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67「バレましたか?」

おはようございます。

昨日の日中に66.5話を更新しています。お気づきでない方は、どうぞそちらから。

本日もよろしくお願いします。


 ロボ達が危ないです。

 とにかく急いでウギーさんを止めなきゃなんですが、身体強化していても追いつけません。

 ウギーさんも速いです。


 タロウとプックルは頂上の火口付近まで行けたのか、ここからは見えませんね。

 ロボは見えますが、岩場に手こずって思うように登れないようです。本当は駆け上がるようなルートではありませんから。


 逆にウギーさんは邪魔な岩は叩き割って進んでいます。

 このままではあっという間に追いつかれます。


「待ってよ狼さん! 痛いことなんかしないからさ!」

『嫌でござる! 目が怖いでござる!』


 逃げ切るのを諦めたロボが振り返り、霊力砲を放ちました。


『ウワォォォン!』


 直撃しました。

 噴煙に包まれたウギーさんが、「カッコいい! 余計に欲しくなったよ!」そんな事を言いながら晴れた煙から現れますが、無傷ですね。


 しかし足止めに成功です。

 射程範囲内です。


 まずは土の大壁、ウギーさんの目の前の土を持ち上げました。


「甘いよ!」

 飛び越えるウギーさん目掛けて闇の棘。大壁の天辺てっぺんから多数生えた棘がウギーさんの太腿に食い込みました。


「痛っ! やったなー!」


 刺さった棘を棒で薙いで叩き折るウギーさんに向けて光の魔法、直光線を三つ四つと放ちます。


 全て走りながらです。


 直光線を魔力障壁で防ぎきったウギーさんを飛び越え、立ち塞がりました。


「追いつきましたね」

『ロボ、先に頂上へ』『承知でござる』

 精神感応でこっそり指示を与えます。


「ちぇっ、やっぱり先にヴァンを仕留めようかな」

「簡単にはさせませんよ」


 はぁっ! と声を上げ全身に魔力を漲らせます。


「へぇ。強そうだ。でも、次の礎になるにしては……」


 ウギーさんが左の掌をこちらに開き、手の甲に右手の人差し指を当ててじっとしています。

 なんでしょうか?


 こちらを見てニヤリと笑ったウギーさんが、斜面の下へ振り返り、追いついてきたロップス殿にも同じ様に掌を向けじっとしています。

 ロップス殿が警戒心も露わに速度を緩めて慎重に進みます。


 僕とロップス殿でウギーさんを挟む形になった所でウギーさんが手を下ろしました。


「なるほどね。このトカゲ人間は論外。ヴァンにしたって礎になるには魔力の総量が足りないようだね」


 !


 ……バレましたか?


「何を言っているんです? 僕らは父の所まで行く旅の途中――」

「そこから誤魔化すの? ははっ、人族の勇者の寿命が近いのは分かってるってば。じゃなきゃぼくらがこっちに入れないんだから」


 何としてもタロウの存在は誤魔化したいんですが……。


「考えてるね。でもダメだよ。もうぼく分かっちゃったもん」

「何のことです?」

「ヴァンもダメ、トカゲ人間もダメ、狼さんと山羊さんはぼくのすぐ近くに居たのに助けに入らなかった……、もう一人いるんでしょ?」


 沈黙せざるを得ません。


「その一人を隠す為にぼくを土で覆って誤魔化そうとしてたんだね」


 完全に僕の思惑はバレていますね。


「なぁヴァン殿、ここで此奴を仕留めれば良いのだろう?」

「その通りですね」


 ロップス殿の言う通り、ここで仕留めれば問題なしです。


「ははっ、それこそ簡単じゃないよ……はぁぁっ!」


 ウギーさんの魔力が噴き出し、その身体を覆って何か形作っていきます。

 全身がふた回りは大きくなり、真っ黒な獣の姿をした鎧を全身に纏ったかのよう、頭から指先の爪、竜に似た尾までもが真っ黒な獣の形です。


「一気に行くよ。早いところもう一人を見たいからね」


 速い!


 いきなり突っ込んで来たウギーさんに対応できません、殴られて地面に叩きつけられました。

 身体強化を最大限まで上げていなければ今ので終わっていましたね。


 ロップス殿が刀を振り上げ斬りつけますが、カィンと硬質な音を上げて弾かれました。


「ただの刃ではダメか!」


 襲い来る尾を刀で受け飛び退るロップス殿。


 僕も早く立ち上がって参戦したいんですが、全身から煙を上げて回復中、さっきの一発で全身がガタガタです。

 なんと言う破壊力でしょう。

 身体強化の甘いロップス殿が喰らえば一たまりもありません。


「おぉぉ! これならどうだ!」


 ロップス殿が刀に魔力を籠めて打ち込みます。


烈風迅雷斬れっぷうじんらいざん!」


 さすがロップス殿、獣の鎧を切り裂いて見せました。

 が、ロップス殿が真一文字に切り裂いた腹部が瞬く間に修復していきます。僕のような煙も出さず、何もなかったかのようにスゥっと閉じていきました。


「トカゲ人間もやるね。痛くも痒くもないけどさ」


 ウギーさんがロップス殿との間合いを詰め、獣の爪を振り下ろし、刀で受けるロップス殿と、ギィンギィンと連続して爪と刀を合わせます。


「良い剣だね」


 そう言いながらロップス殿の左腹部を尾で打ち付けました。


「ぐぁぁ!」


 右に弾かれたロップス殿に、立て続けに襲いかかるウギーさん。上から頭を狙って振り下ろされた爪を大剣で受け止めました。


「すみません、お待たせしました」

「ヴァン殿! もう良いのか?」

「ええ、もう大丈夫。代わりましょう」


 受けた爪を振り払い距離を取り、ロップス殿のお腹に癒しの魔法を使います。


「また最初っからか、やんなっちゃうね」


 お互い態勢を整え――


『ヴァン殿!! タロウ殿が!! 溶岩に呑み込まれたでござる!!』

昨日プックル篇をあげたんですが、本日の午後もタロウ篇を予定しています。お昼休みの関係で多少前後するかも知れませんが。


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