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第二日本帝国  作者: 脇田朝洋
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第6話 新しい生活

 次の日リナは引っ越しの荷物を乗せたトラックと一緒に皇宮にやって来た。

 コレットもシヴァに挨拶をしたいと一緒にやって来ていた。

 城門の案内人が引っ越しの荷物があるなら裏門から十六夜の職場と住居があるレア宮に入るように言われて車とトラックはレア宮に裏門から入る。

 裏門の出入り口にはシヴァが待っていた。


「おはようございます。シヴァ」

「おはよう。リナ」

「シヴァ殿。リナの父のコレット・ファインです」

「ああ、貴方がコレット殿ですか。お噂は兼ねがね聞いております」

「いい噂だといいのですがな」

「ハハ、もちろんですよ。コレット殿の昔の活躍ぶりは資料に残っていますからね」


 リナとコレットはシヴァに挨拶しシヴァも笑顔で迎えてくれる。


「ではトラックの荷物はリナの部屋に運びましょう。リナ、部屋に案内するがコレット殿は今は部外者のためこれ以上レア宮には入れません。すみません」

「いやいやそれを承知で今日は挨拶に来ただけですからシヴァ殿が謝られることはない。ではリナ、頑張れよ」

「はい。お父さん」


 リナはコレットに別れを告げコレットは車で帰って行く。


「では荷物運びは他のメンバーに任せよう。おい、カイン、ロベルト、ギル、イワン。責任を持ってリナの部屋に運べよ」

「はい。承知しました。シヴァ」


 カインはロベルトたちと荷物を運び始める。


「こんなに荷物を持ってきてすみません」


 リナにとっては必要最低限の物を選んだつもりだったがそれでもトラック一台分になってしまった。


「別にかまわないさ。女性はそれなりに必要な物が多いだろうし。さあ、部屋に行こう」


 シヴァはリナをレア宮の中に連れていく。


 レア宮は四階建ての建物で四階部分に十六夜の職場や休憩室、鍛錬室がある。

 居住区は三階だ。

 そして二階に食堂や会議室などがある。

 一階は主に来客対応の応接室がある。

 シヴァは居住区の三階にリナを連れて行く。

 レア宮は見た目は中世ヨーロッパの城のようだが内部はIT化が進んでいて各階には扉があり身分証になっているICカードが無いと入れないようになっている。

 リナはまだ身分証のカードを貰っていないのでシヴァが扉を開けてくれる。


「リナの部屋は306号室だ。私は301号室を使っているので何か用事があったら気兼ねなく尋ねてくれ」

「はい。ありがとうございます」


 シヴァは306と書かれた扉の前でカードを読み取り機にかざす。


「扉はオートロックになっているから身分証は常に身につけるように」

「はい」


 部屋の中は思ったより大きい。ベッドもあるし家具もある。お風呂もシャワー付きだしトイレももちろん完備だ。

 これなら自宅から持って来た荷物を入れても充分に余裕がある。


「まずはカインたちが荷物を運んで来るから午前中は荷物の片付けをするといい。それとこれがリナの身分証だ」


 シヴァはリナに身分証を渡した。

 リナは震える手で受け取る。これで十六夜のメンバーの仲間入りだ。


「荷物運んで来ましたよ。扉開けてください」


 廊下から声が聞こえる。

 リナは慌てて扉を開ける。


「すみません。荷物運びさせてしまって」

「いいんですよ。これも筋力トレーニングになりますからね。この荷物はここでいいですか?」


 カインが荷物を持って入って来る。


「はい。そこでいいです」


 その後も次々に荷物が運ばれて来る。

 リナはとりあえずの荷物の置き場を伝えて置いてもらう。

 荷物を運び終わるとリナは運んでくれたメンバーに頭を下げる。


「ありがとうございました。皆様」

「これくらいどうってことないさ。リナはもう俺たちの仲間だからな」


 ギルはリナに向かって笑顔を見せる。


「それじゃあ。昼食の席で十六夜のメンバーを紹介する。昼食は12時に二階の食堂で取る。その後に職務室でリナの仕事の説明をするからその時に雇用契約書を提出してくれ」

「はい」

「では後ほど食堂で会おう。リナ」

「分かりました」


 リナは元気よく答える。


「では我々は職場に戻るぞ」


 そう言ってシヴァたちは部屋を出て行った。

 リナは腕時計を確認する。

 今の時刻は10時を少し回ったところだ。

 約二時間弱で片付けないといけない。


「よし。やるぞ」


 リナはやる気満々で自分の荷物の荷解きにかかった。


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