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呼称名称に見る主人公の意図

 皆さん、『はじめに』の呼称名称一覧を見て、お気付きでしょうか?


 ―――――――――

 主人公・・・私

 夫・・・私の婚約者、私の夫

 未亡人・・・夫の兄の婚約者、夫の兄の妻、夫の兄嫁

 義兄・・・夫の兄

 姑・・・夫の母親

 舅・・・夫の父親、義父

 ―――――――――


 主人公以外は夫の家族しかありません。

 主人公は意図的に夫を中心とする人間しか出していません。

 あの文字数で5年以上の流れを書いたのだから、会話がないのは勿論、要所要所しか書けなかったと弁護もできるでしょうが、底辺作者は断言します。主人公には悪意があったのだと。


 結婚前から主人公は未亡人への悪意を露わにしています。

 結婚式についても未亡人が悪く見えるように書いています。底辺作者は貴族の暗黙の了解で式を質素にさせたと思っていましたが、未亡人の衣装については豪華なので、姑に見咎められなかったのかと、なんともちぐはぐに感じました。

 夫の不倫が目撃された後にも未亡人への悪意をもう一度、書いています。


 感想欄で「夫の兄は”義兄”でいい」とのご指摘を受けましたが、実は底辺作者も義兄が死ぬまでに”義兄”と書きかけました。そこで主人公の家のほうの姉の夫や養子縁組でできた義兄と間違えそうだ、と思ってしまったのです。底辺作者の意識はまんまと主人公に誘導されて、”義兄”と書けませんでした。主人公の家族関係はこの”義兄”記述の迷い以外では一切、脳裏をよぎりませんでした。


 頑なに義兄を”義兄”と言わない主人公。

 最後の最後で舅を”義父”と言う主人公。


 愛する人を義兄とは呼びたくなかった主人公。

 あの夫や姑の家族として受け入れられたくなかった主人公。舅を”義父”と言えば、自動的に姑が”義母”になります。

 それは嫌だったのでしょう。


 書いている時は何気ない問題でしたが、こうして、書けば書くほど明確になっていく、主人公の意図。

 何某かの心境の変化で呼称名称が変わったのだ、と底辺作者は軽く考えていました。


 しかし、こうして呼称名称を並べ、関係性について考えてみると、主人公は義兄中心に物事を見ていて、家庭内不倫をしている未亡人への悪意が満ちています。「私の愛する男性と結婚しておきながら、堂々と浮気しやがって」とでも、思っていたのでしょうか?


 姑もまた、主人公にとって悪意の対象かもしれません。

 姑は盲目的なまでに愛した人の子ども=夫(次男)を可愛がり、夫(次男)が愛する未亡人を優遇し、夫(次男)が仕方なく結婚した主人公に惨めな思いをさせていました。

 実の孫より、夫(次男)を守ろうとしたくらいです。主人公が惨めな思いをさせられたように、昔から兄弟格差をして、舅から疑惑の目を向けられて、舅に夫(次男)の出生の秘密まで気付かれたのではないでしょうか?


 女性として二番目に大きなスキャンダルである、未亡人でありながら亡夫以外の子どもを妊娠出産する疑惑をかけられた未亡人。

 不倫の末の托卵だけでなく、尚且つ、義兄(長男)の殺人がバレて、可愛い夫(次男)ともども実家に送り返された姑。

 主人公の最後の一文、「夫も王子様もこの家を相続する権利は、この国が存続する限り永遠に失われました。」は義兄を苦しめていた姑と未亡人の野望を潰した勝利宣言のように見えるのは底辺作者だけでしょうか?

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