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とつぜん、勇者がやってきてツボやタルをこわし出ていった  作者: おいしいカレー屋さん
洞窟ドラゴン
16/47

乾燥した朝

 明け方に寝てから数時間、鳥の鳴き声に起こされた。まだ眠い眠いと信号を出すあくびを他所に時計を確認する。


 起きた時間は現在昼を越えた所だった。


 ラランは既に起きていて一人魚を食べている。 俺のは? 聞くと「無いわよ」と言われた、自分で獲って来いと言う事らしい。優しく無い。


 昨日は装備を整える為に金稼ぎのクエストを受けた。小さな女の子に頼まれモヒカンを懲らしめて欲しい、と言う内容。


 金稼ぎの為に受けたと言っても、それの報酬金額は一食すれば消えてしまう金額。


 そんな効率の悪いクエスト受ける理由も無かった、けれど不思議な事に自分の目的を完遂すると、ついでに女の子の目的も達成してしまった様で心地よく金は受け取っておいた。


 これも不思議な事に一食で消える金額に上乗せで、女の子の親から割かし大き目の金額を頂いた。


 これで武器防具が買える。遠回りしたのが逆に良い方に働いた。


 かと思いきやまたも不思議な事に、間も無くその金はそっくりそのまま闇に消えて行った。


 「奢る」と言った奴に逃げられ、支払いをこっちに回されたせいで貰った金は全部吹き飛んだ。


 つまり俺はこう言いたい。


 水の泡――。骨折り損――。糠に釘――。棒に振り焼け石となりて暖簾に念仏――。


 一切合切の無駄。


 結局スタートに戻る。


 ララン宅での床で無造作に寝転んだ体を起こし一日を始める準備をした。


「臭いから川に入って来て」


 家主に優しさの欠片も無い無愛想な事を言われながら、渋々川に入る事にした。


 川に入るなり服が流され、魚に襲われ、尖った石を踏み、散々な目にあった。


 昨日も寄り道した割りに何の情報も得る物も無かった。残ったのは怪我だけで。


 こんなので勇者の元に着くんだろうか。


 勇者はいずこ。


 いつになれば辿り着く。

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