プロローグ
初めまして。流行にあやかる形になってしまいますが、できるだけ頑張って更新していきたいと思います。
一話一話は短めですが、できるだけ高頻度で次話投稿していきたいと思っております。
もしよろしければ異世界入って初めの戦闘に至るまで、我慢して読んでくだされば幸いです。
プログラミングを初めて見た時俺は、魔法みたいだと感じたものだ。短く、単純な指示を組み合わせて複雑な命令を構築するその設計の過程に、たまらなく感動した。そうやって機械の頭脳に様々な演算を覚え込ませる人々は、現代に生きる電脳の魔法使いのように思えたものだ。
しかし今、魔法の存在する世界にやって来た俺はというと、逆に魔法というものはプログラミングのようなものだと知った。様々な言の葉を紡ぎ合わせ、様々に条件付け、分類、そして最終的にどのように動くかを予め天魔導符に書き込んでおく。そこに魔力を注ぐことで、魔法はこの世界に顕現するのだとか。
大魔導師の面々は、幾百幾千という言霊を組み合わせて、人類の叡知、その頂点に立つ程の強大な魔法を操る。天変地異をも引き起こし、同程度の防御魔法が無ければ小さい国程度なら消し飛ばしかねない魔法を。
現代の日本に生きていたはずの俺はというと、そんな異世界の小国に急にやって来ることとなった。最初は戸惑う事ばかりで、明日を生き抜くのもやっとだったというのに、今やその小さな国を護るための大魔導師。
先日までただの工学部の四年生だったのにな。就活の狭間に見た、疲労故の幻想ではないかと、今でも冷静な自分が囁いてくる。しかし、悲しいことに俺にとって、この物語は夢物語なんかじゃ決してなかった。
これは、ただのプログラマー志望だった俺が異世界に行ったら最強格の大魔法使いになってしまった、そう要約できる日々を綴ったものだ。我ながら、チープなタイトルしか付けられなくて嫌んなる。
最後の最後に辿り着くべき目標は決まっている。元の世界に帰ること。そのために俺はまた今日も、扉を意味する魔象文字と、異世界を意味する魔象文字とを探し続けるのだ。