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『並行世界の概念崩壊(パラダイム・シフト)』  作者: 寝兎
第二章 魂の旅路
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第34話『都市観光』

城塞都市カーテナ 商業区


シド達で一行はジルニトラに商業区を案内して貰っていた。


「シド殿、何か気になるものはありましたか?ここは都市内でも様々な店が並ぶ繁華街になります。」


「メルカトスも凄い都市だったけど、ここも歴史を感じる建物がいっぱいありますね。」


「歴史という意味では、王国の建国以前からある建物もありますからね。古いものだと、五百年程でしょうか。」

「私がキトルス家に仕えた頃はもっと古いものもありましたが、この数百年で随分様変わり致しました。」


「…え?数百年って…ジルさん何歳なんですか?」


「ははは。今年で六百歳を迎えました。すっかりお爺さんですよ。」


「ろ、六百歳?!竜人族ってそんなに長生きなんですか?」


「シド様、竜人族だけでなく他の亜人種も長命なんですよ?シド様や守護者のような不死の存在や竜種のような例外はありますが、人族以外は基本寿命が百年以上ですね。」


「さすが、ラビ殿。博識ですな。さて、シド殿。あちらにあるのが城塞都市カーテナ最大の市場(マルシェ)『カーテナグランデ』です。」


カーテナグランデと紹介された場所は三階建ての巨大な神殿のような建物だ。中に入ると中央は吹き抜けになっていて大小様々な店が軒を連ね、さながら大型ショッピングモールのような作りにただただ圧倒される。

店舗は日用品を売る商店に始まり、各種装備衣料品店舗、ポーションや食品を売る店舗、魔石や魔道具の専門店舗、各国の品物を扱う輸入雑貨屋など様々な店がある。中でもシドを驚かせたのはペットショップのような奴隷商の店だ。


「人も売ってるんですね…でも、イメージしてた感じとは随分違うな…」


「ああ、奴隷商の店ですな。レムリア王国では、奴隷制度があるのでああいった店が都市には数件あります。奴隷にはいくつか種類がありますがレムリア王国では、罪を犯した犯罪奴隷、軍や施設において性行為を提供し金銭報酬を得る公娼奴隷、戦争捕虜や不法滞在による身分奴隷、貧しい農民が生活保障の代わりに領主や雇用主に労働従事する農奴がございます。」


「奴隷って言うと、なんかボロ布を着させられて鎖や足枷ついてるイメージだったけど、あそこに居る奴隷はキレイというか…凄い手入れされた感じがするんだけど、王国(ここ)じゃ普通なんですか?」


「ははは!奴隷は立派な商品ですからな。売り手が手をかけるのは当然です。因みにあそこは身分奴隷の店ですが、公娼奴隷専門の店等はさらに奇抜ですよ。おっと!女性の前でする話ではないですな。」


「大丈夫ですよ、ジルニトラ様。お気遣い感謝致します。」


「なるほど、ここはなんでも売ってるんですね。『王国では』と言ってましたけど、他の国も奴隷制度はあるんですか?」


「大きな所だと、神聖国や帝国などは呼び名は代わりますが存在しています。ベスティア共和国は全面的に禁止となっていたかと。」


「はい。ベスティア共和国は過去に森妖精(エルフ)族の女性などが不当に奴隷化される時代があったので建国時から奴隷制度を全面的に禁止にしていますね。」


「そうだったのか。まだまだ俺は知らない事が多いな。それにしてもここは広いな、全部見てたら一日が終わるんじゃないか?」


「ふふっ…本当ですね。メルカトスにも商業ビルがありますけど、この規模はないですからね。ですがシド様、全部見てたら晩餐会に遅れてしまいますよ。」


「そりゃ不味い。キトルス候を待たせる訳には行かないしな。」


「そうだジルさん。冒険者ギルドに行きたいんですけど、どの辺にあるんですか?」


「おお!それは丁度よかった。実は、ここのあとに冒険者ギルドへご案内しようと思ってたんですよ。晩餐会まではまだ時間もありますので、場所も近いですし参りましょうか。」


「ええ。お願いします。」


……


辺境伯領の冒険者ギルドを束ねる辺境領方面本部は本当に近くにあった。都市だけあって冒険者の数も多い。


「凄い活気だな…」


「シド殿、それでは、私は馬車を表に回して来ます。」


「分かりました、ありがとうございます。」


中に入った俺たちは、人混みの奥に受付カウンターを見つけた。


「すいません。滞在届けを出しに来たんだけど…」


「滞在申請ですね。パーティ名とリーダーのお名前を教えて貰えますか?」


「『グラディウス』のシドです。こっちは仲間のラビ。」


「え?!『グラディウス』ってAランクのあの『グラディウス』ですか?」


「ええ。しばらく滞在するのでよろしくお願いします。」


「は、はい!了解です!こちらこそ、ありがとうございます!Aランクパーティの方にお会いできて光栄です!!」


「え、ええ…ありがとう。」


俺は何故か、妙に気合いの入った受付嬢に申請書を渡す。


その後、いくつか依頼や魔獣の情報を教えてもらい、礼を言って俺たちはカーテナ城に戻った…

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