神様オープニング
人間ってのは簡単に死ぬ。
父親、母親、妹も簡単に死んだ。呆気なく、まるで最初からいなかったかのように。だからこうして死を直面しても不思議に驚きが一切なかった。生きたいとも思わなかった。
ただようやく、僕の出番が来たんだな、と思うくらいだ。よかった、ようやく逝ける。何の変わりやしないオレの生活の中でこれは最高な一日だ。このまま終われば・・・また、一緒になれるかもしれない・・・。
『それは、困るな』
ふと、声がした。
灰色に染まる大空。無情に降る雨脚。空が遠く狭くなってゆく視界。止まない雨と共に流れる深紅の血。幻聴だろうか?、それとも死ぬ前に出てくる死神か?
『生憎、私は死を司る神ではない』
見た目は一言いうと綺麗だった。長く綺麗に靡いている漆黒の髪。顔付きは整っていて、こいつが男なのか女なのか見分けが付かない。夜桜と超の模様はその美しい容姿と見事に調和していた。
「・・・・誰だ・・・・あんたは・・・」
『私の名は天照。君の生命力が急激に下がったと同時、形成され人格を有した者だ。やっとの思いに形成されたと言うのに。君が死ぬと私も無くなってしまう』
「んで、ここはあの世か?」
『私は君を知っている』
無視かよ。まっ死んだんだから関係ねぇか・・・・・。
『神崎暁緒。性別は男。年齢は一八。血液型はB型。性格は明るい一面の裏、少々シャイな一面もあり、見た目が地味だが人脈は広い。ベットの下に―――-――「うわぁあああああ!!!」
『なんだ、いきなり。五月蝿いな』
「うるさいな、じゃねぇよ!!なんだ、てめぇは、まるでオレのすべてを知ってる」
『知っているさ』
なんだ・・・・こいつは。
『ここは、君の言うあの世ではない。ここは君の精神世界。「精神世界」と命名しよう』
「おい、そんな説明はどうでも良い。なぜ、お前はオレの顔面に立ってやがる」
『ノリだ』
こいつ・・・・ふざけてやがるな・・・・。
『ふざけてなどいない。私は君を生かす。何が何でも君を死なせるわけにはいかない。私の情報を手に入れるため、そしてなぜ、私が君の中で生まれたのか知るために』
▽▽▽▽▽▽▽▽▽
とういうことで私、天照と神埼暁緒の物語が始まった。
「ったじゃねぇよ!!なんだ、この意味不明な終わり方は!」
『わがままな言うな、せっかく私がナレーターをやってやろうとしているのに、そんな口は無いだろう。』