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現代なうな昔々の武器たちっ。  作者: 壱三 怜皇
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1...1 江内 京介

「面倒くさい事は嫌いだよ」

めんどうなことはしない主人公くんのお話。

朝は嫌いだ。


いきなりなんだとか突っ込まないで欲しい。

とりあえず、朝は嫌いだ。

理由は簡単…だって寒いじゃないか。しかも眠い。

時季的に今は春、暖か…くない!肌寒い!

何もかもめんどうな俺にとっては朝は辛いんだ。


なんだかんだ言いながら現在俺… 江内京介(エウチキョウスケ)は、新たな生活を始める高校に向かって歩いていた。

中学の時とは反対の道のり。新鮮な感じがする。


《───次のニュースです。警察が追っていたあの"燕斬組"が一人残らず殺害されました───》

「!?」


電気屋の前を通り過ぎる時、置いてあったテレビのニュースに耳を疑った。

あの燕斬組が…?


燕斬組…簡単に言えば世間を騒がす暴力団。

盗みから殺人まで──様々な事件を起こしてきた危険な暴力団である。

噂では外国まで行ってやってたってのもあった。

各県の警察全体が捜査していたと前ニュースでやってたばかりなのに。


その燕斬組が殺された?一人残らず?


《全員首と身体が切り離されていて、警察は鋭利な刃物が凶器とみて─────》


…鋭利な、もの。


「まぁ俺には到底関係のない話だし」


テレビから顔を背け、これから向かう泉海高校へ足を運ばせた。




「帰りたい」


泉海高校に着いて第一声。帰りたい。いや切実に。

入学式だからか人数がありえない。人が溢れている。

ちなみに今日俺の親は来ない。

というか俺から来ないでくれと言ったのだが。


「あ、江内君おはよう」

「おはよう昴。音ゲー三昧な日々お疲れ様。帰っていい?」

「駄目だよっ」


俺に礼儀正しくお辞儀をして挨拶をしてきたのは、中学が同じで家が近くだった泉昴(イズミスバル)

泉が泉海高校にくるとは。ダブルいずみだな、なんて。

言ったら怒るだろうけど。


「ほら行こう?体育館」

「いーやーだー…」


昴に腕を引っ張られて無理やり体育館に連れて行かれる。

いつのまに力強くなったんだ。音ゲーしてるくせに。


「昴、握力いくつ?」

「え?…確か右23に左22かな。どうして?」

「いやなんでもないですすいません」

「…なんで敬語?」


俺より握力あるとか、え、怖い。

いや俺がないだけだと思うけど…少し頑張ろうかな。






長い長い校長先生の話を聞き、疲れ果てている俺は新しいクラスで人間観察していた。

どうやら俺は唯一普通に話せた昴とは別のクラスで1年B組。


クラスメートの印象は1つ。協力性あんまなさそう。

ギャルらしいギャルはいないがまぁ女子高生だなってのはいる。

ああいう女子苦手だな。どちらかというと俺の前に座ってる誰とも喋ってない女子のほうがいい。


「はいはい席についてー。1B担任の雲晴(クモハレ)だ!宜しくな」


気付くと担任と言った女性がノートを持って教卓の前にいた。

あの人が担任…性格が俺と合わなそう。うん、無理。


「じゃあ自己紹介するか。1番から順にー」


雲晴先生が言うと前に座っていた女子がゆっくりと立つ。

あ、次俺なんだ。


「…朝露奈央(アサツユナオ)。趣味は特にないです。特技というか…取り柄は回復が早いこと、です。宜しくお願いします」


朝露さんはペコリと皆にむかってお辞儀をする。

頭をあげた瞬間…たぶん俺を除く半分の男子は顔を赤くしたんだろう。

彼女は世にいう美少女であった。

俺は女の子に興味がないので「あ、かわいい」くらいだが。


朝露さんがカタンと椅子に座ると先生の視線が俺にくる。

あぁ…自分に集中する視線は嫌いだ本当。


「えっと…江内京介です。好きなものは平穏と雷、嫌いなことはめんどうなこと。宜しくお願いします」


俺の自己紹介でチラリと朝露さんは俺を見る。

何か変な事を言っただろうか。

…好きなものが雷の時点で変…いや平穏の方だろうか。


「…だるーんってしてるのがまたグッド…」


女子数人がそんなこと言っているのを俺は知らない。


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