君のことは俺が必ず家に帰します。今日、俺は俺の護符を作りあげるよ。作る間……君にはそばにいて欲しい。意見も聞きたいし、俺の護符の説明も聞いてほしい。それで、明日からは君の世界の魔法陣を書いて繋げる。できるかな」


 気弱そうな顔をしていたリリーの瞳に、再びの闘志が宿るのが見えた。美しい瞳は煌めき、強く頷いた。


「やります。湊様、どうぞよろしくお願いいたします」


 湊は頷き返し、ソファの横に置いてある小さなサイドテーブルをソファの前に移動させた。

 そして、平文の机の一番下の引き出しに入っている朱墨と(すずり)を取り出してテーブルに乗せていく。

 リリーも机に乗るインク壺を手にソファに来ると湊と並んで座った。


「まず聞きたいんですけど、そっちの人達は魔法陣の完成とか発動云々って、どうやって知覚してるんですか?祖父ちゃんは()のたった一文字を残してた。それを埋めれば完成するって分かってたのが不思議でならないんですよね」


「それは必要な知識を書き込み終わった時が発動のタイミングだからです。自分の持つ知識を全て書き込まなければ発動しません」


「でも、それは確実に発動する魔法陣だって分かってる時にしかできない芸当じゃないですか?そっちなら書いてみて発動しなくて書き直しとか、力塊誤作動起こして崩れてやり直しとかできるけど、こっちじゃそんな方法は取れない。そもそも魔法そのものが発動しない可能性もある中、祖父ちゃんは君を呼べる魔法陣と護符を遺した。祖父ちゃんは試し打ちはできないし、してない。君が来てなかったんだからね。だって言うのに、祖父ちゃんにはあの魔法陣と護符が発動して君を呼ぶっていう確信があったはずなんだ。祖父ちゃんは一体どうやって魔法陣が確実に機能するって確信できたんだ……」


 リリーは真剣に話を聞き、湊の問いの真の意味を理解すると口に手を当て悩み始めた。

 コチ、コチ、コチ、と時計が進む音がする。

 湊は魔法のあった世界の人が導き出す答えを(じっ)と待った。

 庭の向こうで猫が鳴く声がする。夏休みの子供達がサンダルで走り回る音がする。

 十分な時間考え、リリーは自分の中で納得がいく答えを導き出した。


「――生まれて初めて魔法を発動させた日、妙な胸騒ぎを感じました。胸騒ぎは毎日魔法を使う中で、少しづつ慣れて消えて行きましたが……もしかすると、ヘイバン様の中でもそんな胸騒ぎが起こったのかもしれません」

「胸騒ぎ、か……」


 あの日、護符を見た時妙に落ち着かないような、心を掻き乱されるような、不穏な感じがしたのはリリーの話す胸騒ぎだったのかもしれない。


「あちらにいた時には毎日何かしらの魔法を使っていたせいで感知できなくなった事でも、こちらでは感知しやすいのかもしれません。私はこちらに来て、初めてその洗礼の指輪の向こうに自分の世界を感じましたし、きっと何か……何か理屈では説明し難い何かがあるんだと思います」


「初めて酒を飲んだ時に、度数が低くてもアルコールの刺激で喉が熱くなる感じかな……。アルコールが熱受容体に干渉する感じ。今じゃもう感じないもんな」


「ふふ。湊様は面白い例えをされます。でも、そう言う感じかもしれません」

「人の体には違いないからね。じゃあ、俺もその胸騒ぎを期待して書こうかな」

「はい!私も転移実験の入り口を書きあげて見せます。幸いヘイバン様が研究した書き残しが力塊誤作動を起こさずにたくさんありますし!」


 リリーはウエストバックの中から平文の付けペンを取り出し、湊に渡した。

 硯にほんの少しの朱墨を出すと、付けペンによく吸い上げさせる。鋭く尖ったモンブランのようなペン先は含まれていく朱墨によって朱に染まった。


 まずは祖父の護符にもある梵字だと決めている。

 十分に付けペンがインクを吸い上げると、ペンを寝かせながら文字を書き込んだ。寝かせたところは太く、立てたところは細く。硬いペン先は筆と違ってしなやかさがないと言うのに、不思議なくらい柔軟に様々な線を生み出した。


「――世界創造を行った梵天(ブラフマー)。ブラフマンは宇宙そのものであり、俺たちそのものだ。梵我一如(ぼんがいちにょ)、俺たちの根源は宇宙の根源と同じ。世界創造の力を宿してくれ」


 綺麗とは言えない梵字と、梵我一如の文字が書き込まれる。

 湊はペン先に含まれる朱墨を一度拭き取り、今度は黒いインクを吸わせた。次の梵字を梵天を示す文字の上に重ねて書き込む。


「――破壊の神、不動明王(シヴァ)。迷いの世界を断ち切り、現存する宇宙に風穴を開けろ」

 と、そこまでは良しとする。

 湊は一度ペンを置き、科学百科や、赤い表紙が印象的な科学雑誌を開いた。

 宇宙、相対性理論、量子力学、時間。

 大学で物理学は軽く表面を撫でただけだ。


「――ペネオラさん。祖父ちゃんが来た時間と、君が来た時間はあまりにも離れてる。君が歳を取らないでここに来られたのは、祖父ちゃんが魔法陣を完成させたからだけど、完成させるより前に君がこの世界のどこかに出なかったのは何でだと思う?」


 リリーはあまり自信はないような、どこか遠慮がちに口を開いた。


「……世界同士に時間的な繋がりはないから、でしょうか?ヘイバン様はこちらにあの日の魔法陣の出口を繋げれば私が来られるとお思いにっていたようですし……」


「そうだよね。俺もそう思う。一応それを軸に祖父ちゃんがこっちに来てから知ったであろう他の考え方を二つ伝えておくから、今から俺が言うことをよく聞くんだよ。なにが引き金になって求める時間軸に帰り損ねるか分からないから、一応ね」


「はい」と返事をし、リリーはノートを開いて自分の付けペンにインクを吸わせた。

 聞く準備が整ったのを確認し、湊はリリーの開いたノートに小さい棒人間、中くらいの棒人間、大きい棒人間を書き込んだ。


「人は生まれて育って、大人になって死ぬけど、これはどうして起こると思う?」

「時間が流れるからでしょうか?」


「俺もそう思いたいんだけどね。世の中には時間はそもそも存在しないって考え方があるんだよね。太陽の動きや、人の変化を表現する言葉がないから時間って概念を人間が作ってるだけで、世界に時間なんて存在しない。人が成長していくのはただ、その場にある物が変容してるだけ。こう言う考え方も世の中にはある」


「変化してるだけで……時間なんてものはない……。難しいお話です。ちょっとよく分からないです」

「祖父ちゃん含めて分かってる人はいないから、そう言うこともあるんだって知っておくだけで十分だよ。自分によく言い聞かせてね。常に今は今しかなくて、過去も未来も存在しないって」

「今しかないのに、過去に戻れるんでしょうか?」

「違う違う。そもそもそっちが過去が未来かなんて分からないし、常に今だよ。こっちの今からあっちの今に行くだけだよ」

「分からないけど分かりました。覚えておきます!」

 さりさりとノートの上にペンを滑らせていく。読めないが、全て終わった雰囲気を掴み、湊は再び口を開いた。


「それから、もう一つの考え方は時間は一定じゃないって言う事。ブラックホールの中の時間は止まってるでしょ?」

「……なんですか?すみません、よくわかりません。もう一度言ってください」


 リリーはたまにバーチャルアシスタントのような返事をしてくるなと思う。

 湊はこう言いたくなった。――ヘイ、リリー。宇宙ってなに?と。

 馬鹿らしい思考を丸めて破棄し、考え直す。


 あちらにない概念はうまく伝わらないので、ブラックホールはダメだ。


「ブラックホールは忘れて。えーと、星から離れてる重力の弱いところの時間は早く進んで、星に近い重力の強いところじゃ時間はゆっくり流れる。時間は場所によって変化するような、すごく曖昧なものなんだよ」


「じゃあ、とっても高いところで育った人は地上の人よりも早く老いるんでしょうか?」

「何百億分の一秒早く老いる事になるね。その証拠に人工衛星は定期的に時間を合わせ直してる。だから、時間は一定じゃないっていうことも覚えておいて」

「分かりました!」


「じゃ、時間は存在しないのか、もしくは普遍じゃないものだって事を念頭に……続き書くよ」

「はい!」

「開かれた世界の穴の向こうの時間を、ペネオラさんの書く魔法陣が確かに繋がるように……」


 湊の護符へ書き込まれていく言葉は万有引力の式だとか、量子力学の収縮の式だとか、それを否定する二重線だとか、はっきり言って、護符と呼ぶにはあまりにもかけ離れたものへとなっていった。科学雑誌をめくりながら書き込んだものも多くある。


 彼の考える事象と、神と言う存在の可能性、信じ難い平行宇宙の存在を結びつけていく。

 日が落ち、夕食だと言う声かけも無視して進めた。

 すると、何度目かの声がけに桜が書斎に顔を出した。


「ねぇ、湊。ご飯だよ?早く食べないからお刺身乾いちゃうじゃん」

「うん、後で食べるよ。ありがとう。ラップでもしといて」

「後っていつ?」

「これが終わったら」

「それ何なの?一旦終わりじゃダメなの?」


 護符を眺めながら話していたが、考えていることが抜け落ちてしまいそうで、湊は一度目を閉じた。


「悪い、後にしてくれるかな」

「湊、せっかく呼びに来てやってんのに――」

「まじで。まじで後にしてくれ。余裕ない」

「はぁ……?あんたねぇ……せっかく人が親切で呼んでやってるっていうのに。リリーちゃんは?」

「無理。行かせられない」


 湊が即答する。リリーも何度か頷くことで行けない意思表示を行なった。

 呆れを通り越し、若干の苛立ちを感じさせる様子で桜が部屋を出ていくと、今度は母が様子を見に来た。

「湊、リリーちゃんだけでもご飯食べさせてあげないと可哀想でしょう」

「無理。今ここにいないとやり直しになるかも」

「もー。訳わかんないこと言ってないで。サクちゃんも怒っちゃったじゃない」

「母さん。反抗期みたいでこんなこと言いたくないんだけど、俺の頭の中から理論が吹き飛ぶ前にドア閉めてくれるかな」

 書きかけの護符から顔も上げずに告げると、深い溜息と共に扉が閉まる。


 湊は必死になって書いた。

 平文ならばたった一枚の一筆箋に納められていたと言うのに、湊のものは結局何枚も何枚も一筆箋を貼り合わせて巨大化して行った。

 平文の護符からの転用となる漢字も一度や二度ならず、何度も書き込みを繰り返している。

 こんな事なら、最初から大きな紙に書けばよかった。なんなら模造紙が欲しい。

 だが、後悔しても始まらない。


 リリーも側でずっと湊の話す訳の分からない話に耳を傾け、ノートを何ページも費やして湊の護符の情報を書き込んだ。

 手記の読み上げもせず、二人は昼間から書斎に篭りっぱなしだった。


 ――そして、深夜二時。


 書き直しや書き込みを繰り返したツギハギの護符は出来上がった。

 実に、一筆箋十五枚にも及ぶ超大作だった。


「最後に……祖父ちゃんの門を……!」


 仕上げに書きかけの()を収めると――湊は見下ろした護符にゾッと背を振るわせた。視線が吸い付くようになり、目を逸らせなかった。

「……こいつ、動くかも」

 そんな漠然とした確信が生まれる。

 だが、想定しているものが作れていると言う確信は持てなかった。


「すごいです……。湊様……あなたはヘイバン様が何十年も積み重ねた知識の結晶を……たった五日で……」

 湊は即座に首を振った。


 全ては平文の積み重ねと、必要な知識のお膳立てをしてもらったからこそできる事だ。平文の残したものや、平文の作った生体一式魔法陣の一部である生体()が揃わなければ、同様に何十年の時を必要としただろう。

 それに、祖父の時代はまだ世界の分かっていないことが今よりも多くあったのに対して、今では多くの尊敬されるべき科学者達の手によって世界の解明が進んでいる。情報も驚くほど簡単に手に入れられる。湊がすごいと言われるべき場所は一つもなかった。


「いや……本当に俺はなにも出来てないです。それに、動く気はするけど、これが本当に世界同士を繋げる門になるのかは分からない」


 ペンの握りすぎで湊の手と手首は痛みを訴えていた。同じだけの時間、そばで字を書き続けていたリリーも恐らく似たような状態だろう。

 二人は右手の手首を押さえて目を合わせると、苦そうな顔をして笑い合った。


「湊様、きっと動きます。私そんな気がするんです!」

「はは。直感頼りだから、仕方ないね」

「やってみましょう!私、これと繋がるものを書き上げてみせます」

「頼むよ。――でも、今日はもう終わりにしよう。疲れたし、腹も減った。多分晩御飯残してくれてるから、食べましょう。遅くまで付き合ってくれてありがとう」

「いいえ、私こそ本当にありがとうございました」


「うん。それから、念のためにこの俺の護符は指輪と一緒にクッキー缶にしまっておきます。少しでも長く魔法の概念に触れるように置いておいた方が良いような気がするから。ただ、言葉は通じなくなるけど……平気かな」


 湊はこれをはずすと何もかもわからなくなってしまう。

 祖父は長らくここで日本語を話していたから、指輪を缶にしまってから認知症が進行しても日本語を話せていた。言葉が通じることが当たり前の祖父は、こちらに来てからの殆どを忘れても日本語を話せる疑問は抱かなかっただろう。ただ、文字は日本語を書けなくなってしまったが。


「……少し寂しいです。でも、大丈夫です。言葉は分からないけど、分かりますから!」

「俺も分かる気がするよ。じゃあ、この後飯は食べるけど……先に言っておくよ。おやすみ」

「はい。おやすみなさい、湊様」


 超大作は丁寧に折り畳まれ、指輪と共に洗礼の魔法陣が書き込まれた缶の中に一度しまわれた。


 あちらの世界の魔法陣もできていないと言うのに、こうしておくことにどれほどの意味があるか分からないが、まだ蓋の魔法陣が焼失していないところから言って効果を維持していると思われた。ただ、やはり力塊誤作動も焼失もしない世界なので、実は正しく作動していませんでしたと言う可能性も否定できない。


 湊は諸法無我と書き込んだ一筆箋にたっぷり糊を塗り、下半分を缶の内側に張り付け、斜めに缶に当てた蓋に上半分を貼って慎重に缶を閉めた。

 缶を持ち上げると、指輪が中でカラカラと動き音がした。


(これで良いな。多分)


 湊がソファから立ち上がると、リリーもその後に続いた。

 何も言わずとも何となく分かり合えるので、言葉は必要なかった。それに、家族はもう皆寝ているのだから静かにするに越したことはない。


 一言も交わさず、二人は台所に入った。


 台所にはほとんど調理台として使われている真四角のダイニングテーブルがあるので、そこに収められている椅子を一つ引いた。

 リリーに座って良いんだよ、と今引いてやった椅子を指し示す。リリーは余程空腹だったのか妙に嬉しそうな顔で湊の前に座った。

 湊は鍋に残る煮物を火にかけ、冷蔵庫の中に残っている刺身とサラダ、レンコンの金平を机に出した。

 リリーがラップを剥がしてくれているうちに保温のままにしておいてくれたご飯をよそっていく。


 さぁ座ろうとすると、リリーは立ち上がってわざわざ湊の椅子を引いてくれた。

 感謝を顔だけで伝え、二人は真夜中だと言うのに割としっかり食事を取った。


 静かな食事を終えると、リリーに先に風呂を勧め、湊は一人で食器を片付けた。


 椅子でうとうとしていると、肩を叩かれた。

 いつの間にか風呂を上がったリリーが戻って来ていた。

 今日の彼女の寝床は和室ではなく茶室なので、茶室に案内すると深々と頭を下げられた。和室には桜と叔父、叔母が寝ている。

 もう一度目で挨拶をし、襖を閉めた。


 風呂に入ることも億劫だが、夏は体がベタベタしていて風呂に入らずに寝ることも気持ちが悪い。

 湊は仕方なく風呂に入った。

 そして、風呂から上がり、寝ようと思ったところでリリーが気になり和室の方を確認した。

 部屋にはまだ電気がついていた。

 作業をしたまま寝入っていると可哀想なので電気を消しに茶室へ向かう。


 廊下の行き止まりには簡単な水屋がある。その手前で湊はそっと襖を開けた。

 湊の予想通り、リリーはノートの上に手を放り出して眠っていた。


 最後の寝顔になるかもしれない。湊は少し眺めていこうかと思ったが――電気を消すと茶室に入ることなく襖を閉めた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 手繋ぎとか、指つんつん見られてたら「なぜ付き合わないんじゃい!」って桜に言われそうww 本当は好きなのに湊が色々引きづらないように応援してて偉いなぁ......。 次回は遂に待ちに待った…
[一言] 祖父ちゃんとリリちゃんの異世界転移の仕掛け人が出て来た(゜Д゜) なんか向こう不穏だぁぁっ(゜ロ゜;)
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