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▲6八方行(ほうぎょう)


 色とりどり過ぎて、もう白色の奔流のような目に来る「光」を四方八方に放ちながら、「ダイ×ショウギ×オー」と、その他諸々との「合体」が始まる。


 全身を使って「紫の災厄の玉」を空中で押し留めているロボの背中に、まず「太子」とそのボディに刻まれた人型の小型ロボが後ろから抱きつくようにして密着する。


 その後ろに「仲人」、その後ろに「車兵」……と、次々に電車ごっこのように、トコロテンのように……一列に並んでいくロボたち。よし、イマジネイション通り!


 引き連れろっ!! 煩悩の数だけっ!!


 ロボと直結した僕の体に、形容できないほどの凄まじい力が沸き起こってくるのを感じる。いける……っ!! これならいける……っ!!


「……ッッ最低だっ!! 最低の合体だぁぁぁあッ!!」


 斜め後ろでミロカさんが怖気を振るうかのように叫び、僕の後頭部に結構重いかかと落としの雨を降らせてくるが、


 ……やめるわけにはいかない……っ!!


 ごいんごいん上下に揺さぶられる視界の中、僕は目の前に映る「怨嗟の紫玉」に焦点を何とか合わせる。


 ……食らわせろっ!!


「『直列百八式覇道級=天海地不動壊』ッ!!」


 技名もこの上なく決まり、僕の(ロボの)両手が真っ赤に燃える。外圧を、プレッシャーを跳ね返す、心の力、子供の頃に夢見た、ヒーローが導いてくれた、「正義」の力、それこそが、「オマジュネイション」……(多分)


「『投了』は……怨嗟なんかじゃない、断末魔なんかじゃあない……っ!! 己の負けを己で認め、さらなる成長へ歩み出すための……っ!! 魂の決意表明だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 押し出し、押し返す。空へ。


<……>


 「紫玉」は僕らの渾身のエネルギーを受けると、ぬるりと一瞬滑るかのような挙動をしたものの、呆気なく上空へとはじき返された。そのまま「半魚人」然とした姿かたちの先女郷サキオナゴウの右頬辺りを掠めると、あっという間に虚空へと飛び去っていく。何とか……しのげたぞっ。


<……>


 中空に、無言で浮かぶ先女郷の巨体。言葉も、行動も忘れているかのように、ただ浮いている。自失でもしてるのか? いい加減、思い知れよ。お前の思い通りになる世界なんか、ここには無いんだよ!!


「おおおおおっ!!」


 完全に、全自分にヒーロー気質がインプットされたかのような僕は、雄叫びを一発かますと、ムカデレースのような合体フォルムのまま、一気に間合いを詰める。


 やはりマッスルの申し子たる自分、ここは肉弾戦で決着をつけたい……ッ!!


 茫然としていた怪物は、突っ込んできた僕らのロボに一瞬、我に返った素振りを見せるけれど、遅いっ!!


「!!」


 反射的に出してきた相手の両腕をがっちり掴み、ロックアップの体勢へと持ち込む。


 よーしよしよしよしよしよし。こっからが喧嘩だぁぁぁぁっ!!



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