イザヤ書第17章、シリアの崩壊。
イザヤ書第17章
17:1ダマスコについての託宣。
(シリアについての託宣(預言))
※ダマスカスは、今のシリアの首都のことである。
見よ、ダマスコは町の姿を失って、荒塚となる。
(無益な内部抗争で、シリアの町は破壊され廃墟となる。)
17:2その町々はとこしえに捨てられ、
(そのシリアの町々は永久に捨てられたようになり)
家畜の群れの住む所となって、伏しやすむが、
(もはや、人の住む場所ではなくなり、一度は落ち着くが)
これを脅かす者はない。
(これを脅かす者はいない)
17:3エフライムのとりではすたり、
(ヨーロッパに向かう門は、壊れ果て)
ダマスコの主権はやみ、
(シリアの主権はなくなる)
スリヤの残れる者は、イスラエルの子らの
(シリアの残れる者は、かつてのイスラエルのようになる)
栄光のように消えうせると
(その栄光は、消えうせてなくなる)
万軍の主は言われる。
(主はこう言われる)
※エフライムは、ヨーロッパをさす。
シリアを崩壊に導くのは、主の言葉が始まりである。
17:4その日、ヤコブの栄えは衰え、
※ヤコブはヘブライ語で「かかとをつかむ者=人を出し抜く者」を意味するとされることから、前世のイエスキリストを意味する。
神に不義を犯していた意味の栄華は衰える。
(その日、イエスの教えた偽りの教えは衰退し)
その肥えたる肉はやせ、
(その肉体はやせ細り)
※キリストの不義の意味で、その教え自体が主に反す言葉を意味した。
シラ書51章の真実の意味。
17:5あたかも刈入れ人がまだ刈らない麦を集め、
かいなをもって穂を刈り取ったあとのように、
レパイムの谷で穂を拾い集めたあとのようになる。
(それらは、毒麦ではない良質な心を持つ麦(人々)を集め、)
(その人々が、刈り取られる前に)
(それらを拾い集めて、集団とする)
※レパイムの谷、サムエル記下の記述より
ペリシテびとはその所に彼らの偶像を捨てて行ったので、ダビデとその従者たちはそれを運び去った。
ペリシテびとが、ふたたび上ってきて、レパイムの谷に広がったので、
※今回は、その不義の意味を反省して、鎌を入れる滅ぼす意味をもつ。
17:6オリブの木を打つとき、
二つ三つの実をこずえに残し、
あるいは四つ五つを
みのり多き木の枝に残すように、
とり残されるものがあると
イスラエルの神、主は言われる。
(ノアの箱舟の天罰の時のように、実りある人々は残される)
(そのように、唯一神である神は云われる)
※オリーブの枝は、ハトとともに平和の象徴とされることが多い。これは『旧約聖書』の「神が起こした大洪水のあと、陸地を探すためにノアの放ったハトがオリーブの枝をくわえて帰ってきた。これを見たノアは、洪水が引き始めたことを知った」との一節に基づいている。
※要するに、神の掟に従う者は残される。
それは少ない。
17:7その日、人々はその造り主を仰ぎのぞみ、イスラエルの聖者に目をとめ、
(その日、人々は、その人間の造り主なる神をのぞみ、イスラエルの聖者に目をとめる)
※イスラエルの聖者こそ、主であり、その意味に人々は目を留める。
17:8おのれの手のわざである祭壇を仰ぎのぞまず、おのれの指が造ったアシラ像と香の祭壇とに目をとめない。
(彼らは、偶像を拝むことを止め、その偶像を見ることはない)
※アシラは、西セム系太女神アシェラトのヘブル読みである。
要するに偶像には目を留めない。
17:9その日、彼らの堅固な町々は昔イスラエルの子らのゆえに捨て去られたヒビびとおよびアモリびとの荒れ跡のように荒れ地になる。
(そのシリアの堅固な町並みは、廃墟と化し、荒地となる)
※アモリびと、メソポタミアから見て西方に位置するシリア地方のビシュリ山周辺を中心に遊牧民として生活していた人々をアムルと呼んだ。
17:10これはあなたがたが自分の救の神を忘れ、
自分の避け所なる岩を心にとめなかったからだ。
それゆえ、あなたがたは美しい植物を植え、
異なる神の切り枝をさし、
(これは、あなたがたが自分たちの救いの神を忘れて)
(自分の避ける場所なるところを、心にとめることがなかったからである)
(それゆえ、あなたがたは美しい植物を植え)
(偶像の神を見続けている)
17:11その植えた日にこれを成長させ、
そのまいた朝にこれを花咲かせても、
その収穫は悲しみと、いやしがたい苦しみの日にとび去る。
(その花は成長しても、花を咲かせても、その収穫の時には悲しみと、癒しがたい苦しみの日がやってくる)
17:12ああ、多くの民はなりどよめく、
海のなりどよめくように、彼らはなりどよめく。
ああ、もろもろの国はなりとどろく、
大水のなりとどろくように、彼らはなりとどろく。
(多くの者は、なりどよめく)
(洪水が各地に起きて、地を襲うので、なりどよめく)
※各地で洪水のニュースが鳴り響く。
神の右手による罰を与える。
17:13もろもろの国は多くの水の
なりとどろくように、なりとどろく。
しかし、神は彼らを懲しめられる。
(もろもろの国は、この神の送る洪水にのまれ、大騒ぎになる)
(しかし、それでも神は、彼らを苦しめる)
彼らは遠くのがれて、
風に吹き去られる山の上のもみがらのように、
また暴風にうず巻くちりのように追いやられる。
(彼らは遠く逃れて)
(その場所まで、辿りつく)
17:14夕暮には、見よ、恐れがある。
まだ夜の明けないうちに彼らはうせた。
これはわれわれをかすめる者の受くべき分、
われわれを奪う者の引くべきくじである。
(その意味は、夕暮れの恐れである)
(ひと夜のうちに、人々は滅びうせた)
(この人々は、助かる者を苦しめた者である)




