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指名手配 2

 レベル上げにはモンスターを狩る必要がある。これは当然のことだ。

 だが僕は今狙われている。なので僕を狙う低レベルな奴らにはPKの恐ろしさを教えてやろう。そうすれば狙われる確率が減るはずだ。

 僕はさっそくハイドを使い町への道を進む。

――獲物発見。

 人を狙うということは狙われても仕方ないのだ。それを忘れてもらっちゃ困る。

 一人でフィールドを隅から歩き回っているキャラクター。分厚い鎧を着て盾を持ち大きな槍を構えている。ガーディアンだ。だがそんなのは関係ない。

 僕は素早く近づき一気にスキルをぶっ放す。死に絶えるキャラクター。そうしてチャットに浮かぶ位置情報。さてここから恐怖を植え付けてやろう。

 死んだキャラクターが復活ゾーンに戻るため光の粉になって消えたのを見届けた後、僕はアイテム欄を開く。そこにあるのは地雷。簡単でもっとも被害を大きくできるアイテムだ。それを先ほどのガーディアンの死体があった場所に仕掛ける。

 そうして町のほうへと走る。

 すれ違うキャラクターたち。僕はハイドをしているため気づかれない。直後チャット欄がものすごい速さで流れていく。

――ざまあみろ。

 一人が地雷を踏んだのだ。地雷は設置点から決められた範囲内にダメージを与えるアイテムだ。今回使った地雷はそのなかでも質のいいものだ。よって体力の低い者は死に絶える。

 さてもうちょっといたずらをしたら追手はへるかな。

 僕は町の中心へと進んでいく。そこにはキャラクターがたくさんあふれかえっている。さて惨劇の始まりだ。

 僕は町の中心でチャットをうつ。


「町の中心に集合っと」


 そうして数分、中心には先ほどの倍以上のキャラクターが集まった。チャットには名前が表示される。罠という可能性もあるはずなのにこれだけ集まるというのは予想外だ。こいつらは大丈夫なんだろうか。

 心配をよそに僕はハイドを町の中心で解く。それと同時にアイテムを起動する。

――PKは僕のが上だぜ。

 急に現れた僕のキャラクターを狙おうと一斉にスキルを発動するプレイヤー達。だがそれよりも先に僕のアイテムは効果を発揮する。

 爆弾だ。

 周囲に固定ダメージをばらまくそれは自分をまきこみあたり一帯のプレイヤーを殺していく。広がっていくエフェクト。巻き込まれて死んでいく低い体力のキャラクター。残るは高い体力の戦士やガーディアンのみ。

――大量大量。

 僕はさらにアイテムを使う。テレポートアイテム。自分を一定の場所に飛ばすアイテムだ。これにより戦線を離脱し僕は安全な場所に逃げる。

 PKとはこうやるものなのだ。僕を殺したいのなら数だけではかないっこない。もっと決定的な強さがないとダメなのだ。

――世間は厳しーってな。

 僕はそのままチャット欄を開くそうしてたった一言。

『集合おつかれ』

 その書き込みにチャットが荒れる。すぐにどこへ行っただの場所を検索する者もいればあきらめるものなど、いろいろだ。

 だがこれで結構な数はあきらめさせることができたと思う。ただ問題なのはこれで怒ってさらに攻撃を激しくするプレイヤーだ。こいつらはどうにかしないといけない。だが今日はもうこれでいいのだ。今日は他にすることがあるレベル上げだ。

 一週間後は意外と速い。計算しても邪魔なしで五レベ上がるかどうか。邪魔が入るので実際は三レベくらいだろうか。

 僕は駆け出す。時間が惜しい。テレポートで来た場所はレベル上げにちょうどいい場所の近くだ。あとは見つからずにレベルを上げればいい。こうして僕は狩場に向かう。

 だが考えが甘かった。狩場ではほかのプレイヤーがレベルを上げていた。こいつらに見つかるとチャットで居場所を流され見つかってしまう。こいつらを全員殺してレベル上げをしてもすぐにほかのプレイヤーが駆けつけてしまう。さてどうしたものか。

 多少経験値が低くなってもいいから狩場を変えるか?

 そこまでかんがえるがだんだん考えるのが億劫になってくる。

――考えるのがめんどくさい。とりあえずPKだ。

 僕は考えるのを放棄した。ハイドでモンスターを狩っている戦士の背後に回り込みスキルを連発。それだけで沈めてしまう。さらにPKに気づいたもう一人の魔法使いのプレイヤーに突撃スキルをつかいめまいにし、通常攻撃で息の根を止める。

 やっぱり楽しい。狩場を取られたのなら殺して奪えばいいじゃない。

 ほかのがやってきたのなら狩場を変えればいいそれで十分だ。

 僕はあたりのモンスターを狩っていく。

 赤い恐竜型のモンスターを切り刻み、翼竜のような緑色のモンスターを地面に落とす。だがPKのような高揚感は生まれない。

 PKは中に人がいるからいいのだ。ある一種の駆け引き。それが楽しい。モンスターを狩るのは作業の一環でしかなく苦痛に感じる。

 そうしているうちにほかのプレイヤーが駆けつける。それは幸せが近づいてくる足音のよう。

 ああこの感じだ。

 僕はマウスを持ったまま肩を回しすぐに操作を始める。仕掛けられる地雷。宙を舞う爆弾。転移する僕のキャラクター。

 残ったのは爆薬で阿鼻叫喚のプレイヤー達。

――これがいいんだ。

 僕はそのまま次の狩場に行き、モンスターを狩っているプレイヤーを狩る。

 ハイドで近づきお決まりのスキル攻撃、突撃スキルで攻撃スキル。ああ楽しい。そして地雷を仕掛けての逃亡。僕はとても楽しんでいた。

 そうして三つ目の転移先。そこは今までとは雰囲気が違った。チャットでの狩場でのPK行為の注意が飛び交ったためだ。時々範囲攻撃をしたりあたりを警戒している。だがそんなもの関係ない。

 僕は今回はハイドを使わない。もともと戦士よりのステータス振りなのだ。うまく戦えば負けはしない。目標は戦士一人に魔法使い二人。

 僕は突撃スキルを使い一人の魔法使いに接近する。舞うエフェクト。発動する攻撃スキル。死に絶える魔法使い。

 僕はもう一人の魔法使いに目標を変える。だがそこに飛んでくる戦士の突撃スキル。僕はそこに爆弾を使う。僕の体力が十分の一まで減り、魔法使いが死ぬ。そして戦士の体力が十分の三まで減る。僕は速攻でポーションを飲むが戦士の突撃スキルにより結局十分の三までしか回復しない。戦士の体が光る。攻撃エフェクトだ。僕はとっさにめまい攻撃を繰り出す。攻撃スキルを受け僕のキャラクターの体力は十分の一まで減ったが相手はめまいだ。使うは爆弾。時限式の一秒後爆発だ。それを仕掛け、僕はテレポートを起動する。

 あの爆弾をくらって生きてはおれまい。

――なんだかレベルをあげられない気がしてきた。

 逃げた先で僕はハイドを使い、そんなことを思いながら、誰もいない場所で体力を回復するのだった。


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