Ⅰ号戦車A型 Panzerkampfwagen I (MG) Ausf A, (Sd.Kfz.101)
I号戦車A型 Panzerkampfwagen I (MG) Ausf A, (Sd.Kfz.101)の詳細。
挿絵の細部が実車と違うかと思いますが、あくまで参考です。
各種数値・開発経緯など間違い無し!と断言できる資料もありませんので、これも参考程度です。
I号戦車A型
Panzerkampfwagen I (MG) Ausf A, (Sd.Kfz.101)
初期型。エンジンはクルップ社製のM305(空冷水平対向4気筒57馬力)を搭載。スペイン内戦で実戦参加するが、共和国派の装備するT-26軽戦車やBT-5に歯が立たたず、4両がイタリア製のブレダ20mm高射機関砲を搭載するように改造された。
▲図5-1 I号戦車A型 前方参考図
▲図5-2 I号戦車A型 後方参考図
重 量…5.4t
全 長…4.02m
全 幅…2.06m
全 高…1.72m
乗員数…2
武 装…2×MG13機関銃(7.92mm)
装甲
前 面…13mm / 27–63°
側 面…13mm / 70–90°
後 面…13mm / 50–75°
上 面…6mm / 0–50°
底 面…6mm / 0°
砲塔前面…13mm / 80°
砲塔防盾…13mm / 曲面
砲塔側面…13mm / 68°
砲塔後面…13mm / 68°
砲塔上面…8mm / 0°
諸性能
エンジン…クルップ M 305 水平対向4気筒 空冷
出力/回転数 …57 PS / 2,500
排気量…3,460cm³
変速機 (前進/後進)…5 / 1
出力重量比…10,6 PS/t
最高速度…37km/h
燃料搭載量…144 ℓ
航続距離…145km (整地)/100 km(不整地)
キャタピラ幅…28cm
接地圧…0,40 kg/cm²
I号戦車A型は基本的には原型の小型トラクターと大差無い車両で、機関銃装備ということもあって乗員は操縦手と車長兼銃手の2名とされ、車体前部に変速機と最終減速機を置き、車体中央部に傾斜装甲板を8角形に組み合わせた戦闘室を設けて砲塔を搭載し、車体後部が機関室というレイアウトを採っていた。
機関室にはクルップ社製のM305 水平対向4気筒空冷ガソリン・エンジン(出力57hp)が収められていたが、一部の車両には試験的に同社製のM601空冷ディーゼル・エンジン(出力45hp)が搭載された。
エンジンの後方にはオイルクーラーが、その左右には72リッター容量の燃料タンクがそれぞれ配されており、エンジンの排気は左右のフェンダー上に装備されたマフラーに排気管を導いて行った。このエンジンから車体前部に置かれたZF社(フリードリヒスハーフェン歯車製作所)製のFG35変速機(前進5段/後進1段)にドライブシャフトが導かれており、操向機は単純なクラッチ・ブレーキ式が採用されていた。
操縦手は戦闘室内の左側に収まり、戦闘室前面左側に設けられた開閉式のクラッペを用いて視界を得ていたが、戦闘室左右側面の前後および後面左側にも前面よりやや小振りな開閉式クラッペが備えられていた。
これら6基のクラッペの内、車長との位置関係からほとんど用を成さない右側面後方のクラッペは生産の早い段階で廃止された。また、戦闘室左側には上と横に分割して開く長方形の操縦手用ハッチが設けられていた。
戦闘室の上には車長兼銃手が収まる全周旋回式砲塔が右側にオフセットして搭載されており、砲塔防盾には7.92mm機関銃MG13k(MG13の短銃身タイプ)が並列2連装で装備されていた。
砲塔内には直接車長用の座席が備えられており左前方に機関銃の俯仰用ハンドルが、右前方には砲塔旋回用のハンドルがそれぞれ設けられ、このハンドルには機関銃射撃用の引き金が装備され別々に射撃を行うことができた。
機関銃は-10~+20度の俯仰角を有し、弾薬は25発を収めたクリップから供給され砲塔内にこのクリップ8個入りの弾薬ケースが備えられ、同様に車体内に弾薬ケース4個(クリップの収容数はそれぞれ6個、8個、19個、20個)が置かれ、弾薬の総搭載数は1,525発となっていた。
操縦手との連絡は伝声管を用い、また砲塔上面には専用の大きな半円形ハッチが用意されていた。
戦闘室内にはFu.2無線受信機が装備されており、I号戦車は開発当初から集団での運用を念頭に置いていた。
アンテナは戦闘室の右側面に設けられ、フェンダー上の収納ケースに戦闘室内からのハンドル操作で起倒したが、砲塔を右に旋回する場合、ギアと連動して自動的にアンテナが倒れて機関銃と接触することを避ける機構が採用されていた。
装甲にに関しては脆弱で戦車砲の直撃には耐えられず、小銃弾や榴弾の破片程度に対する防御力しか備えていなかったが、I号戦車は戦車乗員の訓練を主目的に開発されていたため特に問題視はされなかった。
なお弾薬ケースを収めている関係で、戦闘室左側面に設けられたハッチの下の部分には13mm厚の増加装甲板がボルト止めされていた。
足周りの構造はイギリスのカーデン・ロイド豆戦車を模倣しており、第1転輪のみコイル・スプリングで独立懸架されていたが、続く後方の第2、第3転輪と第4転輪、誘導輪はそれぞれリーフ・スプリングを用いて2輪ずつ懸架されており、誘導輪はサイズが転輪より一回り大きく接地式となっていた。
そして第2転輪から誘導輪まで細長いガータービームで連結されていたが、原型となった小型トラクターでは誘導輪と転輪は同じサイズとなっており、ガータービームは装着されていなかった。
上部支持輪もI号戦車A型では片側3個設けられていたが小型トラクターでは片側2個しかなく、このあたりは試験の結果を反映しているようである。
「I号戦車A型」の制式名称が与えられたのはLaS/2ゼーリエ以降の車両で、1ゼーリエは大部分の車両が戦闘室と砲塔を搭載していない状態だったためI号戦車A型には含まれなかった。
I号戦車A型の生産はグルゾン製作所、MAN社、ラインメタル社、ヘンシェル社、ダイムラー・ベンツ社の計5社。
※LaSを開発したクルップ社は生産に参加していない。
ここまで読んでいただき、感謝の極み。
この連載の終わりが見えない…
派生型とか現地改造型とか試作型とか…
当時の技術者さんたちの試行錯誤がよく見えるだけに言いたくないけどあえて言う!
「とりあえず余った重火器載せてみようぜ!!」精神はやめてくだされ。
4号の時点で心が折れそう…




