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『並行世界の概念崩壊(パラダイム・シフト)』  作者: 寝兎
第一章 目覚め
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第20話『力の根源と協力者』

魔科学研究所内の一室。

シドの前には適正測定でお馴染みの木人システムがある。ただし金剛鉄(オリハルコン)製の特別仕様だ。


「シドくん。その案山子は外に金剛鉄(オリハルコン)。中身に人造魔石を搭載した特別なやつだから普段魔獣と戦う要領で戦って見てもらえるかな。」


「ああ、わかった。遠慮はいらないんだな。」

「戦闘データから測定するから本気でいいよ。」

「では。はじめ。」


《戦闘プログラム開始 難易度をAに変更しました》


「…よし、やるか。」

「『絶剣領域』」


シドの周りに光の剣が舞う絶対防御の領域。それは、何者にも侵入を許さない。例え、Aランク相当の案山子だろうと。放たれる剣撃を、魔法を難なく迎撃していく。


《脅威と判断 難易度をA+に変更します》


シドは集中を高めながら考える。

全力って意味なら神焔(メギド)だが、あれは太陽がないと使えないんだよな…

となると。原点回帰だな…


「ティエナ様、あのシド様の周りにある光の剣キレイですね。まるで踊ってるみたいです♪」


「ラビ。アレは凄いよ…迫る攻撃を只迎撃してるんじゃない…全部『対滅』つまり。攻撃属性を瞬時に解析。最適化して相殺してるんだよ。アレは剣にみえる盾なんだ。」

「まるで嵐だね。何人も近づくことも届かせることもできない。刃の嵐だ。」


ティエナは取り憑かれたようにデータを解析する。目の前で力を発現させた青年はこの世界の常識の外側にいるのは間違いない。

彼は成長途中だが、彼がこの世界の理を得れば。それは人の身で在りながら神に至る力を秘めた存在となるだろう。そうティエナは確信する。


「ティエナ!そろそろいいか?」


「うん。データはとれた!。」


「じゃあ、終わらせるぞ!」


シドはそう言って低く腰を落とし柄に手を置き、抜刀の構えで迫り来る案山子を迎える。


「ズバンッ!!」


それは一瞬だった。切れないはずの金属。金剛鉄(オリハルコン)製の案山子が両断される…


……


「シドくん。出たよ。」


「お、早いな!どうだった?」


「結論から言うと。シドくんの力の根源は不明。ただ。これはあくまで私の仮説だけど。恐らくシドくんの持つ『賢者の魂』の能力に根源があると思う。魔法ってものは心臓にある魔力を作る機関『魔核細胞』って所で発生した魔力を脳が魔力操作(コントロール)して操ることが可能になる現象。つまり…。」


ティエナは一拍置いて続ける。


「シドくんは。『賢者の魂』の能力によって魔力の元になる魔核細胞に何らかの変化が起きた結果。膨大な魔力を持つことになった。そして自身の修練と固有能力も相まって現在の強さの根源となっている。と私は考えてる。」


「なるほど…」


「ただ。多分。まだ全部の力を使えてないような気がするんだ。どうかな?。」


「確かに、ラビと出会った時みたいな力は普段は出ないかもな。あの時はただただ怒りを撒き散らした感じだけど。」


「やっぱりそうか。そこで提案があるんだけど。聞いてみるかい?。」


「ああ。なんだ?解剖とかは嫌だぞ?死なないからって切り刻まれる趣味は無いからな?」


「あはは!。いやいや。そういう話じゃないんだよ。私たち魔科学研究所のサポートを受けてみる気はないかな。シドくんには私たちからメルカトスが誇る最新の魔科学技術を与える。シドくんから私たちは魔力の根源に関する研究データを得る。どうかな?。」


「研究データ?」


「そう。簡単な話が。魔道具の試験運用の使用者になってほしい。私たちは色々作るけど。中には普通の人には使えないレベルのモノがあるんだ。それをシドくんに試してもらいたい。」


「なるほど。悪い話じゃ無さそうだな。」

「わかった。受けるよ、その話。」


「ありがとう。今後は私たち魔科学研究所がシドくんをしっかりバックアップするから期待しててね。」


「個人じゃなくて、組織としてか…よく話が通ったな。普通会議とかするものだろ?」


「ここは私と私の弟子たちの研究所だからね。問題ないよ。」


「ティエナってほんとに凄い奴だったんだな。」


「あはは!。さて。私からのラビとシドくんへの要件は以上だけど。二人ともどこか行きたい場所はあるかい?。」


「私はシド様の傍ならどこでもついて参ります!」


「あ、ああ…それなら腕のいい鍛冶屋を教えてくれないか?」

「そもそも俺、剣を作る為にここに来たんだよ。」


ようやく目的を達成出来そうだな…


「わかった。シドくんにはメルカトスで最高の職人を紹介しよう。あと。ラビには服を用意したから。着替えてみてよ。ガイドの服じゃいろいろ目立つしねー。」


「ありがとう助かるよ。」

「ティエナ様ありがとうございます!」



ティエナから紹介状を受け取り、俺とラビは鍛冶屋街へと向かった。



……


「シド様、こちらです。」

「ここが歴代勇者の装備を作ってきた『ラドラの鍛冶工房』か…」

亜人種族解説


鎚小人(ドワーフ)

120センチ程度の子供のような外見。

平均年齢は人族よりは長いが亜人では低め。

筋力と技巧に適正が特化している為、鍛冶鉄工技術が非常に高い。メルカトスの双璧と言われる二人。鍛冶鉄工技術では歴代勇者の武具を製作している工房を率いる『ラドラ』と魔科学力の分野では世界有数の魔道具と自律型魔法人形(オートマタ)開発技術を誇る。国立魔科学研究所の『天才ティエナ・エリ』が超有名である。


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