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はぐれ狼と月光り!  作者: 亜紀
3/3

〜3〜 シェロ

タイトルの「〜3〜」って少し顔文字にみえますねw

3話少し中途半端な終わり方になってしまいました…楽しんで読んで欲しいと思います


 

 

 

 ところかわり一人の少女と少年が森の中、大きな大木の根本に背を預けそして、お互いに寄りかかっていた。

 そして少女は少し顔を赤く染めて、少年は気まずそうな雰囲気を漂わせてながら話しずらい空気の中で先に口を開いたのは少女…四季(しき)の方だった。

 

 「ビックリしました、それとさっきのはちょっと美味しくはなかったです……」

 

 そりゃそうだ。と心の中で思いつつも、この微妙な空気の中先に話してくれたことに彼は感謝してもし切れないぐらいだった。

 

 「ごめんな…あまりにも緊急な出来事だったからついあんなことを……」

 

 俺が思い出しつつそのしたことについて頭をかかえていると彼女が隣で微笑みながら言った。

 

 「さっきのやつはちょっと怖かったけど…アトラクションみたいで楽しかったですよ!」

 

 色々な意味でこんな子なかなかいない。そう思わせる彼女の笑顔は自分が先ほどまで戦闘態勢の様な緊張状態であったとはおもえないほど、少し心をおちつかせ、また和ませてくれるものだった。

 

 「あれ…能力の事も覚えてないのか……」

 

 彼の意味ありげな一言に首を傾げる少女は頭の上に完全に疑問符を浮かべていた。

 

 「能力って言うのはこの世界の中で必要不可欠な存在のことだよ…例えば……」

 

 そう言いながら左手を前に出し拳を作るとそれを広げてみせた。

 それと同時に手のひらの上には赤く揺らめく一つの火が現れたのだ。

 

 「ふぇっ…!?」

 

 彼女は驚きもすぐに好奇の光へと変わっていった。

 

 「これはノーマルスキル、誰でも習得できる簡単な能力の総称だよ。他にも水を出したり、光を灯したり……」

 

 彼はそう言いながら目の前でまるで手品のように水を湧かせてみせたり、優しい光を出してみたりと彼女はそれに興味津々だった。

 

 「……とまぁノーマルスキルはおおよそ六つ、火、水、土、風、光、闇ってところだな。つぎは、

エキストラスキルだ。」

 

 そんなことを言いながら彼は両手を開いて見せた。片手には水の玉を作り、もう片方には風の渦が作り出した。

 そしてその両手をあわせると強烈な光がその手から漏れた。

 ふと気がつくと視界には特に何も真新しいもの無かった。

 

 「……何が起きたの?」

 

 その少年は微笑んだ表情で上になにかあるよと指をさした。

 心地よい風が木々を揺らす中その風か徐々に冷たく感じられ、少しその空の様子に目を向けてると一つ。

 

 「あっ……雪……!」

 

 彼女は踊り子の様な舞を見せるその粉雪に喜びの声をあげた。

 

 「綺麗だろ?」

 

 彼に大きく頷く彼女はその手の中で舞う踊り子をそっと見つめ続けた。

 

 「エキストラスキルはノーマルスキルを2つ合わせてその二つの能力の特徴を合わせたりして作り出すとても強力な能力、しかしそのノーマルスキル二つはかなりの熟練度が必要なんだ。」

 

 手の中で消えてしまった面影をみながらその話を聴いてるうちに彼女は一つの考えを口にした。

 

 「私もそ…のーまるすきる?を使えるようになりたい!」

 

 彼女の瞳はその言葉に裏も表も無いことを淡々と語っていた。なにより……

 

 「あまり凝視しないでくれ……」

 

 深々と粉雪が降り注ぐ中で彼女は少しキョトンとした後にその言葉を理解した。

 

 「ごめんなさい!」

 

 2人お互いに隣に座るというコミュニケーション障害気味なレムにとっては少しハードルがある事を無意識にやり遂げたのに、そんな中見つめられたことでその伝説の宝刀「コミュ障」が発動したのだ。

 彼は目をそらしながらボソッと彼女に聞こえるように呟いた。

 

 「とりあえずいいよ、この先自分にかかる火の粉は自分で払えなきゃ色々と大変だからな…」

 

 やった!と無邪気に喜ぶシキ。

 そんな中雪を踏み鳴らす音が少しずつ…一歩一歩着々と大きくなるのが聞こえてきた。

 

 「静かに……」

 

 俺は彼女の前に手を出すと手のひらを彼女に向けて動くな、と聞かせた。

 

 「探すのに時間がかかっちまった…」

 

 そう言いながら現れたのはついさっきまで俺達の前でとある部隊の指揮をとっていたあの男。

 

 「国際連合国軍第三機動部隊隊長シェロ・バーチスだ……以後お見知りおきを………」

 

 先程までのは人を舐めきった態度からはあまりにも意外な挨拶に少し戸惑いをみせるレムだったが、その理由はすぐに判明した。

 

 「かの有名な【蒼麟の閃光】と言われた人が何故ここにいるか分からないが、上からの命令もある…だからお前にはここで死んでもらう……!!!」

 

 そう、彼は俺の正体を知っていたのだ。

  

 言い切る週間目にも止まらない速さで抜刀し切りかかってきた。

 

 それを受けきったネロも柄に納刀したままの状態で応戦する。

 抜刀とその打突による衝撃で空気が振動するかと思いきや、その地に落ちた雪さえもその風圧で舞い上がるほどだった。

 

 「くっ…シキ!後ろに下がってろ!!」

 

 「はっ、はい!」

 

 我にかえった彼女は大きな大木の後ろに隠れると少し木の影から顔を覗かした。

 刃と柄を合わせ鍔迫り合いをしているなかシェロという名の男が刀でレムを弾き飛ばす。

 レムは体勢を変えないまでも、後ろへと後退する形になった。

 

 「噂ほどではないですね…この程度なら片手でも充分殺せる……!!」

 

 そう言うと彼の目つきは先程までのものとはまるで違う……その目をみたシキは背筋がゾッと凍りついた。

 

 その豹変した眼光は幾千の戦いの中で勝ち残った強者だけが持つ目だった。

 

 人間……否、動物としての本能があの男は危険だと脳内に嫌でも語りかけてくるのだ。

 

 「レム…………………」

 

 心の声が口から漏れる中で刀を交えている2人

の激戦は続いた。 

 

 容赦ない斬撃、雪を弾きながら迫り来るシェロにもレムの動作は少しついていけていないような様子を見せながらだがしかし、紙一重ではあるが避けきっていた。

 

 「くっ………」

 

 シキがシェロの表情に少しずつではあるが濁ってきているのに気がついたのはそれから多少の時間が経過してからの事だった。

 

 「…ハァ…ハァ……………くそぉ!!……」

 

 シェロの吐いた言葉に少し怯える様子をみせるシキと全く動じず平然とした態度をみせるレム、それに対して完全に息が上がっているシェロは刀を床に刺しそれを支えとしていた。

 

 「だらしないじゃないスか、シェロ隊長〜」

 

 そう声が聞こえたと同時に林の奥からマントを着てそのフードを深くかぶる二つの影が現れた。

 

 シェロに対する口調、態度から察するに多分軍からの援軍、そして彼よりも格上だろう。

 

 「うるせぇ……こいつ……俺の追撃にあわせて徐々に速度を上げていきやがる……くそ!…ナメやがって…!!」

 

 シェロの目測は誤っていた。

 

 力の差は圧倒的、自分の方が上だと考えていた彼はその能力を使うことも出来ずにいた。

 

 しかし、シェロの実力は確か、実際にレムの推測した通り、その戦歴には偽りはない。

 

 

 彼はその『蒼麟の閃光』という異名を持ちながら

自分の実力を悟られなかった…

 

 否悟らせなかったのだった。

 

 

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