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愛されクソ雑魚TSエルフが紡ぐ異世界シンフォニー  作者: 桜寝子
第1部 第1章 新しい居場所
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第16話 エルフ4姉妹+1人……とオマケ1人

 買い物から帰った後、リビングのソファでまったりしているうちに眠ってしまった。


 起きた時には夕飯の準備が終わる頃。

 寝てばかりの私はどう見られてるんだろう……


 しょぼしょぼする目を擦りながら起き上がると、ぽてっ……とルナが転がっていった。

 こいつ私の上で寝てたのか?


「んにゃっ……落とすなよぉ……」


 人の上で寝ておいて文句言うな。

 そのままソファに戻って横になった……また寝るんかい。



「あっ! 起きたよ!」


 そして元気な声が聞こえる。

 ちょっと幼い声、妹ちゃんかな。


「おー、シアちゃんお目覚めだね。顔拭いてスッキリしよっか」


 セシリアがタオルを手に近づいてくる。

 受け取ろうとしたらスルーされてそのまま拭かれた。なんで。


「んにゅぅ……」


 なんか変な声が漏れてしまった……恥ずっ……


「シア、そろそろご飯出来るからねー! それまで自己紹介でもしててよ!」

 

「おはよう、私はリアーネ。リリーナの姉で、一応家長って事になるのかな」


 リリーナがキッチンの方から言うと、大人のお姉さんって感じの人が歩いてきた。


 エルフなのに随分スタイル良いな。

 ふわっと広げた長い髪はリリーナよりも少し青が濃いかな。


「あたしはリーリア! やっと挨拶できたっ!」


「わっ……と、あー……私はエリンシア、シアでいいよ」


 そして横からは元気で勢いの良い妹ちゃん。

 クリクリキラキラの目、肩にかかるくらいの髪は姉妹らしく似た色だ。


「うん、シアちゃんね!」


「リーリアちゃん……リーリアでいいかな?」


 しかし言われてた通り身長差が凄い。

 同い年でこれじゃあ心配されるわな。


「いいよー! ……でもお姉ちゃんって呼んでもいいよ?」


 どうやら私の見た目が幼いからか妹扱いしたいみたい。

 下の子が出来たみたいで嬉しいのかな?


「いや、流石にちょっと……同い年だし……」


「むぅー……」


 断ったらちょっとむくれちゃった。ごめんね。




 さて……ともかく、ちゃんと言う事は言わなきゃね。


「えっと……改めて、急なのに一緒に住まわせてくれてありがとうございます。あの……きっと私、迷惑掛けてしまうかもしれないけど、これからよろしくお願いします」


 頭を下げるとリアーネさんに撫でられる。

 そうして優しく笑いながら語り掛けてくれた。


「聞いてた通りの子だね。そんな事は気にしないでいい。君を迎え入れるのは私達が決めた事だ。出来れば君にも家族として見てほしいな」


 つい申し訳なさを感じて余計な事を口に出してしまう。

 また気を遣わせるなんて……


「別に今すぐじゃなくても、ゆっくりでいいからさ。お互い知らない事ばかりだ。私だって、君に嫌な思いをさせたりしてしまうかもしれない」


 これが初対面の挨拶だっていうのに……どうしてこんなに想ってくれるのか。

 どうして皆こんなに温かく迎えてくれるのか分からない。


「ずっと一緒に暮らしてきた妹達とだって、そういう事はあるんだ。お互いに知っていければそれでいい。だから、変に遠慮したり距離を取ったりはしないでほしいかな」


「ごめ……ありがとう、ございます……」


 分からないけど……優しくて温かい人達だって事だけは分かる。

 思わずまた謝ろうとしてしまったけど、今度はすぐお礼を言えた。



「姉さん長い! もっと簡単に言いなよ」


 キッチンのリリーナから苦言が飛んでくる。

 言わせてしまったのは私なんだけどなぁ……


「えっ、だって色々聞いてたから……安心させてあげたくて……」


 この家の責任者らしいお姉さんなら、色々と考えるだろうさ。


 あれ……そういえば3人の両親は?

 いや、今考える事じゃない。切り替えよう。


「大丈夫、です。リアーネさんの言った事……ちゃんと分かったよ。ありがとう……」


「それなら良かった。ほら、この子は分かってくれてるぞ」


「まぁシアが分かったならいいけどさ」


「シアちゃんは頭良さそうだしね。余計な事考えちゃうくらいには」


 うぐっ……その言葉が一番効いた。突き刺さって痛い……


「頭良いの? 一緒に勉強しよー!」


「もうご飯出来たから後にしなさい」


 リーリアが学校の教科書か何かを見せてきた。

 せっかくだから一緒に見てみようかな。


 でも今は言われた通り、家族揃ってのご飯といこう。


 ルナもいつの間にか起きてたみたいで、すぐに私の膝に座ってきた。

 別にいいんだけど、頭の上に溢さない様に気を付けなきゃ……


 あとセシリアは完全に溶け込んでるけど、帰らなくていいんだろうか。






 そうして6人での食事をした。

 なんだか心まで満たされていく気がする。


 好き嫌いが無い事を褒められたり、リーリアが張り合って嫌いな食べ物を克服しようとしたり、これからの事を話したり。


 ただただ賑やかだった。

 幸せな食卓ってこういう事なのかな。



 でも残念ながら大した量は食べられなかった。

 いっぱい食べようって意識はあるんだけどね。


 学校の話題も出たけど、私が行かないと知ってリーリアは残念そうだった。

 それでも食後に一緒に勉強したら納得してくれたし、負けていられないとやる気が出たらしい。

 変な方向に捻じれたりしなくて良かった。


 そんな楽しい時間の中で、両親が居ない事についてなんて聞けなかった。

 何か理由があって離れて暮らしている可能性もあるけど、なんにせよ聞きづらい。




「そういえばセシリア……さんはいつまで居るの?」


 リーリアとの勉強も終わった頃、さっきも思った事を聞いてみる。

 仲が良いから泊まるんだろうか。


「シアちゃんが寝たら帰るつもりだよ」


「あら、そうだったんだ」


 リリーナも聞いてなかったのか。

 だいぶ遅くなりそうだけど……良いのかな。


「うん。ところでー……お姉ちゃんって呼んでいいんだよ?」


「は? それなら私がお姉ちゃんでしょうが」


 何故張り合う……?

 私からすればどっちも姉らしいけど。


「妹欲しかったのー! いいじゃんお姉ちゃん」


「シア、リリーナさんなんて呼ばないよね? もう家族だよ?」


 圧をかけないでほしい。


「……呼び捨てじゃダメ?」


「んー……ま、無理強いはしないけどね。呼びたい様に呼んでくれればいいよ」


 呼びたくない訳じゃないけど、単純になんか恥ずかしい。


「別にいいけど……お姉ちゃんって呼んでくれたら嬉しいなぁ」


「食い下がるねぇ……」


「だってー……」


「じ、じゃあ……ほんとに時々だからね。セシリアお姉ちゃん……リリーナお姉ちゃん」


 やっぱり恥ずかしい……

 でもただ呼んだだけなのに、2人とも本当に嬉しそうだ。

 なんでそんなに喜んでくれるんだろう。



「あたしは? 散々お世話してあげたんだから、あたしもお姉ちゃんじゃないの?」


「それはそうだけど……ルナはルナだし」


 確かに物凄くお世話になってるけど、そういう感じじゃないかな。


「言ってみただけだよ。あたしはお姉ちゃんなんて柄じゃないし」


 なんだそりゃ。なんか1日でルナも変わった気がする。

 上手く言えないけど、距離が近くなったような……



「さて、まだまだ話してたいけど……そろそろお風呂にしなきゃね!」


 満足そうにほんわかしてたセシリアが唐突に言い出した。

 確かにもうお風呂に入るような時間だ。


「ん、お風呂って何処?」


 そういえばまだ家の中を詳しく知らない。

 寝てばかりの私が悪いんだけどさ……


 トイレには行ったけど、この世界ってお風呂とは別なんだよね。

 おまけに湯に浸かるのも一般的だ。


「あ、ちょっと待って。シアの着替え、今日買ったやつ出さないとね」


「私は用意できてるよ」


 ん?


「あたしも入るー!」


 んん?

 おかしいな……なんでセシリアも着替えを持ってるんだ。

 なんでリーリアまで……


「はぁ……そうなると思った。最初からそのつもりだった訳ね。はい、シアの着替え」


「あ、うん。ありがとう」


 なんでリリーナの手にも着替えが……いや、もう分かってるよ。

 皆で入るって事か。なるほどね。


「こっちこっち。ウチのお風呂は大きいから、4人でもなんとか大丈夫だと思うよ」


「え……?」


 マジですか?

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