type3:正体
「か、かいじゅう?」
頬をつねられたまま俺は答えた。
「そうだ、っ…怪獣だ」
突然、彼女がゴホッと血を吐き出した。
「だいじょうでふか!?」
まだ頬をつねられたままだ。いつまでつねっているつもりだろうか。視線を下にして俺と目を合わせてくれない。
「あ、あの頬をつねるのやめてくだ」
「黙れ!!」
突然大きい声で怒鳴られた。
彼女は目線を上にあげ、俺と目が合った。
彼女は一拍置いてから口を開いた。
「いいから逃げろと言ってるんだ、このバカ!死にたいのか、ああ?」
顔を近づけられて怒鳴られた。
直後に手を離され口が開放された。頬を一気に離されたせいで少し尻餅をついた。力強よすぎじゃない?この人。
「あ、あの怪我の程は大丈夫なんですか…?」
頬に残るジンジンとした痛みを感じながら、俺は尋ねた。
彼女は「チッ」と舌打ちして、答えるのが面倒さそうに「大丈夫だよ」と捨てるように答えた。
「この血はダミーだ。奴らを撹乱するためのな」
そう言っておもむろに腰から中身がない血のような液体が付着しているビニール袋を取り出してきた。
「これは輸血用血液製剤。これで怪我したふりしてあなたの家のベランダで瀕死のフリしてた。」
「なんで瀕死のふりをする必要が…?」
「一般市民には言えないけど、まあ、大変なことだよ。こういうこともしなくちゃならないのさ」
「単刀直入に書きますけど、あなたは一体何者なんですか?」
彼女はこれから、スパッと言葉を放った。
「漆黒のバニー」
次回予告
漆黒のバニー!?
ちょっとどういうこと?展開がわかんないよ!
誰なんだよ!
次回 襲来
次回も見てね!