パーティー参加?
カール少年を森に入れる事は出来ないが、カール少年を遊ばせとくのも勿体無い。
そんなギルドが出してきた指定依頼は非常に微妙な依頼だった。
森の周辺部のパトロール。
そしてカール少年には1つのパーティーのフォローをしてもらう。
最初にギルドからこの話を聞いた時は意味が分からなかった。
森の周辺部のパトロールはまだいい。実際今と殺ってる事は代わらない。
パーティーのフォローに付けって何?
パーティーに参加させるとかパーティーと合同で戦うなら分かるけど?
俺は受付の人に訊ねた。
「も少し分かりやすくプリーズ」
受付嬢のお姉さんはここではなんですのでと言ってカール少年を別室に連れて行き、そこで目を合わせる事なく説明を始めた。
「実は数年にわたってギルドの為に尽くしてくれてるパーティーがありまして、出来ればこのパーティーを上の級にしてあげたいのだけど、問題はこのパーティー輸送任務がメインの為に大物の討伐実績が無いんですよ。そこで大物喰いのカールさんと組ませて大物の討伐依頼を達成させたいと云うわけです。ご理解頂けましたか?」
受付嬢はこれで察してとばかりにカール少年を見つめた。
「長々と説明されたけどやっぱりよく分からないので分かりやすくプリーズ。」
カール少年にはそんな能力はなかった。
受付嬢はため息と共に説明を続けてた。
「ぶっちゃけパーティーとして完成している中にカールさんが入ってパーティー壊されるとギルドとして困る訳ですよ。」
カール少年はおもむろに席を立ち上がった。
「・・・お疲れした。」
「あぁ!すいません言い過ぎました。帰らないで、まって、待って下さい。これはカールさんにとってもプラスの話なんです。」
「・・・続けて。」
カール少年に促され受付嬢は話を続けた。
「正直言ってカールさんはパーティー実績が最悪なんです。確かに紹介したコッチにも問題が在りますが、それでもパーティー成立ゼロは酷すぎます、これでは他の人に紹介しても相手がカールさんの情報を聞いただけで断られます。」
「・・・」
「そこで今回の依頼です。相手のパーティーは大物の討伐実績をカールさんはパーティー成立の実績を分けあうと、こう言う事です。」
「ふ~ん、まだ一寸納得いかないけどとりあえず了解です。」
「良かった。では相手のパーティーを呼んで来ます。待っていて下さいね。」
そう言って受付嬢はそそくさと出て行った。
「初めまして、輸送専門のチームサーガのキュービン.ヤマトです。貴方が大物喰いのカール君だね、よろしく。」
カール少年は大概の相手には物怖じしないタイプだが、このヤマトさんに対してはどうしても良い感情を持てる自信が無かった。
「チームの仲間を紹介させたくれ、サラ、ローラ、ユリ、ミナ、ナナ彼がカール君だ。」
「カール君よろしくね。」
「噂は聞いてるわ。」
「私は正直大部眉唾だとおもってた。」
「失礼よ、ご免なさいね。」
「ほら皆いっぺんに話し掛けたらカール君が困ってるわ。」
「カール君こっちにいるのが僕の仲間だ。これから宜しく。」
仲間って言うかハーレムじゃね?
「受付の人と話があるんで一寸待ってて下さいね。お~い、受付一寸顔貸せや。」
そう言うとカール少年は受付嬢を部屋の外に連れて来た。
「ナニあのハーレムは?」
「何と申されましても、チームサーガですが何か?」
「何かじゃねぇあんな所に入っていったナニすりゃ良いのよ?」
「ですから皆で狩りをして結果を出してくれれば・・・」
「じゃあ何か俺はアイツ等のくんずほぐれつ宜しくやってんのをテントの影からテント張って見てろってか!」
「嫌わざわざ覗かなくっても。」
「ふざけんなよ、こちとら思春期真っ盛りの13才だぞ。そんなん側でしてればドラゴンの巣穴にだって覗きに行くわ!」
「ドラゴンて・・・えっ?今カールさん13才って・・・」
「パーティージョーク です。少しでもチームに馴染もうと思って。」
「さて部屋に戻りますか、」
カール少年は受付嬢をその場に残し部屋に戻って行った。
こうしてカール少年は臨時ながらパーティーを組む事になった。