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プロローグ
私は知っている、私が憎まれる存在であることを……。
身長は人間と大した差のない女性のような身体つきをしている。
金色の髪もあるし両手両足もある、人間のような身体。
けど私には人間を超えた身体能力と身体には狼のような耳と尻尾がある。
遠くの音も聞こえるし匂いだって嗅ぎ分けることができる。
化物同士の縄張り争いも負け知らず……だから私の側には誰にもいない。
化物はとっくに私の事を避けている。
でもそれでも来る種族……人間。
私は人間が大嫌いだ、大した力も持ってなければ鉄臭い剣を持って群れでやってくる。
けれど誰も私には届かない……巨大な狼となった私はいつの間にか殺している。
赤々とした血液が流れている。
人の悲鳴が響き渡り私が人を喰いちぎる音が響く。
その後は静かだ……狼になっていた私は人型の化物に戻る、自我や理性と共に……。
人型になると同時に悲しみや苦しみが押し寄せ私を嘲笑うかのように悲鳴を思い出させ罪を自覚させるそうして眠るだけ、涙を流して誰も来ないことを願いながら。