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【プロットタイプ】脳を埋め尽くす程の

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

好みの人に完全に擬態するのが淫魔なら、食べ物は何て言うんだろう。


相変わらず自律神経ぶっ壊す勢いで生きてます。

万人が口を揃えて『美味しい』と言う物も勿論ある。だが『私にはこれしか目に入らない』と思える物に出逢えた時の感動は測り知れない。


有給を取れた時、其れが自分の為に使える時と言うのは、大抵は純喫茶に時間も金も注ぎ込んでしまう。彼処は『平日限定』といった店も珍しくはないのだから。だから本日も、その平日限定の純喫茶に訪れる事にした。


とろとろとジャズが満ちる店内は、黒を基調としているせいか、バーの様な色気を感じる。そこで半分酔いしれた様に珈琲を嗜み、オリジナルケーキを舌で転がしていた。

純喫茶である為、アルコールは一切提供しない。それでも強い酩酊感に凭れてしまうのは、場の空気と珈琲の味がそうさせるのだと思う。

夢の中にいるようだった。幸せな夢を見ている様だった。意識が朦朧として、其れが心地良くて、そのままくったりと気を失ってしまいそうだった。

「鏡花」

前に座る同居人が尖める様に此方を睨む。今の環境、今の私の状態、全てを加味して危うんでいる事は明白だった。

「酔うなよ。寝るなよ」

「分かっているさ」

随分と舌足らずな、縺れた様な声が出た。この空間に飲み込まれ、溶かされ無いように、私は覚束無い口周りの筋肉を無理やり動かした。

「瑠衣、世の中には『誰が見ても美しい』と呼ばれる物があるだろう? 例えばアイドルとか、例えば偶像とか。けれどもその様に万人受けはしないかも知れないが、一途に惚れ込んでしまう様な物も必ず存在する」

あぁ、脳がぐらぐらする。私はきちんと秩序に則って話を出来ているのだろうか? 不届きな真似をしていないだろうか? 全く分からない。けれどもただ心地好い。

「其れと出逢えたとき、人間は其れから目を離せなくなる。其ればかりで頭がいっぱいになって、頭が埋めつくされて、気が付いたら引き摺り込まれている」

「鏡花」

目の前のチーズケーキに手を伸ばす。一切れ落とした様な見掛けの素朴な姿形。味も其れに違わず素朴だった。重くはなく、舌で転がすとほんのりとチーズの味がする。まろやかな卵の風味が強いのは、此方の個性だろう。

引き寄せられる。持っていかれる。逸らそうにも避けようもなく、本能が危険信号を鳴らしても、逸らす事が出来ない。

「淫魔に似てるんだ。此処のケーキの味」

好みのタイプに完全に擬態出来るのが淫魔なら、好みの食物に完全擬態出来るのはなんなんだろう。


でも結果、脳に齎す影響は、何ら変わらないよね。

絶対に目が逸らせないし、抗いたくても抗えないし。一定時間の隙を与えてしまう。


万人受けする顔立ちってあるじゃないですか。

所謂、アイドルがその典型で、誰が見ても『可愛い』とか『格好いい』っていうの。

でもそうじゃなくて『自分の好みドンピシャ』っていうのもあるじゃないですか。


万人受けはしないかも知れないけれど、出されたらドツボにハマってしまう。そんな感じ。


とある純喫茶のチーズケーキがそれなんですよ。

味はとっても素朴。

チーズよりもたまご感強め。

チーズ部分も土台部分もしっとりしているから、舌に絡み付く。


家か誰も居なかったら泣いてたよ。

脳に効く、これしか考えられない、ドツボにハマる。


このチーズケーキって一般の王道とは少し違うけど、其れがドツボにハマったという話。

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