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現代なうな昔々の武器たちっ。  作者: 壱三 怜皇
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1...2

『本気で帰りたい』

主人公くん、姫抱きされます。

目立つのが嫌で面倒嫌いな俺にとって、ノリノリで話しかけてくる人は苦手な人種である。いやどちらかというと嫌いな人種だと思う。


というわけで現在進行形で俺にノリノリで話し掛けてくるこの男子が嫌だ。


なんなんだこの男子は。髪の毛を一つで結んでるのを除けば結構なイケメンがなぜ俺に話し掛ける!?

今日はまだ入学式だから自己紹介と軽いHRだけで、下校時間になったから帰ろうとしたのに…「君が江内京介君だな!ふむ、本当に面倒な事が嫌いそうな顔をしている」とか話し掛けてきた。

面倒な事が嫌いそうな顔ってどんな顔だよ。


「あの…なに?帰りたいんだけど…」

「ん?あぁ、すまない!俺はちょっとばかし君の事が気になったんだ」

「俺男だけど」

「そういうことじゃないぞ!?」


なんか面倒そうだしこの男子声デカイから目立つしとりあえず無視して帰ろう。ここは一応1年の廊下で人目が多い。

そう思って足を動かした時、足元にカツン、と音がした。


「…」


見間違いか?…いや見間違いだよな。

───廊下にハサミが刺さるはずないよな。

ハサミを投げた張本人である話し掛けてきた男子はキョトンとした顔で俺を見る。いや見るな。ツッコミが追いつかない。


「はは、俺入学式で疲れてるかも…ちょっと本気で帰るわ」

「……ねぇ、あそこに刺さってるのハサミじゃない?」

「え、廊下に刺さるわけ………あるの!?」

「せんせー!」


─────見間違いじゃなかった!!!


「ちょ、こっち来て!」

「む?」


俺は刺した張本人の男子の腕を引っ張ってその場から離れる。

入学式当日からたまったもんじゃない。


「どこへ行くのだ?」

「人気ないとこ!騒がれると面倒っ」

「だったらいい場所があるぞ!」

「え」


気付くと引っ張っていた筈の腕はなく、俺の目の前には男子の顔。そして浮遊感。


─────いや、え、ちょ、ま………



「ひっ姫抱きぃいいぃいぃいいっ!!??」



人生初の姫抱きはまさかの"やられる方"、しかも相手男。

…こんなに叫んだの初めてかも。


余談だが、姫抱き異色ボーイズという名で俺達が腐の女子達に騒がれるのをまだ俺達は知らない。




(一生黒歴史になるであろう)姫抱きで着いた場所は家庭科第二室という場所。

家庭科室に第二なんてあったのか…。


「…えっととりあえず降ろしてくれない?」

「とりあえず入るぞ!」

「聞いてないね」


俺を姫抱きしたまま器用にガラッとドアを開ける。

姫抱きのままとか本気で勘弁して欲しいのだが。

そぉっと中を見ると…家庭科室というより…自宅の部屋?

改めて…ツッコミが追いつかない。


「ただいま帰還した!」

「武士!?」

「何もう帰ってきて…ちょ、あんた何!?誘拐!?」

「姫抱きにつっこんでよ」


─────本気で帰りたい…


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