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3-3

翌日も、僕は昼休み図書室で貸し出しの番をしていた。

今日は、幹が付き合ってくれた。

部活こそやっていないが、空手の道場に通っている体育会系の幹が図書室に来てくれるのは珍しい。

二人でくだらない話をしていた。

「宗は好きな女子とかいるのか?」

「僕は特にいないかな…。幹はいる?」

「俺も別にいないよ」

こういうのは最初は探りあいだ。僕たちは、つまりウブなのだ。

「由香とずいぶん仲良く見えるけどなー」

「別に友達だよ。幹はほんとにいないの?」


その時、図書室のドアが開いた。

僕と幹と、今図書室を訪れた来訪者を合わせると、この図書室に三人もの人間がいることになる。今年から図書委員になった僕が知っている限り、こんなに大人数の人間がこの空間にいるのは、かつて無い事だった。

一体どれだけ人気の無い図書室だ。

誰かと思ってドアのほうを見てみると、それは結衣だった。

「あ…いらっしゃい」

昨日の今日で、まさか来るとは思わなかった。

しかも僕、いらっしゃいて。また変な言い回しになってしまったぞ。

「だから、なんでお店風なのよ」

案の定指摘された。彼女は笑って、本棚に向かった。

よかった、怒ってないみたいだ。なんとなくホッとしてしまった。

「あ、幹、あのコね…」

紹介しようと思って幹の方を見た。

幹は彼女の方を見て固まっていた。


な、なんてわかりやすい…。

僕は紹介するのをやめて、もう一度あの質問をしてみた。

「幹はほんとに好きなコいないの?」


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