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第6話 塩づくりに海に向かう

この星35日目


塩の確保のため海に出発する。2リットルぐらいの鍋状のものと、5泊ほどの食料をリュックに詰めた。薪や水は現地調達のつもり。

何%の塩水かわからないので、ひょっとしたら真水かも知れない。それだと最悪だ。

森の中や岩場などで、目印を失った時はどうしよう?。極があれば、簡易羅針盤を作ってもよいが。

うーん、困った。


結局、行く先々で見失ったら小高いところに登って、確認することにした。なにせ、大きな水たまりだ。見つけやすいさ!。

ということで、一路海を目指した。

ぴょーんぴょーんと、5時間ほどで難なく着いたよ。案ずるより産むが易しだ。


青い海と青い空、そして白い砂浜。

早速、舐めてみた。やったー!。塩水だよ。でも有害物質が含まれているとか?


砂浜を歩いて、生き物を探した。貝はもちろんのこと、魚や海藻類も調べてみた。

たくさん繁殖している。毒は無いようだ。OKだ。

 

まあ、念のため、この身体でチェックしよう。少し飲んで様子を見る。

明日の朝までに、異常がなければ完璧と判断しよう。

石を抱えてきて、かまどを作った。浜辺に打ち上げられた枯れ木を集めて薪にする。

今日も、ウサギの肉とニンジンのバーベキュー。美味しいね。


さて、寝床をセットしなくては。

と、岸を見ると、えらい高い。波打ち際から5メートルは高いよ。それって、満潮時には、あそこまで波が来るということかな?。

波打ち際から50メートルほど離れた、木立の下に寝床をセットした。

夜中に目を覚まして、海を見ると波打ち際は、3メートルまで迫っていた。おぉーくわばらくわばら。



翌日、お腹の調子も、身体の具合も申し分ない。良好だ。

よし、今日は塩づくりをしよう。


持ってきた鍋に海水をすくい上げて、昨日作った竈に乗せた。

ぶくぶく、ねりねり、ぶくぶく、ねりねり、ぶくぶく、ねりねり・・・・。


ひたすら、鍋をかき混ぜる。白いものが徐々に現れて、塩ができた。しょっぺー。確かに塩だ。

にがり成分もありそうだ。まあ、拠点に戻ってから、にがりやごみを取り出そう。このままウサギの皮に包んで持ち帰ることにした。


2リットルほどの鍋の底に塩が残る。うーんと50グラムほど。10回繰り返して、500グラムほど取れた。一日5グラムの必要摂取としたら、100日分になる。肉や魚の保存にも使うので、一か月に一度ぐらいは、ここに通うことになるかな。


折角だから3泊して、周囲で食材を探した。

貝にエビ、タコ、海藻など。


この星38日目。


朝起きて、そそくさと拠点に戻った。帰りは上りなので8時間ほどかかった。



「さて、粗塩からにがりなど他の成分を取り出すか」

独り言が多くなった。仕方ないね。

なけなしのハンカチを濾布にして、少しづつ水を加えてゆっくりと、苦み成分を下に落とした。これも料理に使えるとして、取っておこう。水に薄めてミネラル補給もできる。


美味しい塩ができた。うれしい。


その夜のウサギ肉は塩加減が良くておいしかった。頭も少しはっきりしてきたように思う。やはりナトリウム不足になっていたようだ。


朝、外の様子がなんとなく騒がしいと思って、覗いてみると、そこにはシカやイノシシなど獣が数匹、地面を舐めているではないか。ああ、そうか、昨日の塩気のおこぼれに寄ってきたのか。

獣は、僕が起きた気配を感じたのか、ゆっくりとその場を去っていった。



ある日、竈のそばに大きな獣の足跡が残っていた。森の木陰からこちらをうかがっている視線を数日前から感じていたのだが、危険を感じない。


と、朝ごはんの時、向こうからやってきた。白くて大きな犬?のようだ。敵意がしないので、近づくまでじっと待っていた。

傍まで近づいた犬っころは、おれの朝飯のウサギの肉をじっと見つめてきた。

それを食べさせてほしいと懇願するような目で、僕をチラッと見る。その可愛さに負けて、おれはお皿代わりの木の葉っぱに、ウサギの肉を置き、

「どうぞ」って言って差し出した。


白くて大きな犬は、本当に一口で食べてしまった。

そして、いかにも美味しかったと言いたげに、僕を見つめた。

それから、数日に一回ぐらいウサギやシカなどを咥えてきて、食べさせろと催促してきた。

可愛い奴だ。名前を“シロ”にした。



荷物がかさばるので、ひいらぎの魔導書から収納魔法の記述を探し出して、習得することにした。

『空間を切り取って、そこを拡げる』って。

わからん。

ヒントがほしい。

これは、しばらく保留だな。諦めが早や!。


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