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8話 え、誰ですか?あ、知ってます

あ、この人、、、、、、、



「雄吾さん、ちわっす!こいつらがイチャモンつけてくるんすよ!」

「ん?嬢ちゃんたちそれは本当のことか?」


 ヤンキーAは変なことを言ったらころすとばかりに睨みつけてくる。

 しかしそんな薄っぺらい抵抗で私が止まるわけがなく、さっさとチクるに限る。


「いや、私が通った時には既にリオが絡まれていましたよ。その後止めに入った私も絡まれました。」


「っていってるがどう言うことだ?」

「そ、そんなことないっすよ!おい!そこのリオとか言うガキ!なんもやってないよなぁ!」


「私はあなたに絡まれたんです〜やめてください!」

「ん?そういえばさっきからリオって言ってるな。確かによくみてみると。。」


30代おっさんにじっと見つめられるリオ、側から見たら結構危ない絵面なのでは?


おっさんは可哀想なので雄吾さんと言いましょう。


「な、なんですか?さっきから私のこと見て」

「もしかしてお前大空リオって名前じゃねぇか?」


「なんで知って、、もしかしてストーカーさんですか?!」

「ちげーよ!なんでそうなるんだよ!お前のオヤジさんの名前は大空 黒太郎だろ」


「雄吾さん!大空 黒太郎って!」


 ヤンキーAの顔が一気に青くなり始めた。

 大空 黒太郎と言ったら日本の探索者の中でも上位数%にも満たないAランク探索者でギルド『廃課金』の団長なの。


「そうですよ。私の父は黒太郎です」

「なるほど、やっぱり見たことのある面影だと思ったぜ」


「オヤジさんは娘を溺愛してるからな。お前、少なくとも三ヶ月は何もできないことを覚悟しといた方がいいぞ」


「な、なんで「黙れ!」」


 いきなりの大声で全員体が強張る。


「いいか?俺達は他の探索者がボスに挑まない時間にボス部屋を使わせてもらってるんだ!俺達は本来はもっと深い階層に潜るべきなのは俺達が宝箱ガチャして余りの装備を協会に回してるからだ!」


雄吾さんからの声、言葉からは覚悟や信念といったものが感じられた。


「それに順番を優先するためにも配置している、各階層を警備してトラブルが起きないようにしてる」

「でもっ、あいつらボス攻略もできない雑魚ですぜ!」


「馬鹿野郎!トラブルを防ぐ立場がトラブルを起こしてどうする!お前の処分は幹部会議で決められるだろう、今日はもう帰れ」


「ハァ!なんで俺が!!!こいつらさえいなければ!」

 血迷ったのかヤンキーAは剣を私に振りかぶってきている。

 突然のことで私は対応できなかった。。。


「『シールド』」


 私に剣が届く寸前に見えない何かに防がれた。

 良く目を見張ってみるとうっすらとした円型の膜に阻まれていた。


「え。。。。?何これ、助かった?」


「クソっ!なんで剣が通らねぇ!」


 ヤンキーAは自分の行動が通じないことが分かって、すぐに出口の階段に向かって走って逃げていった。え、ちょっ、逃げるの?!


「あ、っちょ!すみません、逃げられちゃったみたいなんですけど、」

「ガハハッ、そもそも嬢ちゃんに捕まえるのを手伝ってもらうつもりはねぇよ。」


「でもそれだと他の人に被害が出ちゃうんじゃ」

「そうですよ!おじさん!出口までで誰かに被害が出たら、、、」


「おじっ、まだおじさんって呼ばれるような歳じゃねぇっ、、まぁそれはいい。安心しろ嬢ちゃん、」

「なんで?!誰か死んじゃうかもよ?!」


「ここにくる前に階段付近に部下が待機してる。問題の原因

があのバカだと分かった時点でテレパスのアイテムで連絡してある」

「よかった。。。おじさんさっきも膜見たいので先輩守ってくれたし、部下持ってたりすごいんだね!」


「確かに、さっきのは流石に命がなくなったと思いました。薄い膜に助けられました」

「おう、あれは『シールド』っていう薄い膜を前方に展開する魔道具なんだ」


「え、防御系統の魔道具ってすごく高いはずでは、、」

 

防御系統の魔道具は、生身の人間が魔物の攻撃を防げる唯一といっていい手段だから極端に高いの。


一番高いのは自身の体に纏う鎧を出現させる魔道具で、使い切りじゃないせいで10億が最低ラインなの!


「そんな心配しなくていいぞ。これはボス周回のハズレアイテムだからな」

「ハズレ?!あんなにすごいのに!」


「それがそうでもないんだぜ?『シールド』は使い切りだし、一回しか防げないんだ。それよりこんだけ迷惑かけちまったんだ、詫び一つでもやるよ」


雄吾さんがジェスチャーをすると沢山のアイテムがドバドバと出てきた。


「雄吾さん、これは?」

「流石にこんだけの事だからな、上位でも最上位の魔道具でもなんでも持っていっていいぞ」


「ほんと?!おじさん太っ腹〜」

「こら、リオ流石にもらえないでしょ、いくらすると思ってるの」


「でもでも貰えるものは貰いましょうよ〜」

「そうだぞ、逆にもらって貰ってもらわねぇとこっちが困るんだ。あそこは謝罪もできないのかってな」


「そうですよ先輩!貰っときましょうよ」

「じゃあ、そう言う事なら」


 渋々了承した私は、リオと一緒に魔道具を見ていく。

 まぁ、どれがどんな効果なんて私にはわかんないんだけどね!


 リオも腕を組みながらふむふむしてる。顔の歪みがすごいなぁ、


武器から防具、ヘンテコな形した物まである。


「先輩!沢山ありすぎて困りますね!!」

「確かに悩むよね、できれば武器はすでにお気に入りがあるからそれ以外がいいね」


「防具とかどうですか?先輩のその立派な胸の装甲が傷つかないように」

「ちょっと!もぉ!何いってるの!まぁ防具なら、、けど動きにくいのは避けたいのよね」


「結構悩んでるみたいだな。いっそのこと俺が選ぼうか?希望さえ教えてくれればいいぞ」

「え、本当?!おじさんありがとう〜!」


「じゃあ、嬢ちゃん達の希望聞かせてもらっていいか?」

「私はズバーンって感じの武器がいい!」


「ズバーンって、、、私は動きを阻害されない防御系がいいですね」

「オーケー分かった。嬢ちゃん達におすすめできるのは、、、、ここら辺だな」


 私達はそれを見た時に驚いた。

 雄吾さんが持ってきたのはふたつで、木の棒にしか見えないやつと豪華な装飾が施された指輪だった。


 まだ指輪は防御用の魔道具だってことがわかるけど、木の棒に関しては全く見当がつかない。


「お願いします」

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