とりあえず爆発缶(それが俺の座右の銘)
「なるほど、麻薬か。」
大麻草が欲しいって事はそれしかない。今でも麻薬は高値で取引されているらしいし。
「作れるのか?」
俺は続けて質問してみる。
「わからない.....作ろうとした事ないもん」
「そりゃそうか。」
作ってみ?稼げる(ゲフンゲフン。
「相手は暴力団か?」
「たぶんそう。」
不明な点が多いでござるな。暴力団だったら目的は金だろうから巻き込まれたらきっと面倒。
そもそもこの時点で面倒。
「じゃあ昨日鬼ごっこしてたアイツは?」
「暴力団だったら幹部だと思う。」
うわぁ。俺が気絶させた奴幹部? あのいかにもチンピラが? ないわー。まじないわー。
まだ鷹の○団の幹部の方がマシだわー。
「あれ幹部か........」
「能力が強力だったから....」
「確か奴の能力名はムカチャッカファイア......」
俺は顔の影を濃くしながら言う。
「真面目にやれ!」
グラ子チョップが俺の脳天目掛けてくる。だが甘い! 俺はグラ子チョップを真剣白刃取りする。
「フハハ.....君のチョップなど「死ネェ!!」とけつぼへっ!」
馬鹿な........ありえん........第二次グラ子チョップだと!?しかも横から頬にクリーンヒット。せめてビンタにしてくれ......グハッ!
「ほんで、ふぉのおの能力だたか。」
頬が痛くて滑舌が回らない。
「そ、そうだけど、大丈夫?」
「ダメ」
頬超痛い。
「そっか...それでね、井浦くんの缶で何とかならないかなぁって思ったんだけど....」
自分の能力で何とかしろって思ったりしたが、まぁ炎の能力と草の能力だったらレベルの差が二十くらいないと草は安定して勝てないからな。
「つまりその暴力団を破滅させればいいんだな?」
「えっ?」
「えっ」
俺、変な事言ったかな?
「私は逃げらればいいんだけど....」
「そしたらずっと狙われるぞ?」
「そっか...できるの?」
「できるんじゃね?」
「ならいいか。」
「良くないわよ。」
グラ子ちゃんが反対してきた。
「良くね?敵と敵のアジト全てに爆発缶かコンクリート缶パラダイスで良くね?」
何かと言ってそれが一番シンプルで楽だったりする。
「あんたのその神経が良くないわよ。」
「そっか。じゃあ一度くたばらなきゃ治らないな」
「くたばれ。」
毒舌少女グラ子! 今日も参上! いつでも参上!
「ユカリヨちゃんはどうよ?」
「それで解決するなら。」
おお、それでいいっぽいね。
「ホラ〜、そう言ってんじゃんグラ子〜。グラ子もそれでいいっしょぉ〜?」
「その喋り方うざいキモい失せろ井浦。」
「井浦くん涙目。」
「帰って泣いてなさい。」
「うわぁんままぁー、グラ子のせいで話がそれたー」
「.......」
グラ子ちゃん呆れた目で見ている。
「まあとにかく、何をするにしても敵の情報が少ないからな。幻覚缶と爆発缶と拷問用のコンクリート缶売るから敵が来たらそれで何とかしてくれ。」
「....それを私がやるの?」
「俺がやってもいいが、追加料金だし囮はユカリヨちゃんだよ?」
本音は自分が動きたくないだけ。
「........お願いします。」
「まじか」
まあ、そりゃ、そうなるか。
「囮は頑張るし出来るだけ戦うから....」
仕方ない。
「ああ分かったよ。缶屋を動かす料金高いぞ? 」
俺は席を立つ。
「....だが、見てろ?缶屋が動いたらアレだぞ?すごいぞ?」
そして席から少しずつ離れながら言う。
「それと、追加料金はここのコーヒー代って事で。じゃあな!」
そう言い残し、俺は喫茶店を出た。
「ふぅ、今日はまだ疲れそうだな。」
今からすることを考え、そう呟きながら。