フユト宅
「その時みんなで遊びに行きたいなぁって」ハルヤは言う 「へぇーいいじゃん どこ行くとか決まってるの?」「そうそれ 俺の親戚ってここより少し離れた田舎に住んでるんだよ、家貸してくれるらしいし皆で軽い旅行ってのはどうだ?」そんな軽いノリで行っていいのだろうか...「え、でも良いの?親戚とはいえ自分の家じゃないし」マナさんも同じ事を思ってたんだろう、少し心が浮き立つ「いやむしろ歓迎ですよ 俺もアイツらも喜ぶ」 「アイツらって誰だ?」「いや親戚よ 一人一人は説明がめんどい」そういえばコイツの家は家族が多いんだっけかとふと思い出す 「いいじゃんいいじゃん!私は賛成だよ」「私も、日にちによるけど多分大丈夫」自然と視線がこちらに向く ...もはや拒否権なしだろ 「いいよ、俺も」
「よっしゃ!8月の10日に出発 1週間位あっちにいるでいいか?」「「了解」」
「ただいま」誰も居ない家に静かに響く 『フユトへ 夕飯は冷蔵庫にあります 母』出かける時にスルーしていた紙を見て冷蔵庫から飯を出す 両親は共働きで家になかなか帰ってこず、最近は一人で食べることも増えた 父に関しては朝も早いので3日位見ていない気もする ブラック企業ってこえぇ...
旅行か...半強制的に入れられたが実は結構楽しみである みんなで寝泊まりしたりして絶対楽しい マナさん達のパジャマなどを妄想してしまう、カレンダーについ目が行く 8月10日、その日に丸を付ける 「明日準備しなくちゃな...」誰に言うでもなく呟いた