魔の森
「と云う訳だから・・・」
カール少年はベットに横たわりながら二人に向かって話た。
「ちょっと待て!」
「そうじゃお前さん、朝鞭打ちを受けて牢を出たばかりじゃろ?」
「一体ナニを考えとるんだ?」
牢番二人が呆れながら話し掛けると、
カール少年は一体ナニを聞いて居たのとばかりにため息を着いた。
「ふ〜だから今話したろ、クエストの報酬が銀貨6枚にしかならなかったの、銀貨6枚、マトモな宿屋に泊まったら一晩で消えてなくなる、解かった。」
「ワシらが聞いとるのは何で牢屋に泊まろうとしとるかじゃよ。」
牢番の1人が至極最もな質問をした所、
「鞭打ちされて弱ってる少年に野宿しろってか!」
とカール少年にキレられた。
「嫌、だってなぁ?」
「普通なら二度と入りたくないと思うだろ。」
「お前さんは立て続けに二度も入っとるし。」
「・・・馴れた」
「「ハァ?」」
牢番二人はあきれ返って開いた口がふさがらなかった。
「と〜に〜か〜く〜傷が癒えるまで泊めて貰うから、ヨロピク」
「ヨロピクって」
「今さら可愛子ぶられても、第一可愛くないし。」
カール少年は二人の突っ込みを聞き流しながら話し掛けた。
「所で二人に尋ねたいんだけど、」
「何だ?」
「答えられる事なら答えるぞ。」
二人もこれ以上言っても無駄と思ったのか諦めた口調で聞き返した。
「討伐依頼を受けたいんだけど、どうやったらゴブリンとか、すぐ見つける事が出来るのかな?」
二人はとても可哀想な子供を諭す様に言った。
「・・・なぁ坊主そう云う事はギルドで聞いたらどうだ。」
「坊主、ワシ等が牢番ってわかってるか?」
二人の突っ込みに臆する事なく、カール少年は言いきった。
「知らないのが恥じではないのですよ。聞かない事こそ恥じなのです。」
「うん、まぁそうだが聞く相手を選ぶのも大事だぞ。」
「この坊主一寸良いこと言ったって顔しとる。」
カール少年は二人の突っ込みにキレ気味に答えた。
「い〜い〜か〜ら!知ってるなら教えてよ。」
「そりゃまぁワシ等も元は冒険者だったから知らない事はないが。」
「坊主はソロでやっていく積もりなのか?」
カール少年は爽やかな顔で言いました。
「これといって考えてない。」
「「・・・」」
牢番二人は聞いた自分達が馬鹿だったと思おうとした。
「ゴホン、」
「まぁ方法としてはレンジャーを仲間にするか、」
「後はこの街から南に1週間程行った所にあるナットゥーンの街に行くことだな。」
「そのナットゥーンに行くとどうしてソロでも大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない。」
「逆じゃ、とにかくモンスターの数が多いんじゃ。」
カール少年がイマイチ分かってなさそうなので牢番二人はもう少し噛み砕いて話始めた。
「南には魔の森と呼ばれとる大層デカイ森があるんじゃ。」
「恐ろしい魔物がウヨウヨしとる所だ。」
「だがその森自体は結界が張られていて強大な魔物は森の外には出れん様になっている。」
「偉大な大魔術師様の力でな。」
「お陰て近隣の村々は助かっとるんだが・・・」
「結界は大物を閉じ込める為の物らしく、並のモンスターはすり抜けよる。」
「それをランクの低い冒険者達は狩る。」
「因みにランクの高い冒険者は森の中で狩りをする。」
「レベルの低い冒険者は入れん。そういう風に出来とる。」
「ほうほう、で、入れるにはどれくらい級を上げれば良いの?」
カール少年は興味深そうに尋ねた。
「入れるのは確か、5級以上の実力者からじゃ。」
「ふーん、だったらギルドも最初から魔の森を紹介してくれればいいのに。」
カール少年が何気に言った所牢番二人から突っ込まれた。
「坊主そりゃ違う、本来魔の森に行くのはパーティーを組むか、実力がある程度付いたてからだ。」
「そうじゃ、新人が1人で行っても先ず死ぬだけだ。悪い事は云わん、ギルドの言うことを聞いてこの街で仲間を探せ。」
牢番二人はこんこんとカール少年に話し掛けた。
"くーくースースーウキョョョムニャムニャ"
返事の変わりに返って来たのはカール少年のイビキだった。
「ふ〜、まっ言うだけはいった。」
「そうよな、後はこの坊主が決める事じゃ。」
「しかしこの坊主、もしかしたら大成するかも知れんぞ。」
「ならお前さん賭けるか、この坊主が名をなす方に。ワシャ早死にする方に銀貨1枚、伸るか?」
「止めとく、賭けにならん。」
「グフフフフ」
「ガハハハハ」
二人に笑われてる事に気づかずカール少年は朝まで爆睡しました。
朝。カール少年の牢を確認すると、そこはもぬけの殻になっていた。