Ⅰ号3.7cm対戦車自走砲 3.7 cm PaK 35/36 (Sf) auf Panzerkampfwagen I Ausf A
Ⅰ号3.7cm対戦車自走砲 3.7cm PaK35/36 (Sf) auf Panzerkampfwagen I Ausf Aについてです。
資料が少ない。というか無い。
他の戦車の写真の隅っこにちょこっと写っていたりする以外の写真を見たことがない。
自走砲関連の書籍を調べれば載っているかもしれませんが、残念なことに手持ちがないのです。
詳しいことがわかれば、後日挿絵ともども改稿を行いたいと考えています。
Ⅰ号3.7cm 対戦車自走砲
3.7cm PaK35/36 (Sf) auf Panzerkampfwagen I Ausf A
A型に1937-42年当時のドイツ軍の主力対戦車砲であるラインメタル社製のPaK 35/36 3.7cm対戦車砲をⅠ号戦車A型に搭載したもの。一部はB型からの改造もあった。
ポーランド戦などで対戦車・対人攻撃に使用。
▲図17-1 Ⅰ号3.7cm 対戦車自走砲参考図その1
▲図17-2 Ⅰ号3.7cm 対戦車自走砲参考図その2
▲図17-3 Ⅰ号3.7cm 対戦車自走砲参考図その3
※参考にできる写真が少ないため確証はありません。
重 量…?t
全 長…4.02m
全 幅…2.06m
全 高…?m
乗員数…2?
武 装…1×3.7cm PaK 35/36
装甲
前 面…13mm / 27–63°?
側 面…13mm / 70–90°?
後 面…13mm / 50–75°?
上 面…6mm / 0–50°?
底 面…6mm / 0°?
諸性能
エンジン…クルップ M 305 水平対向4気筒 空冷ガソリンエンジン
出力/回転数 …57hp / 2,500rpm
排気量…3,460cm³
変速機(前進/後進)…ZF FG35 (5/1)
最高速度…37.5km/h(整地) / 12㎞/h(不整地)?
燃料搭載量…?ℓ
航続距離…140km (整地) / 93km(不整地)?
キャタピラ幅…28cm
※?がついている数値に関しては極めて確証がない。
ドイツ陸軍は第2次世界大戦中に数多くの対戦車自走砲を開発、実戦投入を行ったが、その嚆矢となった車両はI号戦車A型の上部構造物を改造し、ラインメタル・ボルジヒ社製「3.7cm PaK 35/36」(全長:1.66m、重量:328kg、砲身長:1,665mm (45口径)、最大射程距離:5,484m)を砲塔を撤去しマウントに無理やりねじ込んだ車両がⅠ号3.7cm 対戦車自走砲である。同様の自走砲として、フランスで鹵獲したルノーR35戦車を改造したものがある。
改造要領としては、A型の砲塔を撤去、マウントを改造し搭載した。車両中心線より右側にオフセットした配置になっている。今回はさすがに車輪等の走り装置は撤去されていたが、防盾は無改造で搭載されている。注)あまりにも写真が少ないため専用に改造された防盾を装備しているか判断しにくい。R35改造車は防盾を拡大している。
▲図17-4 Ⅰ号3.7cm 対戦車自走砲前方参考図
正面から見れば、アンバランスさが際立つ。
元々、I号戦車はドイツ陸軍が機甲部隊を再建するにあたって戦車乗員の訓練に用いるために開発した車両であり、武装も7.92mm機関銃2挺と非力で装甲も充分とはいえず、第2次世界大戦勃発前から火力不足により旧式化していたため自走砲への転用は適切な措置であったと考えられる。
同車両の開発時期・制作数など不明であるが、ポーランド侵攻時には実戦配備されていたため1939年9月以前に生産されていることは間違いないと思われる。
戦闘配備時期や戦闘記録なども詳細は不明であるが、搭載砲の「3.7cm PaK 35/36」自体はスペイン内戦時、戦車・装甲車相手に大いに活躍していることからⅠ号戦車A型に載せてみようと考えたのかもしれない。
しかし、1939年9月1日に開始されたポーランド侵攻作戦(白作戦)において、「3.7cm PaK 35/36」の威力不足が露呈した。当然、同砲を搭載したⅠ号3.7cm 対戦車自走砲も威力不足となっていたと考えるべきである。
結果的にⅠ号3.7cm 対戦車自走砲は少数生産(生産数不明のため予想の範囲を出ないが)となったが、後に続く対戦車自走砲の為の開発・運用データの取得という意味においては、その存在意義は十分にあったと考えられる。
ここまで読んでいただき、感謝の極み。
Pak35/36を書くのに苦労しました。
それにしても資料がない。
もっと書籍を買いあさりたいけど資金がない。
ぐぬぬ・・・・