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『並行世界の概念崩壊(パラダイム・シフト)』  作者: 寝兎
第一章 目覚め
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第21話『新たな相棒 前編』

『ラドラの工房』

伝説の英雄の影にラドラあり。そう言わしめる工房。初代は数百年前に起きた大戦を集結させた『大英雄ローラン』の仲間として大戦で戦った英雄たちの武具を鍛えた鎚小人(ドワーフ)である。武具に魔法を込める『魔力付与(エンチャント)』に長け、数多の伝説級(レジェンダリー)の武具を残した伝説の鍛冶職人である。


……


新しい相棒を作るべく、俺とラビは伝説の鍛冶屋の鉄扉を潜った。


カーンカーンカーン……

懐かしい熱気と鉄を打つ音がシドたちを出迎える。


「どなたかな?」


頭にタオルを巻き、厚手の革の作業着姿の鎚小人(ドワーフ)が声をかけてきた。


「あ、ラドラさんはいらっしゃいますか?魔科学研究所のティエナから紹介されてきたシドといいます。」


「私はシド様の自律型魔法人形(オートマタ)ラビでございます。」


目の前にいるのは、子供に見えても鎚小人(ドワーフ)だ。失礼のないようにして間違いはないだろう。


「ああ。ワシだよ。四代目ラドラのディエゴ・ラドラだ。」

「あの若作りババアが珍しく気にいった若いのを寄越すと言っておったがお前さんか!ガッハッハッ」


「若作りバ…いや、ティエナから武具の事ならラドラさんに聞くようにと紹介されまして。」

「これ紹介状です。」


ティエナの紹介状を渡す。


「ガッハッハッ!そうか。ディエゴでいいぞ!シドと言ったか?ちょっとこの剣を構えてみろ。」


渡されたのは、真っ黒な直剣だ。


剣を受け取り、構えたシドに衝撃が走る。

な、なんだこの剣?!持った途端にまるで長年使いこんだようにしっくりと手と俺の魔力に馴染む……これがラドラの武具か…まるで……


「使い手を選んでいる……のか?」


「ほう?なかなかいい眼をしとるじゃないか。それが魔力付与(エンチャント)した武具と言うやつだ。だから誰でも使えるもんじゃない。お前さんは合格のようだな。よし、話を聞こう。ついてこい。」


どうやらお眼鏡にかなったようだ…


「ああ。スマンが女は入れんから待っててもらえんかな。」


「はい。畏まりました。シド様、私はこちらで待ってますのでどうぞお気になさらないでください。」


「わかったよラビ。ちょっと待っててくれ。」


ディエゴについて工房の奥へ向かった。


……


「で、何が知りたいんだ?ただの武具の依頼じゃあるまい?のう?」


「俺は刀工って言う刀を作る鍛冶屋をしてました。色々あって隣国のレムリア王国に辿りついて、現在は冒険者をしていますが、強力な武具を作るというあなたたち鎚小人族の存在を聞き、新しい刀を作る為にあなた方の技術を知りたくてここメルカトスに来たんです。」


「なるほど。話はわかった。使う獲物はなんだ?」


「刀っていう反りをつけた片刃の剣です。」


俺は道具袋から折れたトネリコの木刀を出した。


「木剣?いや、これは…トネリコの枝か?ふむ、金属と違い叩けん素材の剣は素材と研磨で決まるが…」

「ほう?金剛鉄(アダマンタイト)並の硬度のトネリコをきっちり削りから研磨まで仕上げてあるな。」


「ありがとうございます。ラドラさん。」


「ええい!その話し方何とかならんか?堅っ苦しくてかなわん!あと、ディエゴでいいと言っておるだろう。」


「ええと…ではディエゴさん。でいいかな?」


「うむ。まあ、いいだろう…」

「で、シド。カタナと言ったか、この木剣。本来は鋼か何かを使ってるのか?」


「ええ。刀は砂鉄と木炭から作る玉鋼という素材から作るもので、手順としては……」



……



「あ…申し訳ない。喋り過ぎたか……」


刀の製法を説明し出して時間を忘れてた…


「ガッハッハッ!構わんぞ。なるほどな。お前さんの鍛冶に対する熱意は本物のようだな。」

「まあ、ワシらとは根本的に違うやり方のようだ。ただ基本構造は変わらんから大丈夫だろう。ワシらは錬金魔法と土魔法に火魔法を組み合わせてやるからな。」


「ここにある物は。好きに使え。ただし、条件がある。」


「条件?」


「シド。お前さんは冒険者しとると言っておったな?ならば素材は自分で集めてこい。強力な魔獣を切るには並の鉄鉱石やら鍛鉄した物ではもたんからな。どんな物を作りたいんだ?」


「俺が作りたい刀……」


……


ディエゴにイメージを伝え、考えを聞く。


「…なら、魔力付与(エンチャント)もするとなると魔力の通りやすい素材がいいな。」

「ふむ、大体の要望はわかった。」

「それで素材だが入手難易度はBというところだな、どれも半日程度の鉱山で採れる。必要な物はこれだ。」


そう言ってディエゴからメモとサンプルを渡される。


……


金剛鉄(アダマンタイト)

暗い紫色の鉱石。

精霊銀鉱(ミスライト)

淡い青銀に輝く鉱石。

黒鉄鉱(ダークスチール)

炭のように黒い鉱石。

朱雀石(ヴァーミリオン)

燃えるような赤い鉱石。


……


「その四種類を6個づつだ。」

「あと、その剣持ってけ!」

「お前さん、今獲物ないんだろ。貸してやる。」


「それは、ありがたい。」


「まあ、気にするな。鉱山は都市外にあるから、鉱山に着いたらこれを見せろ。入れてくれる。」

「中は危険も多い、採掘は初めてか?まあ、お前さんなら大丈夫だろう。」


「いろいろありがとうディエゴさん。じゃあ、早速いってきます。」


「おう。頑張れ!ガッハッハッ!」


受け取った剣とラドラの工房の証を手にラビの元へ戻る。


……


「すまん。待たせたな。」


「シド様おかえりなさいませ。何かいい事でもあったのですか?」


「まあな。素材を取りに行くぞ。早速準備だ。行こうかラビ。」


「はい♪」


俺たちは早速準備に取り掛かった。


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