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type2: バニー

もう二月。


追記

タイトル変更しました。

ベランダの窓には血の跡がこべりついていた。

俺は窓を開けるのを躊躇してしまった。

なぜなら、明らかにベランダに人がいるからだ。

しかもなんならかの事件性を含んだ人物が。

まあ、単純に、果物ナイフとは関係ないのかもしれない。だが、俺はどうもそうは考えられない。

昨日今日で、この家に不審なことが起こっているのは事実だ。

詰まるところ、ベランダにいる人が無関係だとも考えにくい。

となると、この人は果物ナイフ―凶器を持っている可能性が高い。

もちろん血の跡から推察するに暴行を受けたのかもしれない。だが、無実の被害者とも、この状況下では言い切れない。

しかし、怪我をしているのは事実かもしれない。

窓の血から推察するに、筆で一振り描いたような跡が見ゆけられる。背中を刺されたのかわからないが、少なくとも血が出てそれがこべりついているのは事実だ。

もっとも今の今まで述べたことは全て憶測でしかない。

実情を知らなければ、それが真実に値するかは測れないのだ。

俺はベランダの窓を開けた。

ガラッと音が鳴った。

女―色黒の女がいた。しかも、血だらけだ。やはり怪我をしているのは正しかったか。


「…に、逃げろ」


彼女は小さく何かを言ったような気がしたが、俺の耳には届かなかった。それよりも、その場の光景が衝撃的で頭が混乱していた。


彼女は、バニーガールの格好をしていたのだ。

細い編み目の黒のタイツ、黒のヒール、黒のうさぎ耳ののカチューシャ、その上肌も黒に近い茶色だった。長い黒髪で、宝石と見違えてもおかしくないほど美しい琥珀色の瞳をしていた。

その上、彼女はひどく、美しかった。

この狭いアパートに似つかわしくない、端正なタッチで描かれた西洋画のように、可憐で華やかな印象を受ける。


長い足のタイツには血がかなり付着している。うさぎの耳は折れ、トップスも血と戦闘痕のようなものがあり、傷ついていた。

そして彼女の右手にナイフが添えられていた。

それが彼女自身のものかはわからないが。

それが俺のものでないとも言えない。

血まみれで一目では自分のものであるかはわからなかったが。


「は、はや…く」


「早く、なんだ?」


俺は尋ねた。


「…お前は誰なんだ?どうしてこんな格好で、こんな有様でいるんだ」


「い、いいから、…はやく逃げ、ろ」


「逃げろ?なんに対してだ?」


「や、()がくる」


「奴?なんのことを言って―」


彼女に俺は両頬を手で掴まれた。


「ふぐっぅ」


情けない声がその場に流れた。それから彼女はこう言った。


「怪獣だ、怪獣がやってくる」


彼女は今度ははっきり、そう言った。




次回予告


血まみれの謎の女から、また意味不明なことを言われた男夜宮!あらすじでしかまだ名前を出してない夜宮は彼女の妄言じみたことを信じるのか?思考パートが長すぎて話が全く進んでないが、彼女の名前はなんなのか?

結局正体不明のままだが、次回へ進む!


次回、type3:正体

追記

全然正体判明してないからタイトル変更しました

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