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祝! Aランク冒険者!

「では、年会費をお支払いくださいな」


 アリッサベルに勝利し、文句なしにAランク冒険者となった俺を待っていたのは、妖精さんのそんな言葉だった。


 場所は戻って、さっきの冒険者ギルドの受付である。


「……え? 年会費?」


「あれ、ご存じないです?

 冒険者さんはランクに応じて色んな支援を受けれる代わりに、年会費を支払ってもらうですよ?

 Aランクは年会費100万KGになるです」


「ひゃ、ひゃくまん!?」


 なに、そのクレカのVIPコースみたいな仕組み!?

 っていうか、年間カキン額100万とか高すぎない!? プレミアムガチャ10連回せるよ!?


「はい。100万ですよ?」


 つぶらな瞳で妖精さんが首を傾げる。

 何度も言うけれど、街のマナが及ぶ範囲なら妖精さんは非常に強い。


 さらに言うなら、ギルドにいる妖精さんは妖精のなかでも選りすぐられたエリートなわけで……。


 そんな妖精さんが。


「お支払いくださいな?」


 ほらさっさと寄越せ(意訳)と手を伸ばしてきてるんだけど。


「え? まじで? 金とるの?」


 俺はもう一度聞き返した。

 ランクの高い冒険者には色々と義務があるって聞いてたけど、年会費があるなんて聞いてないよ!?


「あー、去年からのルールですからねー。知らないのもしゃーなしですねー。

 でも、代わりにいろんなサービス受けれますので安いとおもいますが?」


「まじかよ……」


 俺が困っていると、ウェンズディがのん気に首をかしげる。


「ナバルさん? 昨日、600万KG近くゲットしたんですから、ここは素直にお支払いすればいいのでは?」


 おいおい、ウェンズディ。

 それ本気で言ってるの?


「……ウェンズディ、お前、ガチャを何回回したか覚えてるか?」


「え? あのときはひのふのみぃ……。

 100KGを4000回と、500KGを1万飛んで600回……ってまさか!?」


 その真実にたどり着き、ウェンズディが顔面を蒼白にする。


「そう! そのまさかだ! 使い切っちまったから、カキン額の残額はほぼゼロだ!」


「そんなこと誇らないでください! 600万近く稼いでおいて、なにやってんですか!?」


「あんだけレアが出なきゃ、次はSRくるかも。それどころかSSRくるかもって思うじゃん!

 いいか、人間っていうのはなぁ! 少しでも希望があればそれにすがっちまうんだよぉ!

 レアが出ないっていうのはよぉっ! 全額使い切ったやつだけが言える言葉なんだよ!

 だいたい、お前だって止めなかっただろうがぁっ!」


「気持ちはわかりますけど!

 っていうか、じゃあついさっきここで『ご飯おいしそうだなぁ』みたいな期待に胸ふくまらせてたのはなんですか!?

 お金持ってないのにどうにかなると思ってたんですか!?

 食事につかうお金までカキンしちゃうとか、思いっきりヒモの生活じゃないですか!」


「うるせえ! 俺にとってカキンしてガチャを回すっていうのは食事とおんなじようなもんなんだよ!」


「おお、神よ……」


 先ほどの希望が砂上の楼閣であったことを知り、崩れ落ちるウェンズディ。

 それを見たアルバコアが手をぽんと叩く。


「そういえば聞いたことがあるわ。

 【この世に悪があるとすれば、それはガチャに狂った人の心だ】

 昔から人間の本質は変わらないということかしら。虚しいわね」


「ええい、ポンコツロリが知ったような口をきくな!

 っていうか、なんでそんなにピンポイントな格言なんだよ!?」


「誰がポンコツロリよ!? ぶち殺すわよ」


 ごすっ。

 アルバコアの文字通りの鉄拳が俺の顔面にクリティカルヒット。


「げぶぅ!? な、殴りやがったな!?」


「殴るわよ! 足りないようならもう一発いく?」


 アルバコアは言って、強気にシュッシュとシャドーボクシングをする。が、


「く……くくく」


「な、なによ。気持ち悪い声を上げて」


「アルバコアよ、いまの状況がわかっているのか?」


「状況……? ハッ、まさか!?」


 俺が大げさに装備を見せびらかすようにポージングをすると、アルバコアが驚愕の表情を見せる。


「そう、気づいたようだな! 俺がまだバニーボーイセットを装備していることを!

 これがあるかぎりお前の物理攻撃は俺には通用――げぶぅ」 


 めり込む鉄拳。

 あれ? おかしくない?


「何よ、効いてるじゃないの」


「ば、馬鹿な!? こんなことが!?

 ガチャ装備のフレーバーテキストが無視されるなんて、こんなの絶対おかしいよ!?」


 と、ここで俺に電撃はしる。

 そういえば、闘技場からずっとこいつに殴られっぱなしなような……ハッ。


 ま、まさか、魔導人形(マナティックドール)には性別が設定されていないのか!?


「ねえ、ご主人様?」


 同じ結論に至ったらしい。

 顔を上げると、アルバコアがすごく魅力的な笑顔を浮かべていた。


「最後にひとつ聞いておくわ。あなたが欲しいのはこの鉄拳? それとも……」


 バヂバヂバヂ。

 その両手に魔導ビームをチャージし、微笑むアルバコア。


 おお……神よ。

 俺は調子に乗っていたことを神に懺悔した。

面白いと思っていただけたらポイント評価などいただけるとさいわいです。

(•̀ω•́ )ゝ✧


&メインで書いている作品もよろしくお願いします!

『マグロでホームラン! を魔法って言い張るのやめてください』

クロマグロ転生からのハイファンタジー青春熱血学園モノ。現在20万字!

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