表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
One's Summer  作者: 新増レン
一章「曖昧な、あの頃」
5/41

-4- 『誰だ?』


『ふーまくん。おはようございます』


 昨日の夢と同じだ。今度は、はっきりと声が聞こえている。

 しかし、声が聞こえるだけで体の自由がきくわけでもなく、意識だけがあるといった感覚だ。

『俺の名前を、知ってるのか?』

『はい……』

『誰なんだ』

『言えないです。だって、ふーまくんは思い出してませんよね?』

『……何を』

『それでは、教えたくありません』

 声しかしないのに、俺の夢は強情だ。

『ヒントもくれないのか?』

『だ~め。だって、これはふーまくんが決めたことですから』

『俺が?』

『はい。だから、頑張ってください。待っていますから……』

『待っているって、言われてもだな――』

 意識がグングン遠退いていき、声は聞こえなくなっていた。

 目を覚ますと、何事もない天井が視線の先にあるのみだ。


 今日もまた、暑い……。

 夏だな。体中の湿った感触に、季節を実感した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ