2012年 さらに素材を増やす
直接的な収穫がなかったTOEIC受験でしたが、リスニングの試験で1つだけ気づいたことがあります。
北米式の発音なら、内容が理解できるかどうかは別として、音そのものは拾うことができました。しかし、それ以外の地域になると知らない音が多すぎて、手も足も出ませんでした。
これは、私の「耳」がようやく、北米の発音で固まったことを意味するのではないか、と思ったのです。
リスニングを始めた当初、米国人ナレーターのデュオ基礎編と、英国人ナレーターのマザーグースを一緒に聴いていたのに、発音の違いに全く気づかなかった私です。それほど私の「耳」は、あまりにも未熟で、何も分かっていませんでした。
だからこそ、リスニング音源を選択する時は、いつも北米出身ナレーターにこだわってきたのです。
でも、今なら、違いを違いと認識できるかもしれない、きちんと別の音として処理できるかもしれない、と思いました。
1月末、申請していた2つ目の小さな資格が認定されたことを知った私は、その勢いに乗り、思い切って英国人ナレーターが参加しているリスニング音源を取り寄せました。
おそるおそる聴いてみると……その人のところだけ、さっぱり分かりません。
歩きながらリスニングしていた私は、思わず拳を握り、小さくガッツポーズを取りました。
音の違いが分かるということが、どれだけすばらしいことか。リスニングを始めてから2年近くをかけて、ようやくここまで辿りついたのです。
アメリカ英語とイギリス英語の変換パターンは、音声学のテキストを熟読する羽目になったので、1年以上経っていても何となく頭に残っていました。
それを思い起こしながら聴いていると、確かにその通りだと納得させられます。
私はさらに、別の英国出身ナレーターの音源を取り寄せました。同じパターンが聴き取れます。
これ以降、私はナレーターの出身国を気にすることなく、リスニング音源を選ぶことができるようになりました。実は役に立ちそうで気になっていたのに、ナレーターの問題で諦めていた教材もあったのです。
日本語ナレーションが不要という点は変わりません。ですが、選択の幅は大きく広がりました。ただし、一気に増やすと予算的にきついので、今までと同じように、少しずつ増やしていきました。
当時、もう1つやってみた試みは、全体的に再生速度を上げることです。
初級者向けから上級者向けまで、レベルは特に気にせず選んでいたので、読み上げ速度にかなり差があり、違和感を禁じえなかったのです。不思議なことに、どのテキストでも、ネイティブが自然な速度で読んでいると主張しているので、私には分からない暗黙の了解があるのかもしれません。
初級者向けの「自然な速度」は基本的に遅めなので、思い切り再生速度を上げ、上級者向けは少しだけ速くする程度に留めておいて、全体のバランスを取りました。
こうして速度が揃ったことで、違和感が解消されてすっきりしました。ついでに携帯プレイヤーの空き容量も増えたので、二重に嬉しかったです。




