話の流れ
時系列で語られているものの、信用のできない一人称視点なので、後出しで出された情報も加味して状況を整理してみます。
一部、補足コメントも付けています。
婚約者時代
・夫の恋に気付く
・(舅から夫の浮気を知らされる)
・未亡人からのマウント(舅からの告白の前後どちらかは不明)
・(姑も夫の浮気を知っていて、愛がないのだからと、お金をかけない結婚式にさせた)
―補足コメント――
舅から夫の浮気を知らされた時は婚約解消の打診を受けた時かもしれません。しかし、義兄を好きになった後だったので、タイトル回収。底辺作者は主人公の好きな相手を義兄の死以降で知りました。
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結婚式
・未亡人の優遇(未亡人は結婚式も豪華。主人公は簡素)
・未亡人の服装が豪華。主役の花嫁である主人公は質素
―補足コメント――
書きながら、主役でもない未亡人の豪華な服装をよく姑が許したな、と思ったものです。
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時期不明
・(夫の不倫で甥ができる段階であると断定できる時期)
甥が生まれる
・甥は王子様として可愛がられている(義兄が実の子ではないと知っているかは不明)
4年後
・(主人公の不倫で子どもができる段階であると断定できる時期)
1年後
・主人公の子どもが生まれて、義兄が実子の顔を見る
1か月以内
・姑と夫と未亡人による謀殺で義兄が急死
義兄の葬式
・主人公は産後で忙しくて出ていない
・未亡人は相変わらず主役になれる衣装だと、主人公は想像している
―補足コメント――
感想で愛する義兄を殺されても淡々としていると言われていますが、底辺作者は主人公が残された子どもを守ろうとしているからだと思いました。
『呼称名称に見る主人公の意図』でも書きましたが、主人公は家族関係すら出てきていません。我が子のことも義兄の葬式に出られなかった理由と、死ぬ前に義兄が実子の顔を見ることができた、の二か所しかなかったのも、愛する義兄の葬式に出られなかった理由と托卵されて殺された義兄のことを慮ってのことだと思っています。
義兄の死を嘆けば呼ばれてもいない葬式に来る愛人です。憔悴したら生まれたばかりの子より男が大事な女。復讐を誓っても、生まれたばかりの子より死んだ男の復讐を優先する女になるでしょう。
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時期不明
・(舅が義兄の死の真相に気付く)
夫の不倫を甥が目撃する
・夫の不倫が隠せないものになる
家族会議
・義兄を殺して良心の呵責もなく不倫を続けていた夫と未亡人に舅がブチギレる
・姑、夫だけ庇う
―補足コメント――
実子を殺されても、舅には夫を育てた情があるようです。姑の托卵に気付いていたようなので、夫や義兄の為に姑と離婚していなかったのかもしれません。
しかし、夫は良心の呵責もなかったでしょう。
姑が一番、可愛がっているのは、愛の結晶である夫。未亡人が産んだ甥を夫の子どもではないと疑っているのかもしれません。
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家族会議の翌日
・姑、夫、未亡人、甥が絶縁されて家から追い出される
・舅が国に事件のあらましを報告して、夫と甥が家を継げないようにする
―補足コメント――
絶縁されるだけで生ぬるいと思われるかもしれませんが、実家に戻った未亡人も姑も針の筵状態です。
不倫はしていても、まさか浮気相手の子どもを産んでいるとまでは思っていなかった実家にとって、二人は修道院に生涯幽閉したい存在です。
国としては不倫、托卵、正当な跡継ぎの殺人のお家乗っ取りスリーアウトで貴族の不名誉が表沙汰になっては困ると、実家が最後まで責任をもって罰することになります。舅の家と姑の実家が家の恥をこれ以上晒さないですむようにという、温情です。(※国内の貴族はどこの家とも血縁・姻戚で繋がってしいる。そんな笑い話があります。)
国に処刑を託された実家が選ぶ未来は一つしか見えません。
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主人公の書かなかったこと、後で判明したことなども記入していった結果、どのような印象を持たれましたか?
浮気されて不倫し返した印象でしょうか?
家庭内不倫前提で結婚して、愛する人を手に入れて失って罰を受けた印象でしょうか?
結婚前に舅に夫の不倫を告げられた時に主人公はこう言ったのでしょう。
「婚約者が他に好きな人がいても、問題はありません。私も別の人が好きだから」
―――――――――と。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
底辺作者