表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/64

おれの缶か?欲しいのならくれてやるぜ.... (俺が、缶賊王だ!)

 どうも、放課後です。


 今日の朝、井浦は通学路で重力攻撃されました。

 そしてそのせいで遅刻し、外周二十周走らされました。


 井浦語に翻訳すると、「もう帰って寝たい」です。



 だが、俺には約束がある。


 なんで約束などしてしまったのか?なんで約束など無視して帰る事が出来ないのか?


 答えは両者ともグラ子のせい。


 約束した理由は、重力攻撃から抜けたかったからだし、約束を無視して帰ったら家ごと重力に押し潰されてしまう。


 これが能力の格差だ!まあ俺も家潰すレベルのでっかいコンクリートの入った缶とか作れるようになったけどね。



 でも行かなければならないのだろう。


 ああーあ。分身缶とか作れないかなぁ。でも俺の分身はきっと働かない。パソコンの電気代が二倍になるだけ。缶電池なら作れるのにな。


 世の中うまくいかない事ばかりである。



 でも待てよ....石油入ったドラム缶とか作ろうと思えば.......怖い事になりそうなのでやめとく。



 まぁいいや。とりあえず教室から出よう。


 そして裏門からこっそりと、この学園(スクール)という監獄(プリズン)から脱獄するでござる。そして昨日から観ているアニメの続きを見るでござる。ござるでござる。



 俺は席を立ち、教室のドアを開けて廊下に出る。


 下駄箱のある方向に向くと、グラ子さん御一行がお見えになりました。



 井浦くんは今した動作を、教室のドアを開ける前まで巻き戻しする。

 だが時間は巻き戻っていない事を証明するように、グラ子の声が聞こえた。


「 あ け な さ い 『さもなければ、押し潰す。』」



 ......あれ?言葉の後になんか聞こえてきたぞ?


 ねぇ知ってる奥さん? 井浦くんねぇ〜、最近幻聴が聞こえるらしいのよぉ〜。


「あらやだ こわぁ〜い。」



「じゃあ、押し潰されてから、もう一度その台詞を言ってみなよ?」


「こんにちは井浦です! 」


 俺は速攻でドアを開ける。



「はぁ。最初からそうしなさい。」


「いや、そもそもなんでいるの?」


「ゆかりに変な事しないか確かめためよ。」



 うわぁ。信用ってものは無いのだろうか?


「ゼロかそれ以下」


「まじかぁ。知ってたー。ってあれ?」


 グラ子はいつから人の心を読める能力になったのだろう。

 サイ子? 不思議な能力的な意味で。



「それより早く行こう?」


 そう言ってグラ子は行ってしまう。



 俺はそれについて行きながらユカリヨさんに聞いてみる。


「ねぇ、あの人とどうやって友達になったの?てゆうかイジメられてない?大丈夫? 今回相談したい事ってそれ?」


「 聞 こ え て い る ん だ け ど ? 」


 やっべ。


「まぁまぁ」


 ユカリヨさんが静めてくれる。


 奴を....手懐けている....だと?



「あの子学校では普通だったりするの?反抗期かしら?井浦くん困っちゃうわぁ。」


「わざと聞こえるように喋っているの?」


「まぁまぁ。落ち着いて。」



 おお、ユカリヨさんがいるとここまで違うのか。

 でもだとしたらユカリヨさん、朝グラ子を静めなかった所が何気に腹黒いね。静めてたら多分俺は断ってたし。



「コウキはいないのか?」


「コウキくんは、先生の手伝いだよ。」



 ユカリヨさんが答えてくれた。


 この子、なんかコウキくんのこと好きそうだなぁ。コウキくんイケメンだし。


 よし、じゃあコウキくん攻略のヒントを与えてあげよう。



「コウキくんは押しに弱い所があるよ。」


「そうなんだよね。頼んだら何でもしてくれるんだよ。」


 なんだ....と。もうそんな関係になってしまったのか。コウキくん、立派になったんだね。


「うんうん。コウキは立派だ。」


「コウキくんはすごい人だよね。」


 末永くリア充には爆発缶。



「誤解してない?」


「「え?何を?」」



 黙って前を歩いていたグラ子がよくわからん事を急に言い出した。考え事でもしてたのかな?



「.......もういい。それより着いたよ。」


「喫茶店?」


 グラ子が喫茶店だと!?ファストフード店でも選ぶと思った。



「意外って言いたそうな顔ね?」


「いえ、そんなこと思って無かったりしてるなんてことありませんって」


「つまり思ってたって事?」


 やっべ。いつの間にか本音になってた。



「それより早く入って相談を聞こう。」


 俺は逃げるように店の入り口を開け中に入る。



「........そうね。長い時間こいつと同じ重力を感じたくないし。」


 続いて入って来たグラ子が言った。ユカリヨさんはなんか後ろで笑ってる。

 俺達は適当なテーブル席に座る。



「いや、同じ重力って....それだったら地球の外に出るしか無くね?」


「早く出てけ。」


「あっ、出て行く役は井浦くんなの?」


「当たり前でしょう? 宇宙ゴミか井浦ゴミになってなさい。」


「二つ目関係無いだろ。」


 井浦ゴミとは、俺が小さい頃、空き缶しか出せなかった頃のあだ名だ。


「今でも学校ではゴミみたいなものでしょ?」


「舐めんなよ?パイナップルの缶詰舐めんなよ?あれでも俺の生活費として貢献してくれてるんだぞ?」


「そうね。あんたの価値はパイナップルだった。」


「いや、そんなことないよ?最近井浦のことを『パイン缶屋さん』って呼ぶ人より『おーい、パイン缶。』って呼ぶ人のが多くなってきてるけど、そんなことないよ?」


「そう。でも良かったじゃん。缶屋って呼んでくれる人がいてさ。」


「そのうちユカリヨさんにも『おーい、缶。』って呼ばれそう。」


「呼ばないよ?...多分。」


 絶対呼ぶパターンじゃね?


「まあそれより缶屋さんに何の用?」



 ユカリヨさんの声が真剣になる。


「それなんだけどね....助けて..欲しいの。」


 なるほど。


「誰を? キノコ王国の桃姫さんなら五分くらいで助けられるけど?」


「ちゃんと聞け」


「痛ス!」


 グラ子チョップが俺の顔にクリーンヒット。



 ユカリヨさんが頭を下げながら言う。


「私を、助けて下さい。」


「........缶を売る事がお前を助けることに繋がるなら、事情を話してくれ」



 真剣に言ったつもりだが、俺の顔のチョップ受けた所が多分赤くなってるから、格好つかないだろうな。



「分かった。じゃあ、私の能力についてから話すね」



 そういえばユカリヨさんの能力まだ知らないな。Sクラスだから強力なんだろうな。格闘系かな?波動の力とかだといいな。



「私の能力は植物を自在に生やしたり、操ったり出来るんだ」




 草 タ イ プ だ っ た 。



「そして、私は昨日歩いていたら急に、多分私の能力を利用としようしている暴力団なんだろうけど、その人達が私に言ってきたの」



「『大麻草を能力で出せ』って」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ